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おすすめ漫画② 絵で絵を語る ―ブルーピリオド―

こんばんは、心太です。

今回はおすすめ漫画、第二弾!!

【こんなひとにおすすめ】
・お絵描きや芸術が好き
・人間の感情描写の細かな作品が好き
・自分を表現することが苦手

第一弾が激熱JAZZ漫画、「BLUE GIANT」でした。

今回ご紹介するのは、「ブルーピリオド」です。
ブルーかぶりですね、なんてこったい。
ブルーピリオド 1巻~7巻(アフタヌーンで連載中) ※2020年7月現在

記事を書くために調べてびっくり、2020年のマンガ大賞でした。

いずれアニメ化もされるんじゃないでしょうか。
心理関係ないので、無責任に希望的観測を含めお送りしています!

さて、ではでは私の考える「ブルーピリオド」の魅力をどうぞ↓↓↓
なお、今回は作中のセリフのみをいくつかご紹介しています。
ほんの少しだけでもネタバレが気になる、という方はここで読むのを止めてください。

1.ひとの持つ葛藤や劣等感という普遍的なテーマ性

ブルーピリオドの主役は、矢口八虎(やぐち やとら)という高校生(1巻時点)です。
仲間と夜遊びをするような、ちょっぴり不良少年でありながら、成績も良く、また色んなタイプのひとと気さくにコミュニケーションの取れる、人当たりの良い高校生です。

一見、そつなく、要領よく過ごしているように見え、周囲からは根っからの陽キャ(リア充)と捉えられています。
でも、実際は周囲の様子を良く観察し、努力で必死に適応している(と八虎は思っている)人物です。

友人関係も成績も順調な一方で、無目的でどこか空虚な人生に、ぼんやりとした疑問と焦燥を感じていました。
アイデンティティが確立されていないがために、他者からの評価(成績)や、他者から必要とされることで、自分の価値を担保していたのですね。
※アイデンティティ:自分らしさだったり、自己評価だったり、“自分とは”という感覚

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そんなとき、ひょんなことで美術と出会い、自己表現とそれが伝わることの喜びを知ります。
八虎にとっては、まさに景色と、そして人生に色がついた瞬間だったことでしょう。
無目的で他者依存的であった八虎の高校生活は一変します。

絵という手段をもって表現する楽しさを知り
初めて本気でのめり込んだもので他者よりも劣るという劣等感を味わい
喜びと苦悩の間で葛藤をしながら
自分でも知らなかった自分自身との出会いを噛みしめていく

そんなとっても人間くさい作品です。
八虎の切実な、想いのこもったセリフでこの章を〆ます。

「好きなことをやるって、いつでも楽しいって意味じゃないよ――」
                          (矢口八虎)

好きなことに全力になるって、ときにはとても苦しく怖いものですよね。
それでも手を動かし、キャンパスに線を、色を落としていく八虎
頑張れ!お前は正しい!!
そう言いたくなる主人公です。

2.諦めていたことに挑戦する勇気が湧いてくる

私自身、ブルーピリオドを読んで、前々から興味があったお絵描きを始めました。
プロフィールのリンゴのアイコンはその一つです。
家での時間が増えている今、時間を忘れて取り組める楽しみがあることは、精神衛生上でもとても良いと感じています。

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ちなみにカウンセリングの手法にも、芸術療法といって絵を描いたり、作品を作ったりするものもあったりして、理論的にもこころへの効果は証明されているのです。
一番有名なのは箱庭療法と呼ばれるものですね。
何かを自分の手で作り上げる、という営みは、人間にとって根源的な行為なのもしれませんね。

さて、八虎も完全素人の状態から絵を描き始めますが、本気で絵に打ち込むまでにいくらかの葛藤を感じます。
“絵を描く”という行為は、特別な才能を持っている人が行うことで初めて意味を持つ。
将来的に意味をなさないのなら、本気で取り組むエネルギー、かけた時間は無意味なのではないか。


私も同じように考えていましたし、またこのような感覚って絵に限った話ではないですよね。
先回りしてやらない理由を探してしまうこと、心当たりありませんか?
私は心当たり大有りです。
そんな私が、「ああ、そうか、もっと自由でいいんだった」と思い出せた作中のセリフがこちら

「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」
               (森先輩)

文脈や展開がないと威力半減ですねえ(笑)
是非、作品の流れの中で目にして欲しい一幕です。

かくして、八虎は絵描きの世界に飛び込み、持ち前の勤勉さとコンプレックスを原動力に突き進んでいきます。
誰に遠慮することもありません。
好きなことをやりゃあいいんです!ね!先生!!

「好きなことをする努力家はね、最強なんですよ!――」(佐伯先生)

3.個性豊かなキャラクター達

カウンセラーとして様々な人に会い、期間限定ですが教鞭を取らせてもらっていますが、ひとは皆それぞれ個性的です

「無くて七癖――」とはよく言ったものだなあと日々感じます。
   ※無くて七癖、あって四十八癖:ひとは少なくとも7個の癖があり、
    多ければ48個も癖がある。多かれ少なかれ癖があるという意

ですが、ブルーピリオドの登場人物達はクセがすごい!
もちろんフィクションだということもありますが、現実世界でも“個性化”や自己主張の求められる芸術の世界に生きる人たちは、個性を前面に押し出している人が多いように感じます。

もちろん先に書いたように、皆個性はたっぷりと持っているので、自分で個性を自覚し表現しようとしている人が多い、もしくは“没個性化”を必要としない人が多い、のではないかなあと空想しています。

やや脱線しましたが、ブルーピリオドにはいろーんな人物が登場し、周囲に溶け込むことで立場を作ってきた八虎は、それぞれの人物との出会いで少しずつ世界を拡げていきます
それぞれの登場人物、そしてそれぞれの描く作品を味わうのもまた、ブルーピリオドを楽しむ醍醐味の一つです。

八虎と愉快な仲間達との、格好良くて、私が大好きな掛け合いのシーンをご紹介します。
八虎「やば、空気読む気ないじゃん」
?「それで何も言わないなら君は空気そのものだね」

八虎と一緒に、愉快な仲間たちとの出会いを楽しんでください。

以上、おすすめ漫画第二弾「ブルーピリオド」でした。
雨続きですが、楽しいお家時間を!

では、また。

心太

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