『ぼくは君がなつかしい: ほろほろ落花生全集』(破滅派)を読んで
『ぼくは君がなつかしい:ほろほろ落花生全集』(破滅派)を読んだ。著者のほろほろ落花生は1979年生まれのまったく無名の人間だ。東京大学の仏文科を卒業後、新日鐵に就職するも遁走し、地元の福井で(永)蟄居生活を送る「子ども部屋おじさん」(こどおじ)と紹介される。そんな人物のテキストが、大学の同期生である高橋文樹により編年体で「全集」としてまとめられている。著者は作家志望なのだろうが、何かの文学賞に応募した形跡はない(あれば、収録されているだろう)。大学の卒業論文のほか、モラトリ