鴇田義晴

フリーライター。連絡先:tokita.yoshiharu@gmail.com

鴇田義晴

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鴇田義晴の連絡先、主要執筆媒体一覧

鴇田義晴(ときたよしはる) 1982年千葉県生まれ。出版社勤務を経てフリーライター。 連絡先:tokita.yoshiharu@gmail.com ※返信は数日中には行います。返信は常用の「○○○@ybb.ne.jp」アドレスから送りますので、確認できない場合、迷惑メールフォルダもご確認ください。 主要執筆一覧(敬称略) 【2024年】 ・『中央公論』(中央公論新社)2024年2月号 「「活」氾濫のなぜ」特集 石原壮一郎、辛酸なめ子対談 「得られるのは達成感か、一体感か、

    • 『現代思想』臨時増刊号「総特集:立岩真也 1960-2023」の感想

       『現代思想』(青土社)の臨時増刊号「総特集:立岩真也 1960-2023」を読んだので感想を書く。それぞれの筆者が立岩の断片を綴っている。知り合いの知り合いなどゆるいつながりのありそうな人もいるが、敬称はすべて略としたい。本書の寄稿者は【】で表記してある。  立岩の名を知ったのはいつだろうと記憶をたどってゆくと、2000年代のなかばに、だめ連やら松本哉の法政の貧乏くささを守る会やら素人の乱について、細かい解説が書かれたサイトがあり、それが立岩が立ち上げた生存学研究所のサイト

      • 投稿評論落選作一覧

         2022すばるクリティーク賞の受賞作「90年代サブカルチャーと倫理:村崎百郎論」は10作目の投稿作品だった。  10作の内訳は『群像』(講談社)の「群像新人評論賞」が4回、『すばる』(集英社)の「すばるクリティーク賞」が5回。『美術手帖』(美術出版社)の「第16回芸術評論」が1回である。「すばる」は第1回から応募し、最後の年に受賞に至った。このうち一次選考を通過したのは「美術手帖」のみだ。ほかの作品はどの程度の評価を受けていたのかは定かではない。とはいっても、受賞作はあった

        • 北九州日記/青山真治クロニクルズ展来訪記

          2023年12月に北九州で行われた青山真治クロニクルズ展ならびに追悼特集上映へ行ってきた。こちらも、すぐに書けず時間が開いてしまった。 ・12月6日  午後、成田空港へ向かい第三ターミナルから福岡行のジェットスター航空へ乗る。車内はガラガラだ。通路側の席を取っていたが、空いている窓際へ移動する。離陸後、漆黒の闇に光が浮かぶ一帯があり、あれは何かと考えていたら新島と神津島だと合点する。500円のミールクーポンが付いていたのでチップスターとコーラを食す。1時間半ほどで、飛行機は

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          渡韓日記

           昨年、2023年の9月に10日ほど韓国へ行ってきた。最後へ韓国へ行ったのは2016年の秋にナムジュン・パイクの没後10年のエキシビジョンへ行って以来なので、7年ぶりとなる。前回の旅行で韓国の物価は日本より1~2割安い感覚だったが、今回は1ドル150円の円安の影響で、日本より1~2割高くなっていた。1万円に対する韓国ウォンの両替レートはもっとも良いところで9万ウォンだったので、あらゆる物価が日本の15%増しくらいで迫ってくる。海外旅行の魅力の上位に物価の安さがあるため、出てゆ

          もうすぐ無くなる(あるいはすでに消滅した)タイの音楽CDについて

          カンボジア旅行ののち、タイのバンコクにも立ち寄った。そこでも音楽CD、カセットテープ、レコードを探す。タイでも私が求める古い時代の音源を収録した音楽CDはすでに生産を終了し、デットストックが残るのみの状態のようだ。本当は前回(半年前)のタイ旅行後に書こうと思っていたが、先延ばしになってしまった。情報は2023年夏現在のものも含まれる。 1、ノーン・タプラチャーン バンコクで音楽CDを探すならばまず訪れたい店。タイの今現在の流行音楽のほか、洋楽、古いタイ歌謡CDも扱う。場所は

          もうすぐ無くなる(あるいはすでに消滅した)タイの音楽CDについて

          『深夜特急』と「H鳳大学の3年生」

           『朗読・深夜特急:オン・ザ・ロード』(TBSラジオ)が1月末で終了した。沢木耕太郎の名作を俳優の斎藤工が朗読してゆくもので、2023年4月に始まった。当初は半年間の放送予定であったが、都合4ヶ月間伸びた。最終回は2時間ノンストップのロングランであり、ポルトガルからフランスのパリ、ロンドンまでの行程が一気に朗読された。  『深夜特急:オン・ザ・ロード』は月曜日から金曜日まで毎日25分ずつオンエアされる。そのうち、定形のオープニングに続きCMが3分ほど(時折、沢木からのメッセー

          『深夜特急』と「H鳳大学の3年生」

          カンボジア断想

           8年ぶり2度目のカンボジア渡航の断想を記す。旅先で役に立つであろう情報もなるべく盛り込みたい。 【出入国カード紛失】カンボジア入国時に記す出入国カードを紛失した。カンボジアの出入国カードは入国時に半分が回収され、出国カードにスタンプが押され返される。これを出国時に提出するのだが紛失した。パスポートに挟んでいたはずだが、カンボジア最終日、ポイペトの宿で紛失に気づく。荷物をひっくり返したが最後まで見つからない。カンボジアは宿泊時にパスポートを見せる。スマホで写真を撮る宿もあれ

          カンボジア断想

          カンボジアの路上で55枚のトランプをそろえる

           私は旅先で紙くずをよく拾う。エフェメラ(ephemera)と呼ぶと高尚だが、その国や地域の生活の記録をもっとも体現するものであると考えるためだ。本当は空き缶や空き瓶も持ち帰りたいのだがザックに詰めきれず、最後はとんでもない重さになる。紙くずならばどれだけ拾っても大したことはない。ペットボトルや瓶のラベルは剥がせば良い。  カンボジアでも同じ試みをしようと思ったが、これまでのエントリで書いた通り、この国に流通する日用品はほとんどがタイかベトナムからの輸入品だ。個性があるのはビ

          カンボジアの路上で55枚のトランプをそろえる

          ベトナム・ホーチミン〜カンボジア国境・モクバイまでの陸路移動方法

          ベトナムのホーチミン(サイゴン)からカンボジア国境の町であるモクバイまで陸路で移動し、カンボジア側の国境の街バベットへ抜けたので記録を残しておく。情報は2023年12月末現在のもの。 移動手段は以下。 ・ホーチミン9月23日公園バスターミナル→クチバスターミナル、71番バス乗車、料金2万ドン ・クチバスターミナル→ゴーダウの交差点で途中下車、701番バス乗車、料金3万ドン ・ゴーダウ宿→モクバイ国境、タクシー乗車、料金25万ドン(定額) ネット上ではホーチミンからモクバイ

          ベトナム・ホーチミン〜カンボジア国境・モクバイまでの陸路移動方法

          カンボジアフィジカル音源の現状

           年末年始にカンボジアを訪れた。ベトナムのホーチミンに入り陸路で移動し、バッタンバンを経由してタイ国境へと至った。今回の渡航目的の一つはカンボジア(クメール)音楽のCDやカセットテープだったが、これらのメディアはほぼ壊滅状態と言える。  今やどんな小さな街にもスマホショップがあり、人々はスマホで音楽を聴いている。ラジオではクメール歌謡がガンガンにかかっていたので、そうした音楽自体の需要は消滅していない。プノンペンの書店には関連書も売られていた。  家電量販店を細かくめぐったわ

          カンボジアフィジカル音源の現状

          2023年総括/プノンペンより

           カンボジアのプノンペンにいる。ベトナムのホーチミンから陸路で移動してきたのだが、窓がなく風通しもない冷房オンリーのサイゴンの独房安宿で風邪を引き、さらに安いからとタバコを吸ったことで喉を痛め、熱は下がったものの喘息状態になった。ベトナムでは処方箋なしで喘息の吸引薬が買えると知り、48万8千ドン(とてつもない金額に思えるが日本円だと3000円ほどだ)の薬を、朝と夜に吸い続けたら、なんとか回復してきた。再び片方の扁桃腺が腫れだしたが、ベトナムで買い込んだ薬用喉飴のストレプシスで

          2023年総括/プノンペンより

          宮崎誉子とチバユウスケ、2つの「世界の終わり」

           チバユウスケの訃報を受け、宮崎誉子(たかこ)の名を思い出した。彼女は1999年に『リトルモア』(リトル・モア)の「第三回ストリートのベル大賞」を「世界の終わり」で受賞した。このタイトルはザ・ミッシェルガン・ガン・エレファントの1996年のデビュー曲から取られている。  「世界の終わり」の主人公である26歳の私は彼女自身のことだろう。「世界の終わり」には姉の結婚、両親の来歴、さらに高校を卒業し半年で辞めたスーパーの話などが記される。物語の最後、ホームページデザイナーを志した

          宮崎誉子とチバユウスケ、2つの「世界の終わり」

          『キリエのうた』鑑賞ノート

          ・岩井俊二『キリエのうた』を観た。いろいろと思うところがあったのでネタバレ含みでメモを記す。岩井俊二は新作が公開されるたびに、映画館で観てきたが、毎度のように不満を覚えるので良い観客ではない。それでも観るのは、やはり岩井俊二という映画監督が自分の中で大きな存在であるからだろう。 ・岩井俊二は現実のようで現実ではない巧妙なフェイクを作り出す。それがもっとも成功しているのが『スワロウテイル』であろう。『スワロウテイル』は日本へ金を稼ぎにやってきた不法移民たちの群像劇であり、アジア

          『キリエのうた』鑑賞ノート

          山形日記

           10月に山形国際ドキュメンタリー映画祭へ参加した。映画祭は隔年開催だが、前回はコロナ禍のためオンラインとなり、実地は4年ぶりとなる。鑑賞と行動の記録を残しておく。 ・10月5日木曜日  昼前の山形新幹線に乗る。自由席が無くなり全席指定になっていた。あっという間に福島に到着し、やがて山形駅へ到着する。開会式後のオープニング上映『Ryuichi Sakamoto|Opus』は、死の約半年前、坂本龍一の最後のスタジオ演奏映像が収録されたドキュメンタリーであり、実子の空音央が監督

          ロフトイベント議事録本『鬼畜系サブカルの形成過程における制作者の役割に関する実証的研究』第二版発行の告知

          ・このたび今年2月16日に新宿ロフトプラスワンで行われたイベント「90年代サブカルチャー大総括:鬼畜系とは何だったのか」の議事録を中心とする同人誌『鬼畜系サブカルの形成過程における制作者の役割に関する実証的研究』の第二版が発行される。(B5/本文50頁) ・初売りの場は11月11日の「文学フリマ東京37」であり、頒布価格は初版に同じく700円とした。編集実務と構成を担った虫塚虫蔵のサークル「迷路'23 」のブース(2階た-47)で購入できる。その後は東京のタコシェや模索舎、名

          ロフトイベント議事録本『鬼畜系サブカルの形成過程における制作者の役割に関する実証的研究』第二版発行の告知