鴇田義晴

フリーライター。連絡先:tokita.yoshiharu@gmail.com

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鴇田義晴の連絡先、主要執筆媒体一覧

鴇田義晴(ときたよしはる) 1982年千葉県生まれ。出版社勤務を経てフリーライター。 連絡先:tokita.yoshiharu@gmail.com ※返信は数日中には行います。返信は常用の「○○○@ybb.ne.jp」アドレスから送りますので、確認できない場合、迷惑メールフォルダもご確認ください。 主要執筆一覧(敬称略) 【2024年】 ・『スペクテイター/Spectator』(エディトリアル・デパートメント/幻冬舎) vol.53「1976 サブカルチャー大爆発」特集。

    • TBSの入社試験で尊敬する人を水道橋博士と答えて落ちた話

       9月17日に高円寺のパンディット(Pundit')で行われた、松本哉×水道橋博士『世界マヌケ反乱の手引書 増補版』(ちくま文庫)刊行記念イベントへ参加した。  松本さんとは古い知り合いであり、水道橋博士さんも長年のファンとあって、これは行かずにはおられなかった。イベントの内容は10月1日までアーカイブで視聴が可能だ。  パンディットは初めて訪れたが、怪しい雑居ビルの2階にあり、近くにはリサイクルショップの素人の乱もある。スペースは学校の教室を一回り小さくしたような感じで、

      • 『ぼくは君がなつかしい: ほろほろ落花生全集』(破滅派)を読んで

         『ぼくは君がなつかしい:ほろほろ落花生全集』(破滅派)を読んだ。著者のほろほろ落花生は1979年生まれのまったく無名の人間だ。東京大学の仏文科を卒業後、新日鐵に就職するも遁走し、地元の福井で(永)蟄居生活を送る「子ども部屋おじさん」(こどおじ)と紹介される。そんな人物のテキストが、大学の同期生である高橋文樹により編年体で「全集」としてまとめられている。著者は作家志望なのだろうが、何かの文学賞に応募した形跡はない(あれば、収録されているだろう)。大学の卒業論文のほか、モラトリ

        • 「よみがえれ見沢知廉の補足」2/祥月命日に寄せて

          ・「論壇チャンネルことのは」「よみがえれ!見沢知廉」の後編が公開された(こちらは一週間限定公開のち、メンバーシップに移行する)。はからずも本日は見沢知廉の祥月命日にあたる。 ・見沢の墓は、実家のあった文京区千駄木の光源寺にある。「作家」ではなく「家」の墓に入っている。これは記しても良いだろうが、動画でも触れた母子を超えた同士であった母親は離婚しているため同じ場所にはいない。 ・前編で触れた、私が見沢の母親から手紙をもらった経緯も記しておく。当時、私は友人と著名人に年賀状を送

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          「よみがえれ!見沢知廉」の補足1

          ・YouTubeの「論壇チャンネルことのは」に出演した。「よみがえれ!見沢知廉」と題した前後編の動画に出演している。前編は期限なしで無料公開、後編は1週間限定公開ののち有料のメンバーシップ公開となる予定だ。8月30日より前編動画が公開されている。 ・『すばる』(集英社)2023年2月号に掲載された「蒼空と革命:見沢知廉」を読んだ「論壇チャンネルことのは」編集長の今西宏之さんより依頼をいただいた。 ・収録はオンラインで1時間強ほど話したが、時間はあっという間に過ぎてしまった。

          「よみがえれ!見沢知廉」の補足1

          バンコク雨季日記

           2024年7月にタイのバンコクへしばし滞在したので記録を記しておく。今の時期、バンコクは雨季にあたり毎日のように雨が降る。 ・7月X日  夕刻、バンコクの定宿へチェックインする。スタッフには部屋番号まで覚えられている。宿代は据え置きの400バーツ。500バーツの部屋をエアコンなしで400バーツにしているが、今回はホットシャワーを使う場合は50バーツ増しと言われるが不要と伝える。この宿は立地や雰囲気はとても良いのだが、ある時期まで水シャワーのままだった。コロナ明けで3年ぶり

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          マレーシア・ペナン島『深夜特急』「同楽旅社」跡地をたずねる

           2024年の7月はじめにマレーシアのペナン島を訪れた。沢木耕太郎『深夜特急』(新潮文庫)に出てくる同楽旅社の跡地をたずねたので記録を記しておく。  沢木は日本を発ち、香港・マカオを経てタイのバンコクへたどり着く。都市の喧騒から逃れようと南へ向かう列車へ乗る。田舎町のチュムポーンを経て、国際列車で国境を超えペナン島へ至る。忙しなく移動を繰り返す沢木が珍しく長逗留をしたのが同楽旅社だった。  この安宿には住み込みの娼婦たちがおり、客を取っている。娼婦たちのヒモもおり、沢木は彼ら

          マレーシア・ペナン島『深夜特急』「同楽旅社」跡地をたずねる

          クアラルンプール(KL)のミッドサマー/落選の記

           マレーシアのクアラルンプール(KL)に行ってきた。昨年同国から送った荷物が1年経っても届かず、最初はコロナ禍で物流が滞っているのかと思いきや、POS(郵便局)にオンラインチャットで問い合わせると、クレームの受付は6ヶ月以内に限るとそつない返事が帰ってきた。どうやら中華街の朝市で買った乾電池が入ったままのブッダマシーンが禁止物のバッテリーとして引っかかっているようだ。  直接取りに行こうと現地の郵便局へ行ったのだが、何か捜索願のような書類を書いて終わりだった。レシートの原本を

          クアラルンプール(KL)のミッドサマー/落選の記

          寺山修司墓参記

           5月4日にぽっかりと時間が空いたので寺山修司の墓参へ赴いた。これまで何度か寺山の墓へは訪れている。日記を調べると2014年6月1日、2010年10月29日とあったので10年ぶりとなる。14年は友人と一緒だったので、墓の前で写真を撮った時、ガラケーを使っていたのを思い出す。  寺山の詩篇「懐かしのわが家」は“昭和十年十二月十日にぼくは不完全な死体として生まれ何十年かかゝって完全な死体となるのである”の一節から始まる。寺山が“完全な死体”となったのは1983年の5月4日なので、

          寺山修司墓参記

          『現代思想』臨時増刊号「総特集:立岩真也 1960-2023」の感想

           『現代思想』(青土社)の臨時増刊号「総特集:立岩真也 1960-2023」を読んだので感想を書く。それぞれの筆者が立岩の断片を綴っている。知り合いの知り合いなどゆるいつながりのありそうな人もいるが、敬称はすべて略としたい。本書の寄稿者は【】で表記してある。  立岩の名を知ったのはいつだろうと記憶をたどってゆくと、2000年代のなかばに、だめ連やら松本哉の法政の貧乏くささを守る会やら素人の乱について、細かい解説が書かれたサイトがあり、それが立岩が立ち上げた生存学研究所のサイト

          『現代思想』臨時増刊号「総特集:立岩真也 1960-2023」の感想

          投稿評論落選作一覧

           2022すばるクリティーク賞の受賞作「90年代サブカルチャーと倫理:村崎百郎論」は10作目の投稿作品だった。  10作の内訳は『群像』(講談社)の「群像新人評論賞」が4回、『すばる』(集英社)の「すばるクリティーク賞」が5回。『美術手帖』(美術出版社)の「第16回芸術評論」が1回である。「すばる」は第1回から応募し、最後の年に受賞に至った。このうち一次選考を通過したのは「美術手帖」のみだ。ほかの作品はどの程度の評価を受けていたのかは定かではない。とはいっても、受賞作はあった

          投稿評論落選作一覧

          北九州日記/青山真治クロニクルズ展来訪記

          2023年12月に北九州で行われた青山真治クロニクルズ展ならびに追悼特集上映へ行ってきた。こちらも、すぐに書けず時間が開いてしまった。 ・12月6日  午後、成田空港へ向かい第三ターミナルから福岡行のジェットスター航空へ乗る。車内はガラガラだ。通路側の席を取っていたが、空いている窓際へ移動する。離陸後、漆黒の闇に光が浮かぶ一帯があり、あれは何かと考えていたら新島と神津島だと合点する。500円のミールクーポンが付いていたのでチップスターとコーラを食す。1時間半ほどで、飛行機は

          北九州日記/青山真治クロニクルズ展来訪記

          渡韓日記

           昨年、2023年の9月に10日ほど韓国へ行ってきた。最後へ韓国へ行ったのは2016年の秋にナムジュン・パイクの没後10年のエキシビジョンへ行って以来なので、7年ぶりとなる。前回の旅行で韓国の物価は日本より1~2割安い感覚だったが、今回は1ドル150円の円安の影響で、日本より1~2割高くなっていた。1万円に対する韓国ウォンの両替レートはもっとも良いところで9万ウォンだったので、あらゆる物価が日本の15%増しくらいで迫ってくる。海外旅行の魅力の上位に物価の安さがあるため、出てゆ

          もうすぐ無くなる(あるいはすでに消滅した)タイの音楽CDについて

          カンボジア旅行ののち、タイのバンコクにも立ち寄った。そこでも音楽CD、カセットテープ、レコードを探す。タイでも私が求める古い時代の音源を収録した音楽CDはすでに生産を終了し、デットストックが残るのみの状態のようだ。本当は前回(半年前)のタイ旅行後に書こうと思っていたが、先延ばしになってしまった。情報は2023年夏現在のものも含まれる。 1、ノーン・タプラチャーン バンコクで音楽CDを探すならばまず訪れたい店。タイの今現在の流行音楽のほか、洋楽、古いタイ歌謡CDも扱う。場所は

          もうすぐ無くなる(あるいはすでに消滅した)タイの音楽CDについて

          『深夜特急』と「H鳳大学の3年生」

           『朗読・深夜特急:オン・ザ・ロード』(TBSラジオ)が1月末で終了した。沢木耕太郎の名作を俳優の斎藤工が朗読してゆくもので、2023年4月に始まった。当初は半年間の放送予定であったが、都合4ヶ月間伸びた。最終回は2時間ノンストップのロングランであり、ポルトガルからフランスのパリ、ロンドンまでの行程が一気に朗読された。  『深夜特急:オン・ザ・ロード』は月曜日から金曜日まで毎日25分ずつオンエアされる。そのうち、定形のオープニングに続きCMが3分ほど(時折、沢木からのメッセー

          『深夜特急』と「H鳳大学の3年生」

          カンボジア断想

           8年ぶり2度目のカンボジア渡航の断想を記す。旅先で役に立つであろう情報もなるべく盛り込みたい。 【出入国カード紛失】カンボジア入国時に記す出入国カードを紛失した。カンボジアの出入国カードは入国時に半分が回収され、出国カードにスタンプが押され返される。これを出国時に提出するのだが紛失した。パスポートに挟んでいたはずだが、カンボジア最終日、ポイペトの宿で紛失に気づく。荷物をひっくり返したが最後まで見つからない。カンボジアは宿泊時にパスポートを見せる。スマホで写真を撮る宿もあれ

          カンボジア断想