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妄想町中華“石川餃衛門”の釜茹で餃子。

子どもの頃から言葉遊びみたいなものが好きで、たまに突如として頭に浮かんだ言葉やフレーズに、ひとりでほくそ笑んだり満足したりすることがあります。

ヅキヅキする月、バラバラの薔薇、ドキドキする時。

こういうのなんか面白くないですか。


🥟五右衛門、よみがえる

そんな調子でおとなになっても、たまにそういうワードが頭に浮かんでくるのですが、この間ふと出てきたのがこれ。

石川餃衛門。 

ワードというよりもはや人名ですが、ひと文字入り込んだ字面で想像できるとおり、要はこれですね、これをきっかけに生まれたワードというかなんというか。

もし自分が石川という苗字に生まれて、もしなにかのご縁で餃子を売りにした町中華屋をやることがあったとしたら、店の名前を石川餃衛門にしたいくらい、気に入ってしまいました。

元ネタはもちろん、みなさんご存知の天下の大泥棒。なんだかおかしな感じで五右衛門さんがよみがえってしまいました。

ちなみに石川五右衛門は右という字が入ってますね。読み方としては“ごうえもん”ではなく“ごえもん”が一般的なようですが、これは“う”と“え”がリエゾンしたんでしょうか。

餃衛門のほうは右の字は入ってませんが、もともと“餃”にフリガナを振ると“ぎょう”です。こちらも続く衛門の“え”と繋げて“ぎょえもん”と読みたいと思います。

さておき、結局自分は石川さんでもなければ、町中華を起業する予定もないので、これは妄想。でもふと頭に浮かんだワードから、こんなことを考えたりするのも楽しいもんです。ぎょえもんです。

🥟つくってみよう焼き餃子

さて、楽しいがあれば、あとほしいのは“おいしい”です。

🧅新玉ねぎと春キャベツ

季節の春キャベツに新玉ねぎ。頭の中には渦巻く餃右衛門。いや、餃子。

にらとひき肉、にんにくにしょうがも用意しました。とくれば。

そう、今回は前置きが長くなりましたが、春キャベツと新玉ねぎの春餃子をつくってみます。

春キャベツ、新玉ねぎ、にらを細かく刻んで塩を振って軽く混ぜます。

30分ほど置いて、しっかり水気を絞ります。春キャベツは水分が多いので、けっこう絞れてびっくりするかも。

おろしたにんにくとしょうが、中華スープの素、甜麺醤、ごま油を足します。

全体をよく混ぜたらタネのできあがり。お好みで干し椎茸やねぎなどを加えてもよし、ちょっと変わり種だとセロリやにんじんのような香味野菜類もいいと思います。

🥟包み方のポイント

さて、ここからは包みタイム。

縁に半周分、水を塗った餃子の皮の中央にタネを載せます。水は糊の役目です。

真ん中をくっつけます。ほら、水のおかげでぴたっとくっつきました。

あとは、端からたたむようにひだをつくって、口を閉じていきます。

口の閉じ方には気を遣うところですが、焼餃子の場合は、すこしくらいなら隙間があっても大丈夫。

ただし水餃子にするときは、しっかり閉じておかないと茹でているうちに中身がスープの中に出てきてしまうので要注意。その場合は中に詰める餡の量をすこし控え、余白を多く残してくっつけるとうまくいきます。

餃子の行列。

🔥カリっとよく焼き

さあ、包めたら焼きますよ。

フライパンに油を敷いて、餃子を並べてから火をつけ、底に焼色がつくまでそのまま焼きます。

焼色がついたら水を入れて、蓋をします。そのまま弱めの中火で蒸し焼きに。

だんだん皮が、半透明になってきてるのわかりますよね。

蓋を取って火を強め、水分を飛ばします。

ここでごま油を少々。

餃子の底面にいきわたらせて、底を揚げ焼きにします。

みごとな焼き上がり。

カリカリに焼けた“よく焼き”いいですよね。もう、ビールが止まりません。餃子とビールって、なんでこんなに相性いいんでしょう。街で愛を確かめ合うカップルよりも、はるかに離れ離れならないようにしてあげたい組み合わせです。

🤔万が一、恒河沙が一の餃衛門

ところで、石川餃衛門。

まだこのワードが頭を離れてくれません。それならばやむをえないので、もうすこし妄想町中華タイムを延長しましょうか。いましばらく石川餃衛門のことを考えてみます。

餃子の調理法としては、ふだんは焼き一択といってもいいほど、餃子といえば焼き餃子派なのですが…。

もし万が一、億が一、兆が一、恒河沙が一。石川餃衛門がオープンすることがあれば、茹で餃子を看板メニューにするといいかもしれません。

なんてったって、石川五右衛門由来のネーミングですからね。もちろん、茹でるのは釜を使います。

釜茹で餃子。

🍲石川餃衛門の餃子はこれ

おお、それ我ながらおもしろそうだな。そう思ったら、矢も盾も。

買ってしまいました。釜飯用のお釜です。

以前、人気の駅弁の釜飯をアレンジ再現したときですら、土鍋で炊いたというのに、なぜこのタイミングで…。

石川餃衛門おそるべし。なんらかのパワーワードなのかもしれません。まるで見えない力に導かれるかのように、我が家にお釜がやってきました。

さて、もしあなたが釜茹で餃子を提供するとしたら、どんなふうにプレゼンしますか。

たとえば、ひとりサイズの釜をテーブルにセットしておいて、セルフで餃子を茹ながら食べるなんてよくないですか。もはや餃子のお店ではなく、鍋物の店という気もしますが。

🔥妄想名物メニュー釜茹で餃子

ともあれ、釜を買ってしまった以上、お店はなくともやらねばなりません。

よし、茹でるぞ。

茹でる、茹でる、茹でる。

仕上げにたっぷり青ねぎをちらしました。

ポン酢につけていただくと、熱々ハフハフ。これおいしい。

餃子にはいろんな具や味のバリエーションがあって、それを各テーブルで、自分たちで茹でながらパクパクやって、ビールをプハァ。そんなお店が石川餃衛門です。なんだか流行りそうな気すらしてきました。

ちなみに、今回茹でるのは水を使いましたが、中華スープの素を溶かしたりしても文句なくおいしいと思います。ほかにいろんな野菜を一緒に煮てもいいですね。ますますお鍋になりますが。

石川餃衛門、開店予定はありませんが、よろしくお願いいたします。いつかチェーン展開するかもしれません。脳内で。

幻の妄想町中華に、名物メニュー釜茹で餃子が誕生したお話でした。

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