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冷やしカレーが生まれた日

暑い日が続くと食べたくなるメニューってなんですか。

冷やし中華に冷やしうどん、そうめんに冷やしたなすの揚げびたし。どれも冷たくて美味しいですよね。暑さに疲れた体に、するする入る冷たいメニューは、夏ならではの美味しさです。


🐧冷たいカレーを食べてみたい

そんな中、暑い日に食べたくなるのに、冷たくない人気メニューもあります。そう、カレーです。

カレーは暑い国生まれの料理で、そして食べながら汗をかくのがいいんですよね。辛くてホットだからこそ、カレー。暑い国にスパイスたっぷりの料理が生まれたのは、きっと意味があるんだと思います。

でも、ふと思い立ちました。

冷たいカレーを食べてみたい。

というわけで、今回は冷やしカレーを作ってみようと思ったお話です。そういえば、今日は金曜日。カレーの日ですね。

🍛冷やしカレーの定義とは

ところで冷やしカレーとはなんなのか。突如ふって湧いただけに、目指す完成形のモデルがありません。はたしてこの道の行く先にゴールはあるのか。

極端な話、晩ごはんにいつものカレーを多めに作って、それを冷蔵庫でひと晩置いても、冷やしカレーはできあがります。なぜなら、冷やしカレーとはこうだ、という定義がないからです。だがそれでいいのか。それは冷やしカレーではなく、カレーの冷えたものではないのか。

そこで、今回はトケイヤKitchenの目指す冷やしカレーの定義を定めて、ぶれないようにしてから進めていくことにします。

まず、普段のカレーを冷やすのはNGとします。それはすでに子どもの頃から慣れ親しんだ味。ふって湧いてきたものではありません。最初から冷やす意図をもってカレーを作りたいのです。

でも、きょう作ったカレーをあした食べるのって美味しいんですよね。ちなみにそのときは、カレーは冷たいままで、熱々のごはんにかけるという温度帯ハイブリッドが子どもの頃のお気に入りでした。

🍛冷やしカレーの3ヶ条

さて、というわけで、まず「きのうのカレーではない=熱々のカレーを冷やすのではない」ということが決まりました。

今回の冷やしカレーは最初から冷たく食べることを想定して作ります。ということは、冷やすと固まる油脂をなるべく使わないほうがよさそうです。

そして、どうせ冷たいカレーなら、ごはんも冷たくしようと思います。カレーという料理を完全なる冷製料理に仕立てるのです。

  1. きのうのカレーを冷やさない

  2. 油脂をなるべく使わない

  3. ごはんも冷製にする

これが今回の冷やしカレーの3ヶ条です。

🍛よし、作ろう

さあ、方向性が決まったらスタートです。

🍛材料(2皿分)

  • 玉ねぎ…1/2個

  • おろししょうが…大さじ1

  • カレー粉…大さじ2

  • 醤油…大さじ2

  • みりん…大さじ1

  • 砂糖…大さじ1

  • 粉末コンソメ…4グラム(小袋1)

  • 水…1カップ

  • 絹ごし豆腐…150グラム(密閉パックスタイルのもの1丁)

玉ねぎはごく薄くスライス、しょうがはおろしておきます。

鍋にカレー粉を入れ、火にかけて煎ります。ここで加熱はしますが、油を使って炒めるのでなく、乾煎りに。油脂は使わずの精神に則ったこだわりポイントです。

香りが立って粉がサラサラした感じになってきたら、玉ねぎ、コンソメ、おろししょうが、水、醤油、みりん、砂糖を合わせて火にかけます。沸騰してきたら弱火にしてコトコト15分ほど。

煮込みの際のポイントは醤油&みりんの和風コンビと砂糖。今回のカレーは牛スジをじっくり煮込むわけでもなく、フォンドボーをいれたりするわけでもありません。なんとなく味の深みや旨味の面が物足りなくなりそうなので、醤油とみりんでそこをカバーしてみます。砂糖はコクが出るので、これもプラス。これはたまに作るおそば屋さん風の和風カレーで、めんつゆを使うところからの発展系的な発想です。

玉ねぎが柔らかくなって、全体がなじんだら火からおろして冷まします。これでノンオイル冷やしカレーのベースができました。

ベースが冷めたらミキサーに入れます。

▢これが切り札

ここで登場。

毎度おなじみの水切り豆腐。今回はキッチンペーパーに包んで、冷倉庫で3時間ほど置いたものです。

ちぎった豆腐もインします。

なめらかになるまでミキサーにかけたら、このとおり。

蓋のできる容器に移して、冷蔵庫で冷やします。これが冷たいカレーにとろみをつける切り札です。

バターで炒めた小麦粉のルウを使うと、油脂が入るので、今回はこのスタイルでいきます。お豆腐が白いので、色がココナッツミルク入りのエスニックカレーみたいになりましたね。

🍚ごはんだって冷やしちゃう

続いてごはん。熱々のご飯に冷たいカレーをかけるのが美味しいことは、前の日のカレーを温めないでごはんにかけることで実証されてますが、3ヶ条発足のところで書いたように、カレーを冷製料理にするために今回はごはんも冷やします。くり返します。ごはんも冷やします。

ただ、ごはんはそのまま冷たくするだけだと、固くなったりしがち。そこでちょっと夏っぽく、しかも冷やしカレーに合うスペシャル仕立てにすることにしました。

🍚冷しカレー用ライスの材料(2皿分)

  • ごはん…お茶碗1杯

  • 玉ねぎ…1/8個

  • ミニトマト…2個

  • 粉末コンソメ…小さじ1

  • 水…大さじ2

玉ねぎはみじん切り、ミニトマトも細かくザク切りにします。

材料を鍋に合わせて火にかけ、煮立ったら弱火にしてコトコト。

5分ほど煮て、リゾットみたいな感じにします。

ごはんがしっかり水分を吸ったら冷まします。

冷めたら容器に移して、ラップフィルムをかけて冷蔵庫で冷やします。

🍗トッピングも冷製で

続いてトッピング。

普通のカレーなら、ビーフやポークも活躍しますが、今回は冷やすので、冷やしたときに油が固まりやすい牛も豚も使わず。チキンでいきます。

🍗トッピングの材料

  • 鶏ハム…スライス2枚

  • キャベツ…2枚

  • 塩…ひとつまみ

  • 酢…大さじ1

  • オリーヴオイル…大さじ1

  • こしょう…適量

鶏ハムは、胸肉を1枚使って作ったものを切り分けて冷凍ストックしてあるものを使います。

キャベツは千切りにして塩を振って、15分ほど置いてからしっかり水気を絞ります。鶏ハムは繊維にそってほぐします。

酢、こしょう、オリーヴオイルをボウルに合わせてよく混ぜて、ドレッシングを準備。

鶏肉とキャベツをドレッシングで和えたら、冷蔵庫で冷やしつつ味をなじませます。ここでオリーブオイルが登場しましたが、これはトッピングなので、カレーソースには影響なしと判断しました。そもそもドレッシングって冷たいサラダのソースですし。

これでカレー、ライス、トッピングは準備OK。あとは冷えたら盛り付けです。

🍛冷やしカレーはじめました

そしてもちろん…。

お皿も冷やしておきました。

冷えたごはんをどどーん。

冷えたカレーを注ぎます。

カレーの上にはキャベツとチキンのサラダをトッピング。付け合わせに味玉と、きゅうりのお漬け物を添えました。

さあ、冷え冷えカレー、いただきましょう。毎日暑いですからね。もう絶対美味しいはず。

水切り豆腐でまろやかになるとともに、とろみもついていい感じです。

うん、これはカレー。間違いなくカレーです。そして冷たい。ひんやりしたカレー。美味しくできました。

きょう、ここに冷やしカレーが爆誕したことを宣言します。

🍛冷やしカレーはこうして生まれた

こういうメニューって、ふと頭に浮かんで、そのときに作ってみたくなってという感じで、衝動的に生まれたように思えるかもしれませんが、実際に突然なのは思い浮かぶまで。

いざ作ってみようとなるのは、ある程度頭のなかで組み立ててみてからです。そのとき、役に立つのは、いままでの経験、過去のレシピです。自分の料理の引き出しをあけて、その中から頭のなかのアイディアの実現に役立ちそうなものを探して、それを組み合わせたり、アレンジしたりしてから取りかかります。

たとえば今回は、水切り豆腐、おそば屋さんのカレー、コールスローサラダ、ガスパチョなんかの要素を組み合わせて生まれたレシピだと思ってます。

冷やしカレーは、いろんな料理を試してきて、その集大成的な感じがするひと品でした。

“冷やしカレーはじめました”

これ、ホントに画期的なメニューのような気がしてます。よかったら、お試しください。


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