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15分カレーをねぎだくで。

新しいメニューのヒントっていろんなところに転がっています。子どもの頃食べていた家庭の味の再現、メディアで見た美味しそうな料理、街角のお店の前に貼られたポスターで見た料理。

我が家の定番になっている、いつものメニューは味を覚えているので、ふと食べたくなれば、ごく自然にその日の食卓に登場しますが、初めて作るメニューは作ってみたいという気持ちが原動力。

今回はそんなメニューのお話です。


🌿東のねぎ、西のねぎ

唐突ですがねぎが好きです。刻んで薬味にしたときの食感も好きなら、白くて太いねぎをとろとろに炊いたのも好き、焼いても美味しいし、炒め物の香味野菜として使っても好き。

そんなねぎも関東と関西でちょっとした違いはあって、関東では太くて白い部分が主役ですが、自分の出身、関西ではもっぱらこれ。

青ねぎです。大好き。特に万能ねぎのような細いものではなく、いわゆる京野菜の九条ねぎみたいな、そこそこ太さがあって、根元の一部以外は青々とした、葉ねぎとも呼ばれるものが自分の中ではねぎのエースです。

🍛ねぎだくなあのメニュー

すこし前の話になりますが、そんなねぎが目立ちまくった気になるメニューと出逢いました。

おう、ねぎだく。ねぎたっぷり。ねぎまくり。

カレーなのに玉ねぎより目立つねぎ。玉ねぎ自体はきっとカレーソースの中にたっぷり入っていて、しっかり溶け込んでいるのでしょう。間違いなく大事な役割を果たしているはずです。

しかし目立っているのはねぎ。あくまで味の主役はカレーで、特にスパイスカレーをうたうのですから、なかなかにスパイシーで印象が強いはず。そしてそれを受け止めるのはごはんのやさしさ。その相性こそが、カレーの味を構成するメインの要素です。

絶対に美味しいカレーとライスの組み合わせで成立しているはずなのに、目に飛び込んでくるビジュアルを支配するのはねぎ。

おそらくふだんはこの場所にこんなにないはずの緑色が、見るものの目を奪うのでしょう。自分も奪われました。ねぎ好きとして。

🍛ねぎだくインスパイア

というわけで早速このメニューをアレンジ。とはいえまだ食べてないので、再現ではなくインスパイアアレンジです。

この感じで時短レシピカレーをビーフで作って、ねぎだくしてみます。

🍛材料
・牛薄切り肉
・玉ねぎ
・バター
・オリーブオイル
・カレー粉
・鶏ガラスープのもと
・お好みソース(中濃ソースでもOK)
・砂糖
・水
・水溶き片栗粉

オリーブオイルとバターを小鍋に入れて熱します。今回はひとり分だけ作るのでお鍋は小さいものを選択しました。

玉ねぎのみじん切りと牛肉を入れます。玉ねぎは今回も仕事をします。煮込んだ玉ねぎの甘味って、味に深みを出してくれますよね。15分煮込みで仕上げようと思うので、牛肉は薄切りがマスト。

玉ねぎが透き通ってきたら、カレー粉、鶏ガラスープのもと、お好みor中濃ソース投入。あればウスターソースも少し加えてOK。

全体を炒めあわせつつ、コク出しに砂糖を少々。

砂糖が溶けたら、水を注ぎます。炒めるときに鶏ガラスープを加えてるので、ここでは出汁系不要です。

15分ほど煮たら、水で溶いた片栗粉をスタンバイ。

火通りのいい薄切りの牛肉を使って、カレー粉をからめ、鶏ガラスープで旨味を加えることで、カレーを短時間で作れるのがこのレシピのポイントです。

弱火で加熱して好みのとろみがついたら、カレーソースのできあがり。

さあ、いよいよ盛り付けです。

▢ここでいつもの糖質オフ

今回もおつまみスタイル兼糖質オフでいくので、いつものあれがここで登場。

水切り豆腐様の降臨です。

もちろん、普通にカレーをモリモリ食べたいというのであれば、ライスでOK。

ちょっとだけ糖質はオフしたいなというときは、水切り豆腐と少なめのごはんをボウルで混ぜて盛り付けるのも、裏技としておすすめです。

豆腐の上にねぎどどーん。

覆いつくすねぎのおかげで、豆腐じゃなくてライスですといってもわからなくなりました。食べたらわかりますが。

カレーをかけて仕上げです。

どうでしょう。ねぎのグリーン、カレーのブラウン。この色彩構成。

🍛そして完成ねぎだくカレー

トッピングに目玉焼きを載せたら、華やかになりました。

ねぎをたっぷりすくって、豆腐と一緒にカレーにからめていただきます。

ねぎのしゃりしゃりした噛みごこちが、やわらかな豆腐&カレーのアクセントになってます。これ、これがたっぷり青ねぎの醍醐味。レゾンデートル。アイデンティティですよ。

味的にもカレーに爽やかさをプラスするいい働きをしてくれてます。

🌿だくだくねぎの役割

食べ進めるうちに気付いたことがふたつ。

このねぎだくカレーのねぎの役割って、ふだんは福神漬けとからっきょうが務めてる気がします。カレーってもしソースとごはんだけだと、食べてくうちに単調になってくる料理だと思うんですよね。

そこに食感とか、味のアクセントを加えているのが、福神漬けやらっきょうでしょう。どちらもパリパリ、ポリポリとした食感があって、甘酸っぱさという、カレー本体にはない味の方向性も持ってます。それをひと口挟むことで口の中がリフレッシュして、また次のひと口を進める推進力になるのです。

ねぎだくカレーのねぎもそれ。しゃりしゃり食感と、フレッシュさ、青さ、爽やかさ。なるほど、最初はビジュアルに吸い寄せられましたが、納得のポジションです。

本家のねぎたっぷりカレーを食べてないのに、なんかもうそんな気がしてなりません。

スパイスカレーで辛党に挑戦とのことなので、ねぎの甘味が一段と口休めパワーをアップしているかもしれません。

🍛もしかしてワンプレート

そしてもうひとつ気付いたこと。

これって、ねぎの上にちょっとおしょうゆを垂らせば、カレーと冷奴のワンプレートになるではないですか。小鉢とメインがひと皿で楽しめる、お得メニューが知らぬ間に誕生してました。

もちろん、それはライスを水切り豆腐に代えたからの偶然の産物ですが。

が、こういう形で世の中の発明品は生まれてきたんだろうなと思ったりもしました。このねぎだくカレーをヒントに、さらに新たななにかが生まれそうな気がした、そんなひと皿です。

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