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便利であることは必ずしも幸せに結びつくわけではない ~「山奥ニート」やってます。~

山奥でニートなんてできるのかと、まずタイトルからして興味を引き立てられた本書でした。

定年リタイア後に夫婦で田舎へ移住とかは一時流行ってたけど、気になるのは若くして山奥へ行く決断をした理由と、どうやって生活を成り立たせるのか。

共同生活でありながらお互いを干渉せず、働きたくなったら必要最低限の仕事をする、現代ならではの生活スタイルを知ることができました。

人間はどこでも順応でき、やりがい、楽しさを見出だせるんだなと感心し、僕も少し心が軽くなりました。


○山奥ニートの生活

ニートの人たちが集まって同じ建物に集まって生活。

NPO法人からの支援で家賃はタダで、ほとんどいないものの、その集落に元々住まれている方々から野菜を貰ったり、自分たちで野菜をつくったり。

少ない生活費で生活可能。

山奥とはいえ、ネット環境も整っており、普段と変わらない生活も可能。

暗黙で決められた多少の役割分担はあるが、夜寝る時間も自由で朝何時に起きようと自由。

さすがになんでもできてしまう無法地帯ではなく、著者たち、最初から入居している人たちが管理しているところもある。

ネット社会になり、情報が高速で飛び交う社会になりつつも、山奥とはいえ特に不自由なく生活できてしまう生活スタイルも存在できるのは、まさに多様性が求められる現代にぴったりなのかと思いました。

色々大変なこともあるだろけど、楽しそうではありますね。

○自然の中での生活で全てを受け入れる気持ち

作中に、野菜を作っていると、猪や鹿に畑を荒らされたりする場面が出てきます。

対策をしてもそれをかいくぐってくるのが動物であり、それを防ごうとす人間とのいたちごっこな部分ではあるのかなと思う。

自分の力が及ばないことを受け入れることも、山奥ならでは。

こういった自給自足的な所から学べることも多いはず。

人が足を踏み入れない山奥に仙人みたいな人が住んでいるイメージがあるのは、自然の脅威を真正面から受け止め、達観していくからなのかなともふと思いました。

○まとめると

便利であることと、幸せであることとは結び付かない。

お金がなくても楽しく生活でき、自分のコミュニティがある安心感はお金で買えない大切なものなんだと気づきました。

こうなってくると気になるのが、実際に住まれている方はこれから年が経っていけばどんな生活様式に変わっていくのか。

本を読んで気になったものの、著者のブログで山奥ニートをやめたとの記事を見かけてビックリしました。

色々理由があるそうですが、少し寂しい気も……

同じ山奥に住む者として、またこの生活をお目にかかる日があれば、動向に注目していきたいなと思ってます。

最後までお読みいただきありがとうございました。


おしまい。

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