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なんともモヤモヤしてしまうこの気持ちは何なのか… ~渇水~

映画化されて話題になった「渇水」という小説。

恥ずかしながら全く知らなかったため、Audibleで聴いてみたところ、渇水を含めた3編の作品からなる短編集でした。(この記事では渇水だけに絞りました。)

道義的に疑問を感じながらも、仕事として水を停めることを余儀なくされる人間の感情の揺れ動きが描かれた作品。

読み終わったあとのモヤモヤ感は中々のものでした。


○ざっくりストーリー

市役所で、支払いが滞っている世帯を訪問し、支払いがされない場合は水を停める業務を担当している主人公。

訪れた家で幼い姉妹と遭遇する。

何度も支払いの催促をしているが、母親には接触することができず。

幼い姉妹とやり取りを繰り返していくものの、水道を停めてしまう期限も迫ってくる。

仕事と罪のない子供、業務の責任と倫理観に心が揺さぶられる主人公に、読んでいる自分もソワソワしてしまう物語。

○感想

税金なので、払うことがルール。

しかし、自分たちではどうすることもできない幼い子供たちを目の前にしてしまうと、その正論も口にすることを躊躇してしまう。

水という人間になくてはならないものが停められてしまうことは、生活ができなくってしまうことに等しい。

過酷な生き方を強いられる人がいる一方で、毎日洗濯したキレイな服を着て生活している自分たちとの感覚との落差。

答えの出せない問題にモヤモヤし通しでした…

○まとめると

当たり前の生活をする人がいる一方で、その当たり前すら感じられずギリギリで生活する人がいる現実。

ルールと倫理観について、激しく心を揺さぶられ、深く考えさせられる作品でした。

結局、自分ならこうするとか、どうすれば良かったかとかの答えも見出だせず、心にモヤモヤを抱えてしまいました……

思考したり、知識の幅を広げるために読む本なのかなと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。


おしまい。

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