あつし

NHKを早期退職して教育系NPO「留学フェローシップ」でセカンドキャリアをスタートしま…

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NHKを早期退職して教育系NPO「留学フェローシップ」でセカンドキャリアをスタートしました。「自然からの学び」をベースに複雑系世界を読み解き「自然資源✖️地方活性化✖️次世代教育」に資することがライフワークです。タガメの累代飼育をしているので虫好き人間として時々暴走します。

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「自然体験」で育てる「21世紀を生きる力」

【このnoteが目指すもの】「子どもには偏差値の高い大学へ進学し、大きな組織に就職し、お金に困ることなく幸せに暮らして欲しい」そう考える親はまだまだ多いと思います。…

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1年前
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【リベラルアーツ・サロン】      森に学ぶ子育て 〜”育てる”より”育つ”〜

 子どもを育てるってどういうことなのでしょうか?  私たち大人は、子どもを習い事に通わせたり、進学先を勧めたり、就職先をアドバイスしたりと、子どもが失敗しないよ…

あつし
1年前
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「創造」こそ「21世紀を生きる力」

 第1項の結論に入ろう。「創造力」こそ21世紀の社会を生きていく上で欠かせない力だ。  突拍子もないことのように聞こえるかもしれない。なぜなら、生きていくために…

あつし
1年前
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「探究心」から生まれる「想像力」そして「創造」へ

さて、自然体験で育まれた「好奇心」、そこから生まれる「探究心」、それを伸ばす図鑑、本。この流れの先には、いよいよ「想像力」という概念が登場する。 自然体験と想像…

あつし
1年前
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「好奇心」から生まれる「探究心」 〜探究心を育てる一つの提案〜

こうした様々な自然体験が、君たちの好奇心、探究心、想像力(創造)にどのように繋がっていったのかを具体的に見ていこう。 まず最初は「好奇心」と「探究心」の関係につ…

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1年前
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「想定外」から生まれる「好奇心」

想定外のできごとはすべて、子どもに初体験を味あわせてくれる。そして、初めて見るもの、触れるもの、体験するものに興味を持つ。だから「想定外」を数多く経験していると…

あつし
1年前
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「自然体験」は「想定外」の塊

 自然に囲まれた中で過ごす時間は、想定外の連続だ。MHが産まれてから夏に横浜に引っ越すまでの間、毎日のように過ごした大阪の服部緑地は、あなたが自然体験を積むには…

あつし
1年前
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【センス・オブ・ワンダーとは何か?】

誰よりも愛してやまない二人の娘たちへ  お父さんが大の自然好き、生き物好きということは、すでに知っていると思う。  冬、冷蔵庫の野菜室を開けると春の芽吹きを待つ…

あつし
1年前
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自然体験が育む3つのこと その①「センス・オブ・ワンダー ~21世紀を生きる力の源泉~」

長かった「はじめに」を読んでくださり、ありがとうございました。本題に入っていきます。自然体験が育むものの中で最も大切な「センス・オブ・ワンダー 〜21世紀を生き…

あつし
1年前
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【リベラルアーツ・サロン】       「花は咲く 私は何を残すだろう?」

本編に入る前のTea Breakにお付き合いください。リベラルアーツ・サロンの最初は「花からのメッセージ」です。もちろん、どう受け止めるかは人それぞれです‥‥‥あくまで…

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1年前
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「費用で留学をあきらめる必要はない」 はじめに(6/6)

「はじめに」を書き始めて、随分と長くなってしまいました。最後はお金の話です。 アメリカへの留学は、大抵のサラリーマン家庭では支払うことが難しい高額な授業料と寮費…

あつし
1年前
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「わが家の紹介」 はじめに(5/6)

わが家は全員、日本生まれの日本育ち、いわゆる「純ジャパ家庭」です。 私は短期出張を除いて海外に駐留する仕事はしていません。妻は大学で英文学を専攻したものの、特に…

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1年前
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「立命館宇治&ご縁をいただいた皆様」 はじめに(4/6)

娘がリベラルアーツ大学に進学する際にお世話なったのが京都にある「立命館宇治中学・高等学校」です。名前の通り「立命館大学」の付属校の一つで、多くの生徒が立命館大学…

あつし
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「リベラルアーツとは」 はじめに(3/6)

「生きる力」ついて考える上で「リベラルアーツ」を避けて通ることはできないでしょう。ここで「リベラルアーツ」について触れておきます。 ※「はじめに」が長くなり、な…

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1年前
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「成功方程式より”生きる力”」 はじめに(2/6)

これからの時代を生きていく子ども達に「成功方程式はあるのか?」 この解を求める際に考えなくてはいけないことは「現代社会は地球レベルで解決しないとならない課題が山…

あつし
1年前
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「変わる成功方程式」 はじめに(1/6)

今、このコンテンツを読んでくださっているのは、「子どもの教育に不安」を感じている保護者の方でしょうか? 「海外に留学したい」と考えている生徒さん本人でしょうか?…

あつし
1年前
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「自然体験」で育てる「21世紀を生きる力」

「自然体験」で育てる「21世紀を生きる力」

【このnoteが目指すもの】「子どもには偏差値の高い大学へ進学し、大きな組織に就職し、お金に困ることなく幸せに暮らして欲しい」そう考える親はまだまだ多いと思います。しかし、名だたる大企業が倒産し、公共セクターの信頼が揺らぎ、何を信じて生きていけばよいのか不透明な現在、教育には新たな視点が欠かせません。

いま求められる学びとは何か?私たち夫婦は「自然体験」と「モンテッソーリ教育」を軸に偏差値とは異

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【リベラルアーツ・サロン】                      森に学ぶ子育て 〜”育てる”より”育つ”〜

【リベラルアーツ・サロン】      森に学ぶ子育て 〜”育てる”より”育つ”〜

 子どもを育てるってどういうことなのでしょうか?
 私たち大人は、子どもを習い事に通わせたり、進学先を勧めたり、就職先をアドバイスしたりと、子どもが失敗しないように親が環境を整えようとします。でも、これって、やりすぎると(過保護になると)子どもは自分で自分の人生を生きていく(選択する)力が育たなくなるように思います。

 植物の世界を見てみると、子ども(種子)はその子なりに、落ちた場所で学び(水を

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「創造」こそ「21世紀を生きる力」

「創造」こそ「21世紀を生きる力」

 第1項の結論に入ろう。「創造力」こそ21世紀の社会を生きていく上で欠かせない力だ。
 突拍子もないことのように聞こえるかもしれない。なぜなら、生きていくためには「お金を稼ぐ」ことが必要だと考える人たちのほうが圧倒的に多いからね。
 でもお金を稼ぐってどういうことか考えてみてほしい。お金を稼ぐ目的は「衣・食・住」を満たすことだ。中でも食べ物(と水)を手に入れることがお金を稼ぐ最低限の目的だと言える

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「探究心」から生まれる「想像力」そして「創造」へ

「探究心」から生まれる「想像力」そして「創造」へ

さて、自然体験で育まれた「好奇心」、そこから生まれる「探究心」、それを伸ばす図鑑、本。この流れの先には、いよいよ「想像力」という概念が登場する。

自然体験と想像力について述べる前に、「守破離(しゅはり)」について触れておこう。
「守破離」とは、さまざまな修行において、弟子が師匠からの教えを受け、師匠を超越するまでの過程を表現した言葉だ。「守」とは師匠の教えを忠実に守り、模倣して自分のモノにする段

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「好奇心」から生まれる「探究心」 〜探究心を育てる一つの提案〜

「好奇心」から生まれる「探究心」 〜探究心を育てる一つの提案〜

こうした様々な自然体験が、君たちの好奇心、探究心、想像力(創造)にどのように繋がっていったのかを具体的に見ていこう。
まず最初は「好奇心」と「探究心」の関係について話す。
「探究心」は「好奇心」の次に生まれるものだとお父さんは考えている。幼少期にたっぷりと「初めての体験」を繰り返して、身の回りのことに興味を持つようになると「好奇心」というバケツが次第に満たされてくる。そして溢れた後に「なぜ?」とい

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「想定外」から生まれる「好奇心」

「想定外」から生まれる「好奇心」

想定外のできごとはすべて、子どもに初体験を味あわせてくれる。そして、初めて見るもの、触れるもの、体験するものに興味を持つ。だから「想定外」を数多く経験していると子どもの好奇心はどんどんと広がることになる。

その好奇心の広がり方には2通りあるように思う。
MHが想定外の経験を積んだ場所の一つ、横浜の北八朔公園でのできごとをお母さんから聞いたことがある。公園の石をお母さんと一緒に拾い集めていた時のこ

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「自然体験」は「想定外」の塊

「自然体験」は「想定外」の塊

 自然に囲まれた中で過ごす時間は、想定外の連続だ。MHが産まれてから夏に横浜に引っ越すまでの間、毎日のように過ごした大阪の服部緑地は、あなたが自然体験を積むには絶好の環境だった。それを見越して、服部緑地のすぐ近くのマンションを借りたのだが、その狙いはとりあえず成功だったように思う。
 お父さんが仕事に出かけた後、あなたはお母さんに連れられて、毎日、服部緑地の草っ原で遊んでいたと聞いている。休みの日

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【センス・オブ・ワンダーとは何か?】

【センス・オブ・ワンダーとは何か?】

誰よりも愛してやまない二人の娘たちへ

 お父さんが大の自然好き、生き物好きということは、すでに知っていると思う。
 冬、冷蔵庫の野菜室を開けると春の芽吹きを待つオオムラサキの幼虫が入っていたし、リビングにはアラカシの鉢植えが置いてあって、キリシマミドリシジミという蝶の卵が孵化するのを待っていた。
 暖かくなると、冷蔵庫で越冬していたオオムラサキの幼虫はエノキを食べて脱皮を繰り返し、やがて蛹から神

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自然体験が育む3つのこと その①「センス・オブ・ワンダー ~21世紀を生きる力の源泉~」

自然体験が育む3つのこと その①「センス・オブ・ワンダー ~21世紀を生きる力の源泉~」

長かった「はじめに」を読んでくださり、ありがとうございました。本題に入っていきます。自然体験が育むものの中で最も大切な「センス・オブ・ワンダー 〜21世紀を生きる力の源泉〜」について、以下の流れで書き進めていきます。

【センス・オブ・ワンダーとは何か?】
 ◎「自然体験」は「想定外」の塊
 ◎「想定外」から生まれる「好奇心」
 ◎「好奇心」から生まれる「探求心」
 ◎「探究心」から生まれる「想像

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【リベラルアーツ・サロン】       「花は咲く 私は何を残すだろう?」

【リベラルアーツ・サロン】       「花は咲く 私は何を残すだろう?」

本編に入る前のTea Breakにお付き合いください。リベラルアーツ・サロンの最初は「花からのメッセージ」です。もちろん、どう受け止めるかは人それぞれです‥‥‥あくまでも私が感じた「花からのメッセージ」です。親子で、友人同士で、話のきっかけに使ってもらえたら嬉しいです。

皆さんの家には花が咲く植物はありますか?植物にとって「花を咲かせる」とはどのような意味を持っているでしょうか?植物を育てている

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「費用で留学をあきらめる必要はない」 はじめに(6/6)

「費用で留学をあきらめる必要はない」 はじめに(6/6)

「はじめに」を書き始めて、随分と長くなってしまいました。最後はお金の話です。

アメリカへの留学は、大抵のサラリーマン家庭では支払うことが難しい高額な授業料と寮費が必要です。特にリベラルアーツカレッジは私立なので学費と寮費合わせて1年間に7~8万ドル(レートにもよりますが、交通費や生活雑費なども含めると大雑把に毎年900万円弱)かかります。
※州立大学でも3〜400万円かかると言われています

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「わが家の紹介」 はじめに(5/6)

「わが家の紹介」 はじめに(5/6)

わが家は全員、日本生まれの日本育ち、いわゆる「純ジャパ家庭」です。
私は短期出張を除いて海外に駐留する仕事はしていません。妻は大学で英文学を専攻したものの、特に英語を生かした仕事をしてきたわけではありません。ちなみに私の両親も妻の両親も純ジャパです。

長女は、幼少期を横浜で、小学校からは奈良で育ちました。小学校の成績は「ちょっとできるといったレベル」で、中学受験を始めるにあたって5年生の時に近所

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「立命館宇治&ご縁をいただいた皆様」 はじめに(4/6)

「立命館宇治&ご縁をいただいた皆様」 はじめに(4/6)

娘がリベラルアーツ大学に進学する際にお世話なったのが京都にある「立命館宇治中学・高等学校」です。名前の通り「立命館大学」の付属校の一つで、多くの生徒が立命館大学に進学します。

立命館宇治には国内生(いわゆる純ジャパ)向けの「IGコース」、高校2年生の時に英語圏の留学を1年間経験する「IMコース」、帰国子女を中心に国際バカロレアを学ぶ「IBコース」があります。
「IB(国際バカロレア)」の説明は省

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「リベラルアーツとは」 はじめに(3/6)

「リベラルアーツとは」 はじめに(3/6)

「生きる力」ついて考える上で「リベラルアーツ」を避けて通ることはできないでしょう。ここで「リベラルアーツ」について触れておきます。
※「はじめに」が長くなり、なかなか本編にたどり着けませんが、この記事が折り返し点です。

最近、耳にする機会が増えてきた「リベラルアーツ」という言葉ですが、カタカナ用語は意味があやふやなまま使われてしまう傾向があると感じています。どう説明したら良いか考えてみましたが、

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「成功方程式より”生きる力”」 はじめに(2/6)

「成功方程式より”生きる力”」 はじめに(2/6)

これからの時代を生きていく子ども達に「成功方程式はあるのか?」

この解を求める際に考えなくてはいけないことは「現代社会は地球レベルで解決しないとならない課題が山積みである」ということだと思います。「ひと握りの優秀な人が解決できるほど課題は小さなものではなくなった」と言い換えられるでしょう。そのような環境において求められるのは、かつての成功方程式である「偏差値競争に勝つこと」ではありません。21世

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「変わる成功方程式」 はじめに(1/6)

「変わる成功方程式」 はじめに(1/6)

今、このコンテンツを読んでくださっているのは、「子どもの教育に不安」を感じている保護者の方でしょうか? 「海外に留学したい」と考えている生徒さん本人でしょうか? もしかしたら学校の先生かもしれません。いずれにしても、ここから始まる思考、行動の変化が、みなさんが所属する組織、コミュニティ、国、そして世界の”豊かさ”に繋がっていって欲しいという思いを持って書いていきます。

さて、私(1965年 昭和

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