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英語のリーディング能力をガチで鍛え上げる書籍33選(大学受験 TOEIC ビジネス英語など)

今日は質問に答える記事です。
動画ですべての書籍を紹介していたら、すごく長い動画になってしまいそうだったので、noteで書くことにしました。




質問内容

質問内容は簡単で、英語のリーディング能力を上げるための書籍を紹介してほしいというものでした。

ただ、あらかじめ申し上げておきますと、私の英語能力は高くありません。
そもそも喋れませんし、喋る必要性を感じたことがあまりないので、今後もきっと喋る訓練をしないだろうと思います。
なぜなら、私は日本の株式投資家なので、一年中日本の室内に引きこもっているからです。
英語を喋る能力をいくら鍛えたところで、使う場面がないのです。

一方で、リーディング能力(読む能力)に関しては実務上の必要性を感じたので、ここ数年間毎日欠かさずに英語の文章を読み続けています。
最近では法律に関する英文が多いですが、会計に関する英文もよく読みます。
その延長でアメリカの税理士試験(通称米国税理士:Enrolled Agent)も受験して合格しました。
完全に趣味の受験でしたが、それなりに楽しめましたし、書籍化もできたので良い経験でした。


ただ、それでも英検1級のリーディングにはまだ及ばないので、所詮はその程度という感じです。
私の場合、自分に必要な分野(法律と会計)の英語ばかりに偏った学習をしてきたので、資格検定やスコア検定(TOEICなど)のための勉強をほとんどしておりません。
投資家という職業柄、英語資格などは不要なので今後も受けることはないと思います。
あくまでも、自分に必要な英語能力だけを身に着けていくというスタンスです。

そもそも、英語を学ぶときは、目的が重要だと考えています。
留学のため、異文化交流のため、受験のため、転職のため、株式投資のため、お金のため……
どんな目的を持っているかで学ぶべきことが変わります。
なぜリーディング能力を上げたいのか、よく考えてみてください。
それによって、読むべき書籍が変わってくるはずです。

なお、本記事で紹介する書籍(33冊紹介する予定)は、レベル順になっております。
中学生レベルから始めて、英検1級以上のレベルまたはTOEIC900点超レベルまで仕上げるという想定で紹介していきますので、ご自身のレベルに合わせて書籍をご検討ください。

そして、リーディング能力を徹底的に上げたいなら、とにかく英語多読です。
アホみたいに英文を読み漁ってください。

日本で生活する限り、ほとんどすべての文章が日本語で書かれてしまっていますし、生活に必要な物もすべて日本語で読んでしまっています。
それだとどうしても英語の能力は上がっていきません。

どんなに苦しい日でも、意識的に英文を読み続けることが重要です。
インフルエンザにかかろうが、入院しようが、とにかく英語を読んでください。
英語に一切触れない日をゼロにしましょう。

そして、英文の中で出てきた意味のわからない単語についても、他の単語から推測して、その後できちんと辞書でも調べましょう。
すごく面倒な作業ですが、そういう地道な作業が実力を高めてくれます。

さらに、英語の読解力と同時に、日本語の読解力も引き上げてください。
ビジネスの世界で「英語だけできる人」というのが一部存在しますが、そういう人の評価はすぐに地に落ちる傾向があります。
そもそも母国語の日本語がまともに使えない、読めない、専門分野がないという人だと、ビジネスではほとんど役に立たないのです。

ビジネスで活躍するためには、高い日本語能力と専門分野があることを前提として、その上で専門的な英語能力を身に着けている必要があります。
最終的にはそのレベルに至らないといけないので、日本語能力を疎かにしないようにしましょう。

いずれにしても、初期段階では量でカバーです!
語学においては、量がすべてを凌駕すると思っています。

圧倒的な量をこなして、英語を読むという活動を日常にしてください。
難解な英語長文が目の前に出てきても、漫画を読み進めるときのように軽い気持ちで読み始められるようになりましょう。


【中学生レベル】

ということでまずは中学生レベルの書籍を紹介していこうと思います。

なお、私は英語リーディングに関してはZ会様を神として信仰しております。
中学生の頃からずっとです。

スラムダンクのゴリ


(1)速読英単語 中学版 改訂版


まずはこの一冊を完璧にしてください。

そもそも、ほとんどの人は中学生レベルの英語を十分にマスターしていると考えているでしょう。
しかし、それはほぼ100%勘違いです。

私も中学生レベルの英単語や熟語ぐらい余裕でわかるわ!と思っていた恥ずかしい時期がございました。
今でも反省しております。

たしかに、中学生レベルで学ぶ英単語は簡単なものばかりです。
これから続く長い英語道で、何度も何度も出会う単語ばかりなので、当然のように覚えていくものです。

しかし、基礎的であるがゆえに深いのです。

中学生レベルで学ぶ英単語には、大抵複数の意味が隠れていて、しかも、その数が尋常ではないのです。
make take shall will have run なんてのはその代表格で、一体いくつ意味を持っているんだと思うほどです。

そういう基礎的な単語の多義をどれだけ覚えているか、どれだけ使いこなせるか、どれだけ隠れた意味(ニュアンス)を感じ取れるかで、後に出てくる難解英語長文の読解能力に差が出ます。
そういう意味で、中学レベルが一番大事だと言っても過言ではないでしょう。

Z会様の上記書籍を少なくとも3周はして、頭に染み込ませてください。
それでやっと基礎の1~2割が染み込んだといえると思います。


【高校生レベル概説】

続いて高校生レベルに行きましょう。

多くの人が高校生レベルの英語で躓き、二度と帰ってきません。
それくらい難解というか、範囲が広いです。
あまりの暗記量の多さに心が折れる人が続出するのです。
私も学生時代にそういう同級生たちを何十人も見ました。

これを別の視点からいえば、高校生レベルからがやっと本格的な英語の勉強ともいえます。
多くの人が脱落するレベルだからこそ、乗り越えられたら道が拓けるのです。

今後、英語の能力で金を稼ごうと思っているなら、絶対に避けては通れない道ですし、絶対に押さえておかないといけない基礎です。
ここがどれだけ盤石かで、それ以降のレベルについていけるかどうかが決まります。
書籍数は非常に多いですが、できる限り全部読んで、マスターしましょう。
多読すればするほど、実力がつきます。

すべての書籍を完璧にマスターできれば、東京大学や京都大学、その他難解国立大学、および早慶の英語にも余裕で対応できると思います。


【高校生レベル入門】

まずは高校生レベルの入門レベルからはじめましょう。
入門レベルの書籍は以下の4冊です。


(1)速読英単語 入門編

(2)英文で覚える英単語ターゲットR 1200レベル

(3)基礎英文のテオリア

(4)速読速聴・英単語 Basic2400


この4冊を3周ずつくらい回しておけば、とりあえずの基礎は出来上がると思います。
偏差値70くらいの高校を基準にしていうと、上記4冊を潰したなら、高校1年生で学ぶことをちゃんと身につけたといえるレベルです。

ここで躓くと、その後すべての書籍がチンプンカンプンになるので、完璧と思えるレベルで押さえておきましょう。
5周くらいやっておけば完璧だと思いますが、たぶん途中で飽きると思うので、3周くらいが一般的な限界値かなと思います。
そのため、最低3周としておきます。
5周できる人は5周やったほうが絶対に良いです。

なお、3冊目の「基礎英文のテオリア」については、英語読解に必要な文法の基礎を学ぶための書籍です。
英語の読解能力が低い人というのは、語彙力不足か文法力不足、またはその両方です。
英単語力と同じくらい文法も重要なので、基礎的なところはここで固めておかないといけません。


【高校生レベル中級】

上記の入門レベル4冊で、最低限の基礎はバッチリだと思います。
やっとここからが本格的な英語学習になります。
このレベルが最も文量が多いので、覚悟して読み進めていきましょう!

以下、私が考えるレベル順になっています。


(1)英検準2級 文で覚える単熟語

(2)速読英単語 必修編

(3)速読英熟語 改訂版

(4)英文解釈のテオリア 英文法で迫る英文読解入門

(5)英文で覚える英単語ターゲットR 1400レベル

(6)英文で覚える 英熟語ターゲットR

(7)英検2級 文で覚える単熟語

(8)英文で覚える英単語ターゲットR 1900レベル

(9)速読速聴・英単語Daily1500

(10)速読速聴・英単語 Core1900

(11)英単語Issue キャリア・学び編800

(12)英単語 Issue 環境編 800


以上12冊が、高校生レベルの中級書籍です。

この12冊には内容のかぶりが相当ある(それだけ重要な単語ということ)ので、すべての書籍を読み終える頃には、かぶっている単語については何度も見ることになりますから、自然と重要単語が記憶されていくことになります。

そして、上記12冊を難なく読みこなせるようになれたとすると、おそらくMARCH程度の英語は余裕で合格レベルに達しますし、早慶でもかなり良いところまで狙えると思います。
難関国立になってくると若干能力が足りないかなと思いますが、あと少しで行けそうというレベルには到達します。
その程度の読解能力が身につくはずです。

ちなみに、私の知る進学校(偏差値でいうと70~73程度)の子たちは、この程度のレベルなら高校2年生の夏休み頃には到達しているので、進学校ってすごいなと思いました。
大人も負けていられないですね。


【高校生レベル上級】

ここからは上級レベルです。
本来、標準的な高校で学ぶレベルは前述の中級レベルまでとなっています。
英検でいうと2級までです。
本来はそこまで学んでおけば十分なはずなのです。

しかし、難関国立大学のレベルになると、その基準が完全に無視されます。

東大や京大の英語なんて特にそうで、普通の高校ではけして学ばないレベルの単語を普通に出してきます。
一橋大学もかなり理不尽な英語の試験を課すことが多いです。
その他旧帝大学もその傾向が強いかもしれません。

私の感覚でいうと「こんな駄文をビジネスで読む機会なんか全くないわ!」と思ってしまうほどのダメ長文を高校生に読ませているのですから、頭がおかしいと言わざるを得ません。
そんなに複雑かつ何を言っているかわからない(翻訳を読んでも意味不明なことが多い)英語長文を読ませることに一体なんの意味があるのか、社会人になった今でも謎のままです。

時々、素晴らしい英語長文を出題してくれる大学もあるのですが、それ以外の大学は、単に難易度を上げるためだけの駄文を出題していることが多いので、難関国立大学の英語試験は、いったい高校生の何の能力を測っているんだろうかと思うことがあります。

さらに、国立だけでなく、早慶や一部の英語に強い私立大学でも英語の難化が進んでいて、教科書に載っていないレベルの単語の意味を普通に聞いてきますし、その単語がわからないと文全体のニュアンスがよくわからないということもよくあります。
そのため、本来は大学で学ぶはずの単語や英文についても、高校生の段階で押さえておく必要が出てくるのです。
それがこの上級レベルだと思ってください。

ただ、このレベルまで押さえておけば、ビジネスでも十分に活用できる英語力が身につきます。
そのため、内容は若干難しくなりますが、ここを乗り越えると「英語ができる」という実感を得られるはずです。
挫けずにがんばりましょう!


(1)速読英単語 上級編

(2)速読速聴・英単語 Opinion1100

(3)英語長文のテオリア 英文法で迫る英文読解演習

(4)速読速聴・英単語 STANDARD 1800

(5)英検準1級 文で覚える単熟語

(6)テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]

(7)テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

(8)テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 02 自然科学編


以上8冊です。
前述のとおり、本来は大学以上で学ぶ内容なのですが、難関国立大学ではこのレベルの単語が普通に出てきますし、内容としてもこの程度のことは理解できないと問題を解けないということがよくあります。
そのため、難関大学を目指すならやっておきたいレベルです。

そして、このレベルまで読了できた皆さんは、きっと自分の実力の変化に気づくと思います。
ここまで25冊の書籍を紹介してきましたが、すべて読みこなすのに1年はかかるはずです。
社会人なら2~3年はかかるでしょう。
そのくらいの期間を英語に費やしていれば、自然と英語への抵抗が無くなって、英語という言語に慣れ親しんで来ます。

また、ここまで紹介した英語読解系の書籍をすべて読了しておけば、英語のニュースなども7割程度は読みこなすことができるようになります。
難解な経済・ファイナンス系のニュースはまだ無理でしょうが、一般的な出来事を説明するニュース程度なら読めます。

さらに、簡単な洋画なら英語字幕で理解することも可能になってくるレベルです。
それくらいの英語力が身につく文量なので、ぜひとも乗り越えていただきたいです。


【社会人レベル】

では最後のレベルです。

このレベルになってくると、大学院の博士課程で研究を行う人や海外で働こうと思っている人レベルの書籍になってきます。
海外のMBAなども十分に狙える英語読解能力になってきますので、難易度は当然に高いです。

ただ、けして上級者というわけではなく、英語でビジネスを行う人たちにとっては「一般的」なレベルの書籍です。
特に専門職としては最低限といえるレベルで、ここからさらに自分の専門分野特有の英語を磨き上げないといけません。
本当に果てしないですね。

ただ、このレベルの書籍まで読了できれば、あとは自分で学び続けられるだけの実力が身につきます。
そして、以下の書籍を読了した後は、日本の市販書籍を卒業して、英語の論文や洋書(専門書)を読みはじめないといけません。

いわゆる「英語を学習する」という行為から「英語で学習する」という領域への転換期です。
そうなってくればもうスペシャリストの端くれといえると思うので、その調子で学習を続けていけば、輝かしい未来が待っているはずです!

最後の一踏ん張り、がんばりましょう。


(1)速読速聴・英単語 Business 1200

(2)TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 GLOBAL 900

(3)テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 01 人文・社会科学編

(4)テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 02 自然科学編

(5)速読速聴・英単語 Advanced 1100

(6)詳解 大学院への英語

(7)英検1級 文で覚える単熟語

(8)改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語5600


以上8冊です。
私の中での難易度順に並べましたが、最後のTOEFLの書籍は本格的な難易度です。
その分面白さもあります。

ここまでの書籍をすべて読了し、かつ、内容もスラスラと理解できるようになったとしたら、もうどこに行っても大丈夫です。
リーディングで困るなんてことはほとんど無いと思います。

英語を英語で理解し、わからない単語があっても文脈などから自分で考えて予測したり、意味を調べて、使用法などを理解する能力が十分に身につくはずです。

もう私が教えることはなにもありません。
自分の専門分野を極めて行ってください。
応援しております。


鱗滝左近次先生


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