日本の消費期限は案外短いのかも知れない
ここは│何処《どこ》の国だろうかと思わず目を疑うような光景だった。確かに建物やその風景や蒸し暑い気候は日本そのもの。しかし行き交う人々は海外からのツーリストばかり。ベビーカーを引く人も、自転車の後部に子供を乗せて走る人も皆、外国人旅行者。あらゆる国の言葉が飛び交う。地元の店員だけが日本を背負って笑顔を振り撒いていた。
京の都に降り立った妻は、ここに住む人達はひっそりと息を殺して生きてるんだね、と言った。
日本はこれまで、世界中の多様な文化を上手に取り入れて発展してきた