#創作
短篇小説「アバウト刑事」
トレンチコートのようでトレンチコートでないような、いやコートとすら言えないかもしれないアバウトな上っ張りの襟のような一帯を立て、今日もアバウト刑事が事件の捜査を開始する。具体的にそれがどんな事件かと問われれば答えようがない。なぜならば彼は、アバウト刑事だからだ。
とはいえ仕事は仕事。まずは現場へ急行しなければならないのが刑事の務めだ。しかし現場といっても、どこが現場なのかを特定するのは難しい
短篇小説「ポジティブ刑事」
ポジティブ刑事が現場へ急行している。拳銃を忘れて走り出してしまったがきっと大丈夫だろう。なぜなら彼はポジティブ刑事だからだ。武器などないほうが物事はスムーズに運ぶことも時にはある。どんなにネガティブな状況であっても、それをポジティブに捉えなおすのはポジティブ刑事の真骨頂であると言える。
そういえば防弾チョッキの着用を指示されていたような気がするが、ポジティブ刑事はいつものワイシャツにジャケッ