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堀江貴文おすすめ!大人が読んでも読み応えがある大作『約束のネバーランド』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

久しぶりにジャンプの漫画を読んでみたが、『約束のネバーランド』は、大人が読んでも読み応えのある大作という印象である。

ジャンプも読者層が高齢化してきている、ということもあるのだろうか。勇気や友情方面ばっかりに偏らず、現実的な社会の非情さなどもふんだんに盛り込んであるから、大人が読んでも読み応えがある仕上がりになっているのだろう。

本作は、孤児院とされる施設-ハウス-が舞台。子供達は6-12才の間に少しずつ、外の世界に里親が見つかったとされて施設を出ることになるのだが、実は近未来に存在する鬼のための食人工場であったという衝撃的な設定だ。

食品としてのクオリティを保つために、出来るだけ健全な自然に近い状態で飼育されるなんて、まるで最近流行りの家畜の放し飼いやオーガニックな飼育への強烈な皮肉とも捉えることが出来るだろう。

優秀な子供達はママと呼ばれる飼育係との対決を決意し、快適な空間だった孤児院と言う名の飼育施設からの脱出を試みようとする。そうしないと殺されて食べられてしまうのだ。

しかし、孤児院の外の情報はほとんどわからない状態で、チャレンジしようとする子供達の能力の高さが素晴らしい。

これもいつまでも子供扱いしていまいがちな大人たちへの、強烈な皮肉なのではないか。

子供達のクレバーな冒険の物語はまだまだ続きそうだ。次巻が非常に楽しみになる漫画である。