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いまさら聞けないアメリカ大統領選挙〜小難しいことは全部かわぐちかいじ先生が教えてくれた〜『イーグル』

いや〜、大変な盛り上がりですね、アメリカ大統領選挙! そんなアメリカ大統領選挙ですけども、皆さん「実はよく分からない」なんてこと、ありませんか?

「スーパー・チューズデー」とか「リトル・スーパー・チューズデー」とか、「指名獲得」とか、何のことなのか実はよく分からないっ!けど、こんなに盛り上がっちゃってるし、今さら聞くに聞けないよ…というアナタに朗報です!!

かわぐちかいじ先生の『イーグル』を読めば、面白いほど頭に入ってくるのです!!

毎朝新聞の記者、城鷹志(じょう・たかし)。ある日、彼の母親が沖縄の自宅で死亡してしまう。母親は生前、鷹志の生き別れた父親については何も教えてはくれなかった。そんな中、突然 鷹志はワシントン総支局への転勤を命じられる。アメリカ大統領選に出馬した日系三世、ヤマオカ議員からの指名で、彼を密着取材することになったのだ。なぜ、鷹志は突然、大統領候補から指名されたのか?鷹志の父親の正体とは?そしてヤマオカは、大統領への階段を上ることができるのか!?


という訳で、鷹志と一緒にヤマオカ議員に密着することで、私たちは大統領選の全てを見ることができるのです!!

さすが、カリスマ的な魅力を持つリーダーを描かせたら日本一のかわぐちかいじ先生。鷹志が密着するケネス・ヤマオカもすっごく魅力的なカリスマです。その人間的魅力で次々と選挙戦の重要人物たちを自陣に取り込んでいく様子は圧巻!

凄腕の選挙コンサルタントだったり、20年間ニューヨークの市政を牛耳ってきた市長だったり、テキサスの農業・畜産業の大物だったり、そんな海千山千(うみせんやません)の強者たちを、ヤマオカがその政策と信念とカリスマ性で説き伏せていく間に、読んでいる私たちまでもが彼の魅力に取り込まれ、彼が大統領としてホワイトハウスに入る日を夢見てしまうのです。

恐るべし、かわぐちかいじ先生!!

そんな手に汗握る選挙戦の中に、「鷹志の母親は、実は過去を抹殺するためにヤマオカに消されたのではないか」というミステリー要素までぶちこまれてくるので たまったもんじゃありません。全11巻、超夢中で読みきってしまうのです。

これは、90年代半ばの作品。けっこう前の作品なのですが、かわぐち先生ときたら、今見ると予言のような候補者も出していました。共和党候補、グラント議員の中南米の移民に関する意見をご覧ください。

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『イーグル』(かわぐちかいじ/小学館)11巻より引用

これ……トランプやんか!

一方の我らがヤマオカ議員の政策案とはどんなものなのか?

この作品を読めば、選挙戦の仕組みが分かるだけでなく、自然と各候補者の政策に興味を持つようになってしまうのです。

さらに、アメリカの深刻な人種差別問題と大統領選挙が絡んでくるシーンもあります。やはりかわぐち先生、予言者なのか…!?

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『イーグル』(かわぐちかいじ/小学館)10巻より引用

是非この予言の書「イーグル」を読んでアメリカ大統領選挙戦を知り、トランプvsバイデンの大統領選挙を何十倍も楽しもうじゃありませんか!

WRITTEN by 上原 梓
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