【速報】『決定力に課題が残る引き分け』~アジア最終予選 日本VSベトナム~

ワールドカップアジア最終予選
2022/3/29 19:35K.O. @埼玉スタジアム2002
日本(1-1)ベトナム
19分ベトナム
54分吉田麻也


先日、オーストラリアに勝ったことでワールドカップへの切符を掴んだ日本は、ホームにベトナムを迎えた。

日本は前節から先発を9選手変更。中山雄太、旗手玲央、三笘薫、上田綺世がアジア最終予選で初先発、柴崎岳がアンカーに入った。観客制限がなくなったスタジアムに駆けつけた多くのサポーターが見守る中、試合はキックオフ。

立ち上がりの日本は三笘のドリブルからチャンスを作る。6分、左サイドを突破した三笘のクロスを久保建英が合わせるも、シュートはミートしなかった。17分には、三笘がアウトサイドを使った素晴らしいファーストタッチから左サイドを突破すると、またしても右サイドの久保にパス。背番号11のクロスは相手にブロックされ、原口元気がこぼれ球をシュートするも、枠を大きく外れた。

枠内にシュートを打てない日本は、ベトナムの[5-4-1]の守備ブロックを崩せない。19分、プレスを外せない日本はベトナムに最初のCKを与えると、マークのズレを突いたベトナムにヘディングシュートを打たれて、先制点を許してしまった。

多くのサポーターの前で負けるわけにはいかない日本は果敢に攻めていく。23分に旗手、28分に上田、35分に原口がシュートを打つも、ゴールマウスを捉えない。スタメンをがらりと変えた影響なのか。アタッキングサードでのパスミスが見られ、どこか嚙み合わない急造チームは、ゴールネットを揺らせないまま前半を終えた。

フォーメーションを[4-2-3-1]に変更して後半に臨んだ日本は、伊東純也を右SHに投入すると、久保がトップ下にポジションを移して逆襲を図った。前線で縦関係を築く上田と久保が縦パスを引き出して起点を作ると、ついにゴールをこじ開ける。

54分、三笘からのクロスを受けた原口が放ったシュートはGKに弾かれるも、こぼれ球を吉田麻也が押し込んだ。縦パスをカットした背番号22は、そのままの勢いでゴール前に入っていた。こぼれ球への反応は誰よりも早く、その姿はまるでストライカーのようだった。

意地を見せたキャプテンのゴールが、スタジアムに活気をもたらした。盛り上がるスタンドの応援を背にしたサムライブルーがピッチで躍動する。

59分、右サイドから切れ込んできた伊東がシュート。その1分後には、上田とのワンツーから久保がシュートを打った。

さらに日本は南野拓実、守田英正、田中碧を投入してギアを上げていく。65分、相手を背負った上田が伊藤のパスを落とすと、飛び込んできた田中がペナルティアークからシュートを放つも、GKにセーブされる。67分には、右から伊藤が蹴ったクロスに、飛び込んだ上田が合わせたが、シュートは枠を外れた。

攻め続ける日本は70分。PA内でパスを受けた上田が放ったシュートのこぼれ球を、走り込んだ田中が押し込んでゴールネットを揺らした。しかし、VARが発動してしまう。上田のシュートは南野の手に当たったと判定されて、ゴールは取り消された。

77分には、右サイドでCKのこぼれ球を拾った守田がクロスを上げると、ファーサイドで待っていた谷口彰悟がヘディングシュート。これは相手に防がれるも、詰めていた吉田が流し込むが、ゴールマウス右に外れる。試合を決めるゴールを決めきれなかった背番号22はピッチに転がり、天を仰いだ。

ベトナムにボール保持すら許さない日本は、両サイドからゴール前にクロスを供給し続けるも、中の選手と合わない。88分には、上田がゴールネットを揺らしたが、パスを出した選手がオフサイドポジションにいたため、またしてもゴールは取り消された。

終了間際の日本の攻めは実らず、試合終了。日本のシュートは26本、ベトナムのシュートをたったの1本だったが、結果は1-1の引き分け。多くのサポーターが集まる中で、勝利を届けられなかったことは、吉田がインタビューで開口一番に『勝って終わりたかった』と言ったことから、きっと悔しかったはず。

これだけのシュートを打って、1点しか取れなかったことは寂しい。ワールドカップの本大会のことを考えると、決定力に課題が残る試合となった。

しかし、最後まで粘り強く戦い続けたベトナムの勇姿には胸を打たれたことも事実。ベトナムにとって試合の結果で決まる“何か”は無かったが、がむしゃらに、ひたむきにプレーし続けることの大切さを再確認できた。

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