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【インタビュー】『関戸健二選手は味方の動きに対して1番正解のリアクションができる選手になっていった(Part2)』~sho~

sho君との出会いは2021シーズン。SNSで初めて連絡を取りました。同い年ということで交流を始め、そこから一緒に試合を見るようになりました。サッカー以外の趣味も含めてたくさんの共通点があり、今では親友です。Part2では、彼が愛してやまない関戸健二選手について聞かせてもらいました。

――今回は関戸健二選手について聞かせてほしい。彼を初めて見た試合って覚えている?

明確には覚えていないな。でも、関戸選手が入団した2012シーズンはしっかりと試合を見に行っていたから、彼のデビュー戦も観ているはず。最初の印象は「何だ、この大卒ルーキーは!」って感じだった。僕は小学生のときにトップ下のポジションでサッカーをしていたんよ。だから、テクニックのある選手が好きで。確か、2012年はキム・ミンキュン選手とチアゴ選手の2人が中心になって面白い攻撃をするサッカーだった。チアゴ・アウベス選手じゃなくて、背番号10を付けていたチアゴ選手ね(笑)

――懐かしい

特にミンキュン選手が大好きで「この選手すごいな」って思っていた。ボールを持ったら常に前を向いてプレーするし、チャンスを作ってくれる。ボールを持つとワクワクする選手だった。そんな彼のプレーに付いていく大卒ルーキーが目に留まったんよ。それが関戸選手だった。小学生のときだったから、正確には覚えていないけれど、ミンキュン選手と関戸選手がボールを持ったら何かをしてくれるっていうワクワク感があったんよな。

――当時の関戸選手はうまさが特徴の選手だった?

細かいテクニックを生かしたドリブルをする選手ではないけど、うまかった。そこを見ているんだっていうイメージかな。

――シーズンが経つにつれてプレースタイルが変わってきたように思うんだけど、彼の変化をどういうふうに見てきた?

味方の動きに対して1番正解のリアクションができる選手になっていったと思っている。味方が勝負を仕掛けたら、必ず後ろでフォローを作っていた。例えば、2019年に仲間隼斗選手(現鹿島アントラーズ)が中央に絞ると後ろに落ちる動きをしていて、2020年は裏に抜ける動きが多かった印象が残っている。プレー選択における明確な理由は分からないけれど、監督に求められたことでもあるんだろうし、自分でタイミングを見て裏に抜けていたのかな。自分から積極的にアクションを起こすイメージではなくて、とにかくリアクションの質がめちゃくちゃ高い!

――自分が輝くよりも、誰かを生かすために、チームがうまく回るために、やらないといけないことを考えて、それを実行できるっていうこと?

バランサーだね。1人おってくれたら、チームにありがたい選手かな。

――sho君は関戸選手のユニフォームしか持っていないくらいのファンだけど、バランサーとしての彼に惹かれたの?

もともとはそうかな。2019年に久しぶりにスタジアムでファジの試合を見に行ったときに、「関戸って、小学生のときに見ていた関戸?」っていうのもあったと思う。

――中学生と高校生のときは部活でスタジアムに行けなくなったって言っていたもんね

そうなんよ。やっぱり長年ファジアーノに所属していることに愛着が湧いたんよ。小学生のときに活躍していた選手がまだファジアーノのユニフォームを着てプレーしている。一気に惹かれたね。2019年は仲間選手、上田康太選手(現クリアソン新宿)、関戸選手による細かなパスワークが大好きだった。それもあって気づいたら17番もユニフォームを買っていた(笑)

――2019年は関戸選手がシーズンを通して活躍したイメージがある

ほとんどの試合に出ていたんじゃないかな(41試合に出場)。

――在籍年数が長い中で監督が代わっても、コンスタントに試合に出続けていた。なぜだと思う?

やっぱり1番はリアクションかな。瞬時のプレーのリアクションもそうだし、監督に求められることに対してのリアクションもそうだし、何でもできるんじゃないかな。気が利く選手だからだと思う。

――運動量もめっちゃくちゃあるよね

あると思う。カウンターを食らいそうになるときの戻りがマジで速い。

――戻る速度? 反応? それとも戻るスタートが速いの?

1歩目かな。足が速いイメージではなくて、気づいたらおってほしいところにいてくれる。スタートが速いのか、ヤバいかもって思って少しポジショニングを変えることができるのか。

――記憶に残るプレーはある?

2019年の千葉戦(第34節・3‐2で勝利)のアシストが印象に残っているよ。何でそこにおるの?って思った。右サイドハーフだったのに、PA左まで斜めに走って来て、徳元悠平選手の浮き球パスを受けて1タッチで上門知樹選手に落としたパス。それを上門選手が強烈なシュートを突き刺したゴールだった。

↑該当シーンは41秒から↑

――左サイドで味方がパスを回して相手をおびき出し、空いたスペースを見つけた関戸選手が飛び込んで丁寧な落としをしている。スペースを見つける目をもっている?

そうだと思う。スペースを見つけることが持ち味って2020年か2021年に言っていた気がするし。

――右サイドの選手が左サイドまで来るのは、プレー選択としてあまり見ない。かなり勇気のいるプレーに見えるけど?

そうなんよ。家長昭博選手(川崎フロンターレ)くらいしかしていないもん(笑) なかなか逆サイドまで行くことはないけど、行ったときは相手よりも人数が一時的に多くなるから、味方の誰かがフリーになるんよ。でも、その分、自分が右サイドを空けてしまうことになる。だから、ピンチになってもおかしくないんだけど、不思議なことにならないんだよな。そういう印象がなくて・・・。良い意味で関戸選手が逆サイドまで来たときは、何かが起こるって思っていた(笑)

――sho君はサッカーの戦術とか内容をしっかりと見ることが好きだと思うけど、2022年のチームに関戸選手を当てはめるとどうかな?

右サイドハーフで活躍できると思っていたよ。ただ、最初からトップ下の選手として考えられてそうだった。でも、2トップになったことでトップ下のポジションはなくなっちゃった。夏に政田に練習を見に行ったときに、あまりコンディションが良さそうではなくて、どうなるんだろうって思っていた。

――今季限りでの契約満了が発表された。初めてリリースを見たとき、率直にどう思った?

さみしいなって気持ちだったと思う。でも、若い選手が序列を上げてきているのも分かっているし、ファジアーノがそういうチームになったっていううれしさもある。だけど、やっぱりさみしい。もう1年は待ってあげてほしいって思ったかな。

――驚きはあまりなかった? 可能性があるかもしれないなっていう感じ?

やっぱりボランチの顔触れと関戸選手のコンディションを見たときに、序列が下の方なのかなって思っていた部分もあった。紅白戦にも出ていないときもあったみたいだし、もしかしたら・・・っていう想いはあったかな。でも、もう少し見たかった、特にサイドハーフでプレーする姿を。

――長年ファジアーノで活躍してくれた選手がいなくなるのは悲しいよね

栃木との天皇杯(0‐1で敗戦)ではポストに当たったヘディングシュートがあったし、あの試合では何だかんだ1番チャンスを作っていた。

――あの試合でヘディングシュートが入ってチームが勝っていたら・・・

また違っただろうな。

――関戸選手に対する感謝の気持ちがあれば、教えてほしい

J2では名の知れた選手だと思うし、岡山と言えば、運動量の関戸健二。いなくなることが寂しいというツイートもたくさん見たし、愛されていた選手だった。やっぱり岡山にずっといてくれたことは感謝したいし、岡山らしさを1番に体現してきてくれた選手だと思う。 

――粘り強さ、ひたむきな姿に何度心を打たれたことか・・・

愚直に真面目に頑張ってくれる選手だった。

――今年でチームを去る。関戸選手がどんな選択をしても、彼のことを気に掛けるだろし、存在を追い掛けるんじゃないかなって思っている。来年の彼がどういうふうになってほしいっていう期待していることはある?

ホーム最終戦セレモニーでのあいさつを見て、引退するのかなって思ったけど、どのカテゴリーでもいいから、もう1回トップ下でゲームメイクしてほしい。

――選手を続けてほしい?

続けてほしい。やっぱり、テクニシャンだったんだっていうところを見たいな。

――もう1度ピッチで輝く姿を見たいね

今度は運動量や献身性ではなく、もう1つの武器を。原点に立ち返る姿を。まだまだテクニックを生かしたプレーもできるよっていうのを見たい。 

――そうだよね。まだまだ活躍できると思う。

きっとできる。関戸選手、ファジアーノでの10年間、お疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました!

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