【レビュー】『相手を押し返す手段の必要性』~第23節水戸ホーリーホックVSファジアーノ岡山~

試合結果

2022 J2 第23節
6/25 18:00 K.O
水戸(1‐1)岡山
23分 ヨルディ・バイス
89分 安藤瑞季

スタメン

マッチレポート

4連勝ならず。劣勢でも勝ち点1。

岡山は2019年以来の4連勝を目指して今節に挑んだが、苦戦を強いられた。

試合は立ち上がりから3試合負けなしの水戸のペースで進んでいく。右サイドはSBの村田が高い位置を取って、左サイドは椿がドリブルを仕掛け、2トップのパワーを生かしてゴールに向かった。8分、椿が安藤とのワンツーでPA左に進入してシュートを放つ。GKの手前でバウンドするシュートは堀田に弾き出された。13分には木下がPA右でバイスを振り切ってクロス。これは流れるもこぼれ球を拾ってタビナス・ジェファーソンがミドルシュートを打つ。しかし、シュートは本山のブロックに遭った。

岡山は自陣で守る時間を過ごしたがゴール前で粘り強く対応し、21分に川本のパスに抜け出した田中がシュートを打って、この試合で初めてのCKを得る。河野が蹴ったボールは相手にクリアされるも、こぼれ球が森の手に当たりPK。これをバイスが右スミに決めた。先制後も水戸に攻められたが、堀田、バイス、柳を中心にタフに守って前半を折り返した。

後半、追いかける水戸が高岸を投入してスタートすると、ボールを握って岡山を押し込んだ。47分、木下がボレーシュートを放ち、55分には前田がミドルシュートを打つも枠を捉えることができない。

攻め込まれる岡山は暑さもあって徐々にプレスをかけられなくなり、バイタルエリアへの縦パスを簡単に許すと、61分にピンチを迎えた。椿の縦パスを安藤がフリックし、木下にシュートを許す。これには堀田も反応できなかったが、シュートは右ポストに当たった。66分にはこぼれ球を押し込んで高岸にゴールネットを揺らされるも、直前にシュートを打った木下がオフサイドだった。

80分に阿部を投入して5バックにした岡山だったが、逃げ切りに失敗。89分に途中出場の杉浦のクロスをバイスと阿部がクリアできず、その後ろで成瀬と村田がもつれてこぼれたボールを安藤に押し込まれた。追いついた水戸が攻勢を強めて波状攻撃を仕掛けてきたが、91分の杉浦のミドルシュートはポストに当たり、94分にCKから高岸に押し込まれるも堀田が逆転を許さなかった。

4連勝はかなわなかった。劣勢でも勝点1を持ち帰れることをポジティブに捉えたいが、守り続ける状況を打開ができなかった。勝利を積み重ねるためには相手を押し返す手段が必要だと感じる引き分けとなった。

コラム

モデルケースは第20節の金沢戦、取り戻したいアグレッシブな姿勢

ここ最近、岡山は我慢の展開が続いている。

第20節の金沢戦では5‐1の大勝を収め、第21節の山口戦、第22節の琉球戦でも勝利を積み重ねたが、相手に主導権を握られる不本意な展開を強いられている。

今節もそうだった。

シュート数は岡山が5本、水戸が18本。パス数は岡山が272本、水戸が585本。ボールを握られて、押し込まれる展開だったことは数字も示している。

木山隆之監督が就任した今季は「相手コートでサッカーをする」をテーマに掲げている。そのために、ボールを奪いに行くプレスと自陣からつないで効果的に相手コートに入っていくビルドアップをトレーニングしてきているが、現状はどちらもうまくいっているとは言えない。

難しい状況にあるチームには、アグレッシブなプレーを求めたい。モデルケースになるのは、やはり第20節の金沢戦だろう。立ち上がりから相手に襲いかかるようにプレスをかけて、推進力のあるアタッカーが次々にショートカウンターを仕掛けていき、前半だけで5点を奪った。

もちろん相手のボールを取りに行くことはリスクを要する。パスでプレスを外されてひっくり返されるかもしれない。しかし、堀田、バイス、柳を中心に守備陣が高パフォーマンスを発揮し続けている。マンパワーで守れる彼らがいるからこそ、リスクを冒して大きなリターンをつかみ取りに行くこともできるのではないだろうか。

試合後コメント

ハイライト


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