【速報】『新シーズンへの期待が膨らむ王者同士の戦い』~FUJIFILM SUPER CUP 横浜F・マリノスVSヴァンフォーレ甲府~

2023 FUJIFILM SUPER CUP
2/11 13:35K.O. @国立競技場
横浜FM(2-1)甲府
30分 エウベル
44分 ピーター・ウタカ
61分 西村拓真

30周年の節目を迎えた2023シーズンのJリーグが幕を開けた。

昨季の明治安田生命J1チャンピオンの横浜FMと天皇杯王者の甲府が激突するFUJIFILUM SUPER CUP。両チームのサポーターが一堂に会した国立競技場でキックオフすると、甲府が勇敢にゴールに向かった。42歳の山本英臣を中心にゴール前を固めて横浜FMのクロスを跳ね返していき、ボールを奪えばショートパスをつなぐ遅攻とサイドアタッカーが相手の背後を突く速攻を柔軟に使い分ける。2分、大卒ルーキーの水野颯太が左サイドから切れ込んでシュート。さらに7分には水野が深い位置に進入して獲得したCKから鳥海芳樹がミドルシュートを放った。どちらも枠を捉えたが、GKオビ・パウエル・オビンナのセービングに遭った。

相手の勢いを受けてスタートした横浜FMだったが、専売特許であるアタッキングフットボールで甲府を押し返していく。テンポよくショートパスをつなぎ、ウイングとサイドバックが連係してサイドを攻略した。12分、右サイドに流れた西村拓真が水沼宏太のパスを頭で落とし、PA右に走り込んだ渡辺皓太が右足を振り抜く。しかし、シュートは枠を越えた。甲府に粘り強く守られる時間が続いたが、30分に均衡を破る。水沼がPA右に縦パスを出し、アンデルソン・ロペスが中央にボールを送ると、エウベルが右足で冷静に蹴り込んだ。横浜FMが先制に成功した。

追い掛ける甲府は自陣で守る時間が続くも、焦れることなく対応していく。36分に山本が体を投げ出して永戸勝也のシュートをブロックし、40分には上島拓巳のミドルシュートを河田晃兵が横っ飛びで弾いた。ベテランが気を吐いて横浜FMの攻撃を耐え抜くと、44分に同点に追いつく。エドゥアルド・マンシャの鋭い縦パスに抜け出した鳥海が折り返すと、フリーのピーター・ウタカがしっかりと流し込んだ。ネットが揺れた直後には副審がオフサイドの判定を下すも、VARによってゴールが認められた。

後半、立ち上がりに仕掛けたのは甲府。開始直後、ウタカが右サイドを突破していき、PA内に飛び出した長谷川元希が右足を振り抜いた。しかし、枠を逸れていった。

横浜FMは、エウベルと永戸が流動的に中と外の立ち位置を変えて左サイドの主導権を掌握すると、61分に勝ち越しに成功する。角田涼太朗が中央からドリブルで敵陣に進入してスルーパス。これに抜け出したロペスのシュートはポストに直撃するも、跳ね返りを西村が押し込んだ。

追い掛ける甲府は71分に三平和司を投入し、81分にはボランチの佐藤和弘に代えて武富孝介を送り出す。システムを[4-2-3-1]から[4-1-4-1]に変更して前線に人数を掛け、入ったばかりの武富がリズムを作り出す。篠田善之監督からもラインを押し上げる指示が飛ぶ中で、最後まであきらめずに戦う。

足を攣る選手も出てくる中で、甲府に最後のチャンスが訪れた。90+4分のCK、GK河田もゴール前に攻め上がる中で松本が蹴ったボールは相手にクリアされるも、こぼれ球をゴール前に放り込み、最後は途中出場のジェトゥリオが豪快にネットを揺らした。しかし、判定はオフサイド。ゴールは認められずにタイムアップの笛が吹かれた。

甲府の反撃を最後までしのいだ横浜FMが2‐1で勝利し、クラブ初のとなるFUJIFILUM SUPER CUPの栄冠を手にした。甲府は敗れたものの、横浜FMをあと一歩のところまで追いつめた。5万人を超える国立競技場で躍動した両チームの姿が、18日から開幕するJリーグへの期待感を一気に高めた。

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