【レビュー】『勝ち切れない』~第8節藤枝MYFCvsファジアーノ岡山~
試合結果
スタメン
マッチレポート
敵陣でのプレーを増やした時間帯にスコアが動く。藤枝と岡山の初対決はドロー
強い横風が吹く中で行われた藤枝と岡山の初対決は、勝点1ずつを分け合う結果となった。
立ち上がりは藤枝が勢いよくゴールに向かった。自陣からパスをつないで左右に揺さぶり、J2トップスコアラーの渡邉が待つゴール前にクロスを供給していく。しかし、最後の精度が上がらずにシュートを打つことができない。
4試合ぶりの勝利を目指す岡山は立て続けにセットプレーを獲得して反発すると、22分に待望の先制点が生まれる。CKを河野がゴール前中央に蹴り込み、柳がダイビングヘッドでネットを揺らした。櫻川が相手をうまくブロックしたことで背番号5がフリーになる狙い通りの形が5本目のCKで結実し、4試合ぶりにリードした。
先制後、岡山は練習で確認していたプレスを積極的に仕掛けた。櫻川とハン・イグォンがサイドに誘導し、後ろがスライドして高い位置でボールを奪うことで敵陣でのプレーを増やしていく。26分には輪笠のパスを櫻川が相手2選手に競り勝って頭で落とし、フリーの状態でゴール前に走り込んだステファン・ムークが頭で合わせるも、枠を捉えることができない。33分には細かいパスワークで中央を攻略して佐野がミドルシュートを打ったが、枠を越えた。
後半は追い掛ける藤枝が攻勢を強める。GKを積極的に組み込んだ後方からのパス回しで敵陣に入ると、横山と榎本が個の力を発揮して左サイドからチャンスを作る。特に榎本が鋭いドリブル突破からクロスを供給し続けると、75分に榎本のクロスを途中出場の徳永が身体で押し込んで同点。その2分後には榎本が味方とのワンツーでゴール前に進入して放ったシュートがヨルディ・バイスのオウンゴールを誘って逆転に成功した。
岡山は途中出場のルカオ、木村を中心になりふり構わずゴールに向かう。前からのプレスを再び強め、藤枝が終盤にDFを2選手加えてもセットプレーを獲得して押し込んでいく。すると、90+1分にCKの流れからバイスが雪辱のボレーシュートを決めて土壇場で追い付いた。
両チームともに敵陣でのプレーを増やした時間帯にスコアを動かすも、守勢の時間に守り切ることができず。ゴール前での守備に課題を残す試合となった。
コラム
勝点『1』を『3』にするために改善したい守備
岡山の底力は凄まじい。
1点を追い掛ける状況に置かれると、途中出場のルカオ、木村を筆頭に推進力を発揮し、ポジションに関係なく全員でゴールに襲い掛かる。前節は終了間際に木村がPKをもぎ取って櫻川がネット揺らし、今節もアディショナルタイムにセットプレーからヨルディ・バイスがボレーシュート叩き込んだ。
これでは勝点0を勝点1にすることはできるが、勝点1を勝点3にすることはできない。うまくいってない要因はいろいろと考えられる中で、簡単に失点をしてしまっていることが状況を難しくさせている。
今節は藤枝が岡山の右サイドを狙い撃ちしてきていることは明らかだった。1失点目を喫する前から榎本が迷うことなくドリブルを仕掛けてクロスを上げてきており、完全に後手に回っていた。いつ失点をしてもおかしくない状況を修正しようとする動きが見られず、立て続けに2失点してしまっている。
個人としても対応力を上げていかないといけないが、チームとしても共通理解を深めていきたい。守勢の時間をどのように守るのか。サイドの対応ではクロスを上げせてもいいのか、それさえ許さないのか。
得点は取れている。守備を改善することで勝利が近づくはずだ。
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