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試合に出る理由2023

今日は、全国1億3,000万人の柔術家に伝えたい事があります。

でも、僕はちょっと真面目な話が苦手なので、いつものstand.fm(ネットラジオ、音声配信)ではなく、今回はnoteに書かせてもらいました。

【こんな方に向けて書いてます】
・なんで柔術をやっているのか?と迷走したことがある方
・柔術の試合に出るかどうかを迷っている方
・柔術の試合で負けて落ち込んでいる方
・目標、目的を見失ってしまったと感じている方

もしご興味がございましたら、ちょっとだけでも読んでみてください。
お願いします。

1.何を目指してるの?

Q.そんなに(柔術の)試合出て、何を目指してるの?

こんなことを言われた経験はありますか。

萩野は言われたこと
めちゃくちゃあります!(笑)

「なぜ試合に出るのか、どうしたいのか、何がやりたいのか?」

別に“柔術の試合”だけ限った話じゃなくても、自分が大切にしている“仕事”“趣味”とかにも置き換えてみてください。

Q.そんなに◯◯して、何を目指してるの?

このような問いに、誰もが一度は向き合ったことあると思います。

2.あなたの答えは?

Q.そんなに(柔術の)試合出て、何を目指してるの?

例えば…
・自己成長と向上を目指しています
・毎試合で自分自身を超えることを目標にしています
・柔術の技術向上のための実践の場として活用しています
・経験を積み重ねることで、より高いレベルの技術を身に付けます
・自身の能力を測る機会です
・他の選手との試合を通じて、自分の実力を確かめ、課題を明確にします
・技術や戦略において新しい発見が得られます
・他の選手を見ることで、自身の技術を向上させる糧になります
・他の選手との交流を通じて、新たな繋がりを広げることができます
など

ザッと上記のような回答、理由や目的が挙げられると思います。
これを読んでいるあなたに当てはまるものはありましたか?
当てはまるものあった方、コメントで教えてください。
なかった方も、あなたの理由や目的を教えていただけますと幸いです。

※AIアシスト機能を使って例を挙げてみました(笑)

でも、僕は言いたい… どうでもいい!

Q.なぜ試合に出るのか、どうしたいのか、何がやりたいのか?

A.どうでもいい!

こんなこと、「どうでもいい!」です。
こんな問いに対する答えを考える前に、思い出してください。

一番最初に「柔術の大会に出てみようかな!」や「試合に出るぞ!」と決めたあの時の気持ちを今一度、思い出してみてください。

あの時は、練習仲間とその場のノリと勢いで大会にエントリーしたのかもしれません。それでも、仕事でも趣味でも、人が何かに初めて挑戦する時は、大きな夢(目標)と希望を胸に何かに立ち向かって行くんだと思います。

でも世の中、良いことばかりじゃありません。
特に勝負の世界は残酷だし、簡単にはいきません。

かく言う僕は、柔術&グラップリングの試合
これまで120戦34勝81敗5分です。(2023/11/28現在)

秒殺一本負けしたり、同じ選手に2度も負けたり、青帯の最初の頃なんかは15連敗した時もありました。その頃のJBJJFの階級別トーナメントは、殆どの試合が1回戦負けでした。

恥ずかしい、本当にどうしようもない戦績です。

でも、そんなことがあったからこそ、今年柔術5年目にして、紫帯になれたんだと思っています。かなり遠回りをしましたが、要は何が言いたいかというと「好きなことなら、何があっても諦めるな」ということです。

別にここに来て、根性論を振りかざしたい訳じゃありません。
仕事でも趣味でも柔術でも、夢や高い目標を追いかけていたら必ず壁にぶち当たります。当然です、初めての挑戦なら尚更。

僕も今まで上手くいかなくて、悔しい思いをしたり、恥ずかしい思いをしたり、正直どうしていいか分からなくなったりもしました。

でも、それは当たり前です。夢だから。最初から簡単に叶う事やすぐ達成出来てしまう事は、たぶん夢でも高い目標でも、何でもないです。
大きな困難に打ち勝って掴むのが、夢です。

簡単には強くなれないから面白いんです。
難しいから楽しいんです、好きなんです。
愛してやまない、愛してるから病まないでいられそう…そんな感じです。

だから、毎回練習も試合も真剣に取り組む訳だし、試合で負けたら悔しいんです。でも、いつも真剣だし、大真面目です。

やりたくなかったら、やらなければいい。でも、やりたいなら真剣に。
なりふり構わず、真剣にコツコツと日々取り組んでいたら周りの方たちには必ずその熱量は伝わるはずですし、周りの方たちはその挑戦を応援してくれます。

今の時代、真剣にコツコツ取り組み、挑戦することは、所謂"ダサい"ことかもしれないし、時には馬鹿にしてくるヤツもいます。

こんなことを書かれたりすることも…(´;ω;`)
あと、寒河江選手は勝ってるし
めちゃめちゃ強いから!!

僕が紫帯になってすぐに出たJHOOD CUPで、それまで面識なかった方が試合会場で僕に声をかけてくれたんですが、その方に「いつも負けてるのによく帯上がったね」と冗談半分で笑いながら言われたりもしました。

紫帯デビュー戦だったJHOOD CUP
決勝で平澤さんに0-2で負けて2位🥈

でも、そんなヤツらに馬鹿にされても別に良いじゃないですか。

小林秀雄は「勇ましい姿はいつだって滑稽だ」と言っているし、RHYMESTERだって歌詞の中で「気づけば傷つく、だが傷つくほど気づく」と歌っているわけですから。

自分は、負けても自分自身の矜持もあるし、その負けにプライドを持って試合会場から帰ってきている。大体こういう事を平気で言ってくる奴らは、そもそも自分のいる場所から何も動かずに、挑戦もしたことない奴ら。うるせぇ、外野は黙ってろ。

それでも、先生や練習仲間は、ちゃんと見てくれています。
そして、いつも一番近くで応援してくれる家族も自分の味方です。

そうやって、いつも応援してくれたり、支えてくれるパートナーや家族、道場の先生、練習仲間がいれば、それでオールOK!(たぶん)

3. Just do it!!

すみません、ちょっと話を脱線させてください。

試合出た方が良いか聞く人

最近、練習仲間でも試合に出る方が増えてきました。
素直に嬉しいです。そんな流れで、よく聞かれることがあります。

「私、試合出た方が良いんですか?」
「萩野さんは、どう思いますか?」
「どうしたらいいですか?」

結論、知らん。そんなの自分で決めてください。
っていうか、そうやって聞いてくる時点で、聞いてくる本人の答えは大体決まっています。(萩野の心の声:うん、出たらええやん)

Q.塩ラーメンと豚骨ラーメン、どっちが好きですか?

これと同じレベル。この質問、迷ったとしても「萩野さん、私って塩ラーメンと豚骨ラーメン、どっちが好きなんですか?」って他人に聞きますか。
聞かれた方も「いや、知らんがな…(´;ω;`)」ってなりますよね。

結局は、自らの意思決定です。

塩か豚骨か。こういう簡単な意思決定も、これまでの数多くの行動(=食事)からなる経験(=これまで食べてきたラーメン)を基に意思決定をしています。そう、自分の中で答えを持っているんです。

自分がどう選んだら、どう美味しいか/どれを選べば幸せなのか/後悔しないのか…自分の中では、もう答えは持っているはずです。

ポケモンの経験値

もう一つ、自分の経験をポケモンに例えながら話します。

2019年、24歳で柔術を始めた僕は、ポケモンでいうところのレベル1です。柔術のことはまだ何も知らない、何も経験してないレベル1のピカチュウでした。

そんなレベル1のピカチュウが、自分はどうしたいとか、何がやりたいかなんて考えても分かる訳がない…答えなんか出ないんですよ。だって何も知らないし、やってないから。

僕は思いました。

「レベル1のピカチュウには、こんなこと考える資格すらない」

当時の僕が、まず「こうしよう!」って決めたのは、レベル1なんで、何もできない…だから、まずレベル上げようと。そこからは、自分のレベルを上げることにフォーカスしました。

Q.ポケモンでどうやったらレベル上がりますか?

そうです、戦ってレベル上げますよね。(ポケモンバトル)

Q.じゃあ、戦って何が起きますか?

ん?
そうそう、経験値が貯まるんですよ。

戦って、勝って、経験値がGETできる。
その経験値が積み重なって、レベルが1ずつ上がっていきます。

ポケモンも僕らも同じです。
経験値を積むことでレベルを上げることができます、何事も。

じゃあ、その経験値積むために何が効果的か?
それは、「行動すること」です。

経験値は、倒したポケモン1体あたりからGETできます。
だから、倒したポケモンの数(=行動)をとりあえず増やせば良い。

なので、とにかく行動しました。

つまりは、めちゃめちゃ経験する数を増やすということです。
といっても、冒頭にも書いたように、僕がしてきた行動は全部成功してきた訳じゃなくて、もちろん失敗したことも沢山あります。というか、むしろ、そっちの方が多いです。

で、ポケモンと僕らで大きく違うところは、ポケモンは負けたら経験値もらえません。でも、僕らは負けても、失敗しても経験値GETできるんです。僕たちは、失敗からも学べるので、絶対にやらないよりやった方が良いです。

やらなかったら経験値0です。でも、やったら、行動すれば、成功しても失敗しても経験値貯まるので…だから、やらないより断然やった方が良いです。

そうやってレベルが上がると、自然と最初に話した「なぜ試合に出るのか、どうしたいのか、何がやりたいのか」は、おそらく勝手に見えてくるし、自ずと分かってきます。

この順番が大事で、レベル1の状態で「何やりたいのか」とか考えるのではなくて、まずはレベル上げをして、しのごの言わずに黙って自分自身のレベル上げることにフォーカスする。(←これを新入社員、柔術始めたばかりの頃の自分に言ってやりたい)

そうすると結果的に、勝手に自分はどうしたいのかとか、何がやりたいかとか、どう生きたいとかが、自ずと分かってき始めて…そういう順番で進めるのが、僕の場合はすごく効果的でした。

打率なのか?打席なのか?

また「とにかく行動すること」がなぜ大事かっていう話は、世の中にいくつかあります。

例えば、「ホームランを打つこと」をゴールというか、目標とした時、打席に立ちまくった方がいいのか、それとも打率を気にしてた方がいいのか。
それは、絶対「打席に立ちまくった」方がホームランの絶対数が増えますよね。打率をいちいち気にしてたら、この絶対数は増えないです。

ここでも、何か正解をすぐ求めがちですが、割と正解って誰にも分からないです。

もちろん受験勉強とか、もう既に決められた解答があるものや、どうやったら正解が見つかるかが分かっているようなクイズに関しては、正解は勿論ありますが、現実の社会は別にクイズじゃないので、答えが何なのかっていうのは実際に試行錯誤してみないと分からないことが大半です。

パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ

僕がいつの日か見た、ホリエモン(堀江貴文)さんのYouTubeの中で、ピカソがなぜ世界で有名な画家になったのかとその理由を語っていました。

それは、ピカソの名前の長さではなく、「作品点数が多いから」です。

ピカソは生前、1万点以上の作品を発表しているそうです。他の有名とされている作家であっても、多くて数百点です。ほら本当に文字通り、まさしく"桁違い"ってやつです。

ゼロの数が2つも違うぐらいの作品数を発表してるピカソ。
だから、あれだけのかの成功を収めることができた訳です。

要は、あの抽象画が、何かよく分からない抽象画のアレが世にウケること/評価されることを1万点以上の作品を発表してきたおかげで発見することができたんです。逆に言えば、当時の他の画家達は、これを発見できなかったんです。

ピカソは、普通に写実画もすごく綺麗に書けるし、抽象画を発表する以前の作品の中には綺麗な写実画もあります。でも、他のどの画家よりも多くの作品を世に出し、彼の中で私たちが想像を絶する程の試行錯誤し尽くしたことで、あの抽象画、あの境地に辿り着いた訳です。

ピカソの「ゲルニカ」

これが現実です。

つまりは、あの偉大な画家ピカソも、どんなにすごい有名で才能ある人でも多くの打席に立って、様々な経験をして、色んなことを試してみて、何が上手くいくのかっていうのを試してみて…その上に素晴らしい作品や輝かしい功績があるんだよってことを言いたかった、それだけです。

そりゃ勿論プロだから、ある程度は目論見というか「こうしたらいいんじゃないか」っていう目星をつけて試行錯誤しているとは思います。適当に、闇雲にやっても仕方ないですからね。
でも、本当にそれだけで、とにかく何でも「実際にやってみる」、「とにかくやってみる」ということです。

柔術って、意外と打席に立ちまくれる!

"成功する"ために"何をすべき"かということは、これと言って無くて…
成功するか/しないかは、とにかく確率論でしかないと個人的には思っています。(様々なハウツー本やアドバイスはありますが、それは、その人本人が成功した方法の一例でしかないので…)

なので、成功している人が成功するための方法としてまずやっているのが、とにかく打席に立つことだと。

ピカソの話の前に例えたような"野球"であれば、プロ野球選手だったら常に1軍にいないとトップの表舞台の打席には立てないですが…
僕らのやっているブラジリアン柔術や、もっと言えば社会は、プロ野球の打席とは大きく違って、もっと結構いい加減なところなので、打席は結構勝手に立てます。

国内最高峰、その年のブラジリアン柔術日本一を決める大会「JBJJF全日本ブラジリアン柔術選手権大会」は、JBJJF加盟団体に所属している青帯以上のジュブナイル、もしくはアダルト(18歳以上)であれば、自ら望めば誰でもエントリーできます。また、今年名古屋で開催された「Asian Jiu-Jitsu IBJJF Championship」もそうです。
そして、世界大会である「World IBJJF Jiu-Jitsu Championship」も黒帯はポイントが必要ですが、それ以外の色帯はその気になれば誰だってエントリー出来ます。

少し競技は違って、グラップリング。
ADCCだと、各大陸の予選を勝ち上がって優勝すれば、本戦の世界大会に出場できます。これも予選は望めば誰だってエントリー可能です。

コロナ禍以降、いやもっと前からこうして世界は既に繋がっていて、こうして突然いろんな人たちが認める人間になれるような舞台やプラットフォームが、今や探せばいくらでもあります。

今の時代、別に柔術に限らず… ネットやAIといったテクノロジーが発達してきて、物理的な距離や時間、空間を超えた、非常にオープンでフェアな打席(チャンス、機会)が用意されているんです。

4.まとめ

要は、まずは自分でやってみないと始まんないし、「Just do it!!(とにかくやれ)」ってことで、話はそれからです。

今を生きる殆どの人が、すぐに答えや他人からの「いいね」やリアクション、評価を欲しがるようになった今日この頃です。でも、そんな中、20~30年…いや半世紀以上前の作品やその歴史が見直され、再び高く評価されるなんてことも意外と珍しいことじゃなかったりします。

あの日のあの行動、あの経験が、後にになって"つながってくる"感覚に価値があると思う今日この頃。そんな感じで、自分にとって本当に大事なことを学ぶというのは、それなりの時間が必要なのかもしれないのかも…

なんて、思ったりもしてます。

今になって「やっぱりこれが、このやり方が正しかったんだな」と思ったものもあるし、そうでないものもあります。でも結局、それも含めて分かるには、本当にただ「行動するか/しないか」でしたよって話でした。

5.P.S. 最後に

ここまで読んでいただいた方へ

このnoteでの報告で申し訳ございません。

私事で大変恐縮ですが、今年の12月31日付けで、5年間勤めた広島の某自動車メーカーの会社を退職することとなりました。併せて、その会社に入社してから始めたブラジリアン柔術を習っていた藤田柔術/レオス柔術アカデミーから離れることとなります。

来年、2024年1月から今住んでいる岩国から離れ、東京で自分の夢の為に新たな人生を始めます。(正確に言うと12月には、もう東京にいます!)

これも、自分が後悔しない選択をした、ただただ行動した
それまでです。

本来であれば、皆さまに直接ご挨拶すべきところ、このnoteでのご挨拶となりますこと、また突然のご連絡となってしまうことをお詫びいたします。

この広島に来て入社し、そして柔術を始めてから五年間、大変貴重な経験を積むことができました。

会社では、素敵な上司、先輩、同期、後輩に恵まれ、また藤田柔術/レオス柔術アカデミーでは、藤田先生と森戸さんをはじめ、.comm sausage hotdogsの中山さん、エアコンクリーニングの亀井さん、城戸君、神田夫妻(T800周一さん&麻梨乃さん)、藤井さん、毛利道場の摩嶋さん、AOT(株)の上田さん…と多くの練習仲間たちのおかげで今の萩野貴旺があります。

これまで至らぬ点も多くご迷惑をお掛け致しました。
多大なるご支援・ご指導を公私ともに賜れたこと心より感謝申し上げます。

私にとって、この会社と道場を通じて、皆さまと出会えたことはかけがえのない財産です。この広島・岩国での経験を今後に生かし、新年から新天地でも頑張って参りたいと思います。

最後にはなりますが、皆さまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。これからは東京からにはなりますが、皆さまを応援させてください。

今まで本当にありがとうございました。
そして、物理的な距離はありますが、これからもよろしくお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

とてもさんきゅう

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