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眠れない夜に珈琲を。

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珈琲に関する作品たちです。 あなたの一日に一杯の珈琲をどうぞ。☕
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#死にたい

さみしさが埋められないなら

さみしさが埋められないなら

今月が終わって、うまくバイトを辞められたら、そしてその時になってもまだ辛かったら、眠ってしまおう。
そう思った。
バイトがうまく辞められなかったら、それでも飛び立とう。
そう思った。

いつか夏に来る、精霊たちに連れてってもらって、どうせ何者でもない私なんだから、何に成ることもなくただ存在しない存在として、かつてあった概念としてたゆたっていたい。

誰かからの連絡をずっと待っていることは自覚してい

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ビターな町

ビターな町

気がつけば迷い込んでいた。
スマホの電波も位置情報も迷子で、
見渡せば、喫茶店ばかりが立ち並ぶ
ここは眠らない町。

この町に夜はやってこない。珈琲があるから。
ここの人々は眠たくならない。珈琲があるから。
それを飲まないのなら、眠ってしまえばどうなるのか、
誰もわからない。
ただ、渋のついたコーヒーカップが、ところどころに転がっていた。

「私はこの町に合わない。」
そう言うと私の春は亡くなって

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珈琲とカフェオレ♪

珈琲とカフェオレ♪

おはよう…

珈琲を飲んでる
浅煎りが似合う昼下がり
そこに君が顔を出す
君の手の中には角砂糖

君の肌と見紛うような
ミルクを少し注ぐ
真っ黒い世界がほら少しだけ明るく

珈琲とカフェオレ
珈琲とカフェオレ
溶けてく溶けてく真っ黒い不安も
白と出会って
混ざりあえたら
解りあえたら
溶けない解けない遂げれないうだつも
少しはあがるかなぁ

PCを触ってる
西向きの窓から夕日
君と二人で作ろう

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俺は死にたい人

俺は死にたい人

俺は、自殺志願者。自殺を計画する者。
日々自分を殺す方法を模索している。

今日はついに決行日だ。
事前に用意したロープと文庫本を一冊リュックに詰めて玄関を抜ける。
軽い足取りで最後の一杯にと最古の喫茶店に向かう。

窓から眺める人々は互いに行き交い、そのすべての世界を彼らは知らない。
ここに思想犯が一人いることも、ふふ。
水鳥に餌をやっている老人。
待ち合う彼氏彼女。
段差でこける少年。
そんな

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「珈琲」 序文

「珈琲」 序文

珈琲が好きだ。
珈琲が死ぬほど、いや、生きるほど好きだ。

生きるために好きだ。

今朝も今夜も、毎朝毎晩私は飲む。

起きるために。
眠ってしまわないために。

今日も私は、珈琲を飲む。