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短編「ニンゲン」

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ニンゲンになりたくて、 ニンゲンを知りたくて、 僕たちは神の身分を捨て 地上に降りることを選んだんだ。 (不定期更新)
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#オリジナル小説

ニンゲン 4

ニンゲン 4

意識が朦朧としてた
足元がおぼつかなくて
今にも前の世界に連れ戻されそうな

「それは眠いってやつじゃないかな?」
君があくびをしながらそう言った
僕もそれを見てあくびをした

これは寿命じゃないの?
このまま目を閉じても死なないの?

時間が経てばまた生き返るよ
生理現象ってやつじゃないかな?

「そしてニンゲンは夢を見るんだ」

現実と空想が入り混じった世界
楽しそうじゃない?

何処へ行った

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ニンゲン 3

ニンゲン 3

ニンゲンになりたいと僕が言った時
神さまたちにものすごく反対された

寿命は短いし
他人の考えは読めないし
身体はもろくて
自分を偽るやつばかりだと

それでもなりたいと言うと
集まった神さまたちは
困惑しながらも
僕を地上に降ろしてくれた

もう元には戻れないよと念を押され
妹も一緒にと言う条件で

ニンゲンの世界は
種を残さないといけないらしい
だからペアでニンゲンになった

僕ら兄妹は子供の

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ニンゲン 2

ニンゲン 2

軽い段差でつまづいて
僕の右膝からにじみ出た血に

真っ赤だねと君は言う
綺麗な赤だねと僕は言う

きっとすぐ気付くように
目立つようにこの色にしたんだね

君はペロリと舐めてみせた
どんな味?
たぶんこれがニンゲンの味かな

ちゃんとニンゲンになれたね
でも思っていたよりも痛いね

綺麗だけどもう血は見たくないかな