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【緊急】無断転載、ダメ、ゼッタイ


まえがき

SNSに掲載した画像の無断転載をめぐるトラブルが引き金となり、犠牲者が出てしまった悲しいニュースに心を痛めております。
具体的にどのような画像がどのような形で無断転載されたのかまだ明らかになっていませんが、犠牲者の冥福と容疑者に対するしかるべき処罰、全国の学校でのネチケットやネットリテラシー指導の更なる強化を祈るばかりです。

無断転載は絶対にやめましょう

「みんながやっているから」、「うちのアカウントへのアクセス数やフォロワー数は少ないから、絶対にバレないだろう」。
そんな軽い気持ちで他人のアカウントに掲載されている画像を無断で転載する行為や、不快なコメントを付けて引用転載する行為は言語道断です。 無断転載は絶対にやめましょう。
次の項からは、具体例と無断転載防止策について簡潔に記します。
過去記事
「みんなのネチケット教室」

「安全な引用投稿」

と合わせてお読みください。

具体例(ケーススタディ)

【事例1】素敵な写真

※これは、著名人や企業の公式サイトや公式アカウント上の画像にも言えることです。

A子さんが、B子さんが撮影した観光地での美しい紅葉写真をSNS検索でたまたま見つけた。A子さんとB子さんとは、何の接点もない。
あまりにも美しい写真なので、A子さんは自分のスマートフォンに保存した。

画像はイメージ


◯非公開アカウント含め、A子さんが所持しているSNSやブログのどこにも掲載しなかった。保存した画像を時々眺めるにとどまった。

見てるだけ

◯スマートフォンに保存した画像は使わず、「素敵な写真ですね」のひとこと付けて引用投稿。

◯B子さんに、「素敵な写真ですね。もしよろしければ、私のアカウントに転載させていただいてもよろしいですか?」とのメッセージやリプやコメントを送り、転載の許可が降りた段階で投稿。
投稿には、「著作権者様御本人からの許可をいただいて転載させていただきました」との注釈を付けた。

事前に相談を

△保存した画像や表示中の画像をスクリーンショットして投稿に添付

✕スマートフォンに保存した画像を添付して投稿。  

✕スマートフォンに保存した画像内にA子さんのアカウント名を入れて投稿。

いけません!

✕B子さんの画像内に転載防止の文言やスタンプや投稿者名が含まれている場合は、アプリで消去して投稿。

投稿せずに保存した画像を眺めるだけなら、何も問題など発生しません。
また、画像の著作権者に事前許可を得ての転載は問題ありませんが、お相手(著名人ならば所属事務所)のルールに従い、第三者が見ても不快にならない形で転載しましょう。
しかし、端末(スマートフォン)に保存した他人が著作権を有する画像を、あたかも自分が撮影したかのように投稿に添付する行為は、万引きや窃盗と同じです。
また、画像のスクリーンショットの添付は違法ではありませんが、掲載には細心の注意を払いましょう。

【事例2】予期せぬ形での無断引用転載

Cくんが自分のSNSに掲載した、学園祭でアニメのコスプレをした時の画像。

画像はイメージ

Cくんは通常、SNSでは相互フォロー以外からのメッセージやリプは受け付けていないが、このSNSには引用投稿拒否機能は設けられていない。また、親にはSNSをやっていることは一切話していない。
ある日、見ず知らずの他地方在住のDくんにより、
「キモい。□□(作品名)の世界観ぶち壊し。◯◯(アニメキャラ)や△△先生(原作者)やすべてのファンに謝れ!」
のコメント付きで引用投稿されてしまった。
Dくんの投稿には、Dくんに賛同するリプやいいねが多数ついている。

悲しむCくん


◯SNS運営にDくんを通報してDくんの投稿をミュート(非表示)して、SNSの通知を止める。ミュートは相手にはバレないので安心安全。
Dくんをすぐにはブロックせず、Dくんの投稿をしばらく静観し、Dくんが次のターゲット(新しいおもちゃ(攻撃相手))を見つけたことを確認した段階でブロックした。
平気で他人を攻撃する人間は、相手が相手にしなければ飽きてしまい、すぐに次のターゲットを探し始める傾向が強いです。
それに、あまりにも目に余る投稿は他の誰かが通報してくれる可能性が高いので、安心しましょう。

Dくん

◯学園祭での画像なので、自分の学校の先生に相談。

先生に相談しましょう

◯アカウントを削除し、プロフィール内容やユーザー名を変えて新しいアカウントへ移行し、Dくんをブロック。
容易に見つかりやすいキーワードやハッシュタグを含めないで再度投稿。

◯投稿を削除し、非公開アカウントを作るか投稿ごとに公開範囲が設定できる別のSNSに投稿するなどして、親しい友達にのみ公開。

◯投稿を削除するだけ。Dくんの通報はしない。

△一旦投稿を削除し、DくんをSNS運営に通報してブロックし、再度投稿。

△投稿は削除せず、DくんをSNS運営に通報してブロック。

△Dくんの過去投稿から個人情報を割り出し、Dくんの所在地を管轄する警察やDくんの在籍校に情報提供。

✕Dくんにメッセージやリプを送ったり、Dくんの問題の投稿に攻撃的なコメントを添えて引用。

✕Dくんをブロックし、Dくんのプロフィールのスクリーンショットを添付して投稿し、SNS運営に通報するように呼びかけ。

一番良いのは、SNS運営への通報だけして、攻撃主を絶対に相手にしないことです。
ブロックやアカウントに鍵をかけることは自分自身の身を守るための最善策ですが、すぐにブロックや鍵かけした場合は相手にばれてしまい、「ブロックや鍵かけして汚いぞ!」などと逆恨みされる危険性をはらんでいます。
ブロックに関しては、相手のタイミングを見計らって行ないましょう。
相手の関係先に連絡するのはおすすめできませんが、身の危険を感じたり、投稿内容が生命の尊厳を脅す内容ならば、相手の居住地を管轄する警察のほうに連絡しても問題はありません。
ただし、相手の所属先への連絡については、極力避けることが望ましいです。
相手にメッセージやリプしたり、相手をSNS上で誹謗中傷するのは絶対にやめましょう!

また、誹謗中傷には該当しない、ほんの些細なからかいを受けた著名人が相手をブロックしたり、相手の投稿を引用して陰口コメントを入れたり、相手のプロフィールやスクリーンショットを公開しているケースが見受けられます。
しかし、相手の名前を隠してスクリーンショットを公開したとしても、かえって相手を逆上させてしまいます(実際、ブロックされたことへの逆恨みによる、著名人に対する殺人未遂事件があった)。軽微なからかいは、ミュートにすることが望ましいです。
生命や人権の尊厳を脅かす極めて悪質な誹謗中傷を受けた場合にこそブロックして、SNS運営ではなく警察や弁護士に相談しましょう。

【事例3】人気スポットでの撮影

人気男性アイドルグループE初のアリーナコンサートにて撮影した画像。
先輩グループのバックで踊っていた子役時代からメンバーFくんを長年推しているG子さん。
コンサート初日に、コンサートタイトルが掲示された会場正門を撮影して、周囲に人が写り込んでいない画像を選んで投稿。

コンサート当日の会場

SNS上には、同じアングルや同じ高さで撮影した、同様の画像が複数のファンによって多数投稿されていた。
ところが、同じグループのHくんのファンであるI子さんから「画像を無断転載したでしょ?」とあらぬ言いがかりをつけられる。
I子さんのフォロワー数は少なく、アイコンやヘッダーや投稿には他のユーザーが撮影した画像(画像内にユーザー名が入っているものも含む)やEの公式画像の無断転載を用いていて、過去の投稿には所属事務所の経営陣や女性共演者や他のユーザーに対する誹謗中傷やデマなど攻撃的な内容が多い。
I子さんのSNSにはコンサート当日に会場へ参戦した旨の記述があるが、会場写真以外の投稿(MCへの言及や動画撮影可能曲での動画)がないため、本当に参戦したのか疑わしい。
I子さんが撮影したとされる画像を見たが、同じアングルや同じ高さで撮影された画像なので、無断転載を疑われても仕方がないレベル。

◯SNS運営にI子さんを通報してI子さんの投稿をミュート(非表示)して、SNSの通知を止める。

◯撮影した画像の詳細情報(撮影に使用したカメラやスマートフォンなどの情報)のスクリーンショットをI子さんへのメッセージや引用投稿やリプに添付して送信し、転載でないことを証明。
画像の詳細情報(Exif情報)の見つけ方は、お手持ちのスマートフォンやパソコンやアプリのマニュアル、ネット検索で確認しましょう。

△「転載していません」との新規投稿、I子さんへのメッセージやリプの送信、攻撃的な言葉を用いての、I子さんからの言いがかり投稿の引用投稿。

✕一旦投稿を削除し、画像にスタンプやユーザー名を入れて再投稿。

確実に転載ではない証拠を相手に証明する方法しか、最善策はありません。
無用なトラブルに巻き込まれないためにも、似たような画像や動画の投稿が多数予想される、人気観光スポットやコンサートやライブやフェスやスポーツイベントで撮影した画像内には、撮影者の名前やスタンプ、無断転載を禁止する文言を入れることを強くおすすめします。

【事例4】個人情報保護法施行はるか前のケース

・筆者は中学時代、入試説明会用に制作されたPR動画を視聴覚室で見たが、授業中のクラスの全員の顔がバッチリ映されていて、筆者に至っては水泳の授業シーンでの姿が「泳げない子も一生懸命頑張っています」とのナレーション付きでアップで紹介された。
授業中のクラスにカメラクルーが入ったことはあったが、水泳授業当日にカメラが入ることについては事前に知らされず、クラス中の誰もが知らないうちに水着姿を無断で撮影されていたことになる。

授業中の様子

筆者はクラスの笑い元になったが、当時は「目立ってナンボ」の世の中だったので、特に違和感など感じなかった。
親にもそのことを伝えたが、「あら、良かったじゃない」と祝福されただけ。
先生からは、保護者への動画掲載への同意書の記入の呼びかけや異議申し出の受け付けなどの話は全くなかった。

・2000年代初頭、テレビの音楽番組で告知された、当時人気絶頂だった音楽ユニットのシークレットライブへの無料招待に応募。

画像はイメージ

応募用のフォームには、客の顔の映像への写り込みについての注意事項や映像商品制作の為の撮影会(俗に言う番組協力)である旨は一切記載されていないので、安心して応募。 
しかし、激戦の末に当選し、届いたチケットにやたらと厳しいドレスコードが記されていたので、疑わしく感じた。
ところが、当日会場に着いて初めて、ライブは映像商品(DVDやビデオ)制作の為の撮影会であることが発覚。
完成した映像商品には、筆者(というか客全員)の顔がバッチリ映っていた。

画像はイメージ

これらのケースは、個人情報保護法が施行された現在では、まずあり得ない現象です。
全国の企業や教育機関は、顧客や生徒のプライバシーの保護、被写体本人や保護者の意向に沿った映像や画像の取り扱いを心がけていただきたいですね。

【事例5】自分が他人の画像に写り込んでいた場合

大手ニュースサイトに掲載されているゴールデンウィークで賑わう観光地の模様のニュースの画像に、自分がモザイクなしでハッキリと写りこんでいた

◯特に何もしない

✕ニュース配信社に連絡し、別の画像に差し替えてもらうように伝える。

ニュースサイトに掲載されているニュースは数日間で削除されるので、そのままにしておくのが望ましいです。

こんな場合は

もしも、無断転載が相手にバレてしまった場合は、 

◯素直に謝罪し、無断転載投稿を削除する

ちゃんと謝れば相手は許してくれます

✕保護者や所属先や警察や弁護士を通さず、直接の面会や金品の送付で解決を図る

✕謝罪せずに相手をブロック

✕アカウントを削除して、相手への謝罪をしない

謝罪しても相手が受け入れてくれない場合や、金品や直接の面会などの要求があった場合は、すぐに警察に110番通報しましょう。

警察は住民を全力で守ってくれます

無断転載を防ぐには

・誰に見られても恥ずかしくない画像や動画を撮影、投稿。

・第三者に容易に見つかりやすいキーワードやハッシュタグを投稿しない。

・極めてプライベートな画像は、予備用の非公開アカウントやFacebookやミクシィなどの「投稿ごとに公開範囲を設定できるSNS」に投稿しましょう。
予備用の非公開アカウントを作り、全体公開したくない投稿を友達や親しいフォロワーさんにのみ公開することも大切です。

・知らない人間からのアカウントのフォローを拒否する。

・リプやメッセージは相互フォローさんからの物のみ受信するか、誰からも受け付けない設定にすること。  

・アカウントを非公開にする。 
(直接の面識あるひとからのみフォローを受け付ける)

・投稿や画像や動画には、個人情報が容易に特定されやすい情報を絶対に含めないこと。

背後の掲示板は、プライバシーの渦ですね

・人気観光スポットやライブ・コンサート・フェス・スポーツイベントなど、不特定多数が集結する場所での撮影時には、他人が写り込まないように気をつけること。

・SNS掲載時には、写り込んだ他人の身体全体に加工をかけるか、Googleピクセルなどのアプリで消去すること。

元画像
消去した例
加工をかけた例

また、他のユーザーによる同様の画像と区別するためにも、画像内にユーザー名やスタンプ、「禁無断転載」との文字を挿入することを強くおすすめします。

自分のユーザー名を入力した例
スタンプを入れた例
無断転載防止を強く呼びかけた例
  • 各企業や団体は、コンサートやイベントやフェスのチケット発売時や参加者募集時には、
    ・お客や参加者の顔が画像や動画に写ること
    ・SNSや公式サイトや関連番組への画像や動画の掲載
    ・カメラが入ることや撮影日時の予告
    ・会場内で撮影した画像や動画をPR用や営利目的に使用すること

これらについてあらかじめ周知すること。
これにより、個別の事情があるなど、画像や動画への写り込みが苦手な方は応募を避けたり、撮影日には欠席する選択肢をとります。

あとがき

いまや、インターネットやSNSは、スキマ時間の息抜きツールとして重宝しています。
しかしながら、安易な気持ちで一歩間違った使い方をすれば、無用なトラブルに巻き込まれたり、開示請求や刑事告訴されたり、最悪、居場所や命を失ってしまう危険性をはらんでいます。
インターネットやSNSはお互いの顔が見えないコミュニケーションツールですが、実社会同様にルールを守って使わなければなりません。
全国の学校でのネチケットやネットリテラシー指導の更なる強化をお願いしたいです。
お互いにルールを守って、快適にインターネットやSNSを使用してゆきましょう。

【お願い】 いつもサポートいただき、誠にありがとうございます。 皆様からのサポートを心よりお待ち申し上げております。 サポートしたことはnoteには一切公開されませんので、ご安心ください。 よろしくお願い申し上げます。