ハシヅメチナツ

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会社員。映画・舞台・ドラマ・小説(ときどき漫画)・音楽を中心としたカルチャーオタクがコツコツ感想と思いを書くnoteです。アカウント、クリエイターページ(ヘッダー)、マガジン(ヘッダー)の画像は自分で撮影したもの📷

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映画『三度目の殺人』に真犯人考察は必要か?

公開中の映画『ベイビー・ブローカー』が話題となっている是枝裕和監督のオリジナル脚本映画に、2017年に公開された『三度目の殺人』があります。 個人的に是枝監督作品がとても好きなので、新作公開を機に改めてこの作品について振り返っていたのですが、レビューサイトで「真犯人がわからずモヤモヤする」という意見が複数上がっているのを目にしました。 調べてみると、さまざまな角度から真犯人を考察し(時に深読みし)ているブログもいくつか検索上位に上がってきたので、同じように感じている人は少

    • 映画『怪物』が描いていたもの

      おそらくこの映画を観たほとんどの人がそうであったように、怪物が一体誰なのかを探す気持ちで見始めた。 きっとどこかに、いやおそらく誰しもが心に怪物を飼っていて、他人から見れば私も怪物の振る舞いをしている。そういう映画なのだろうと思い込んだ。内容の詳細がほとんど明かされない告知映像にまんまと惑わされた。 とある郊外の街で起こった、小学生の子ども同士の喧嘩。子どもにありがちな些細な喧嘩が、やがて大人も巻き込んだ大きな騒動になっていくという物語。教師の信頼性、いじめの噂、子どもの

      • 心の中にずっと在る人 | 『汝、星のごとく』

        ふらりと寄った本屋で久しぶりにハードカバーの本を買った。本はどんどん部屋のスペースを食っていくので、できるだけ単行本を買うことにしているけど、装丁が綺麗な色をしていて惹かれたことと本屋のコーナーにかかっていたイラスト付きのポップが可愛らしいことが背中を押して、お会計。 いい思い出ばかりじゃないはずなのに「忘れられない人」の存在がとっても愛おしい、そんな一冊でした。 主人公は二人の男女で、彼らが瀬戸内の小さい島に暮らす高校生だった頃から物語がスタート。そこから30代に至るま

        • ホーチミンの正直すぎるマッサージ師

          ベトナム・ホーチミンに住んでいたときの話。 ホーチミンはとにかくマッサージが安い!よく利用していたお店の2名×2時間6,000円ですら観光地価格で少し高いくらい。 仕事で死ぬほど疲れて(精神的に)、マッサージに行った時のこと。女性の店員さんが片言の英語で話しかけてくれた。私の腕をマッサージしながら、 店員さん「Oh, tired, tired(疲れている、疲れている)」 私「(あ〜、昨日深夜まで荷物を運んでいたからかな。腕に疲れが溜まっているのかな)」 店員さん、さ

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          閉ざされた村社会と負の連鎖 映画『ヴィレッジ』

          久しぶりにムビチケを購入してまで楽しみにしていた映画『ヴィレッジ』。都会の大きい映画館で公開から日も浅いのに1日1本に絞られていたのは、この重苦しいストーリーが万人受けするものではないという判断なのかな……。 藤井道人監督の作品は、いつも切り取られる画がとても綺麗だと思う。今作も違わず、くっきりしたコントラストと影の濃い黒色で、作中で印象的に描かれるゴミ山さえも美しいものに見える。 閉ざされた村を舞台に、親子ともに村八分にあい希望のない日々を過ごす横浜流星演じる優は、黒木

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          映画『BABYLON』はゴージャスで狂気的で、すべての映画好きのための作品だった!

          10年で7回も引越しをしているので、さすがに引越し慣れしたつもりでいたけど、コロナ禍直後の海外からの帰国は手続きも多かった。そんなこんなで映画を観る時間もしばらく取れていなかったけど、久しぶりのTOHOシネマズで鑑賞した1本目、「バビロン」がとても良かった! 『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の最新作ということで公開当初から話題にはなっていたらしいけど、私は『ラ・ラ・ランド』も未鑑賞だしそもそも圧倒的邦画派だしということでそれほど期待もせず、人に誘われるままに映画

          映画『BABYLON』はゴージャスで狂気的で、すべての映画好きのための作品だった!

          安住紳一郎アナが好きすぎる件

          安住紳一郎の日曜天国を金曜に聴きながら今日も腹抱えて笑っています。 私は昔からアナウンサーは安住さん一筋。もう10年以上も安住さん推し。 何が良いって、その捻くれている性格。ラジオになると余計にエンジンがかかって次々毒付くその難ありの素敵な姿勢。最高。 テレビではいつもアナウンサーとして丁寧に正しい日本語で言葉を発する傍ら、ラジオでふと荒っぽい言葉遣いをしてしまうところ。最高。 安住さん、リスナーに対するその捻くれまくったツッコミが今日も私を笑顔にしています… 学生

          安住紳一郎アナが好きすぎる件

          2022年楽しんだコンテンツたち

          大晦日なので、今年観た・読んだ・聴いたものを慌てて振り返る。もうすぐ年が明けてしまう、あたふた。 私が今年鑑賞したものという基準のため、2022年公開でないものも含みます。 映画前科者 岸善幸監督。試写会で鑑賞。森田剛の演技がすごくて、もらい号泣した。 コンフィデンスマンJP 英雄編 ジェシーとスタアが出てきて嬉しかった。 約束のネバーランド カズオ・イシグロの「私を離さないで」を思い出した。 誰も知らない 柳楽優弥が史上最年少かつ日本人で初めてカンヌ国際映

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          ずいぶん頼りない、けれど間違いなく希望-ドラマ『エルピスー希望、あるいは災い-』

          カンテレ放送のドラマ『エルピスー希望、あるいは災いー』が最終回を迎えた。冤罪と報道を題材にした作品ということで、関連ワードを聞いただけでもヒリヒリした気持ちになり、放送前から期待値が相当に高かったのだけれど、全話視聴してからの感想は、「期待以上!よいドラマ」だった。 題材の厚み、登場人物それぞれの役割の緻密さ、映像の美しさ、俳優陣の演技、エンディングのしかけ……。すべてに無駄がなかった。社会のタブーに触れている緊張感と真っ暗な現実を目の前にした絶望感で、どちらかというと災い

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          久しぶりにきゅんとする漫画に出会った話|ゆびさきと恋々

          ふと「最近、漫画を読んでないなあ」と思い、週末2日間をかけて作品漁りをしたところ、本当に久しぶりにきゅんとする漫画に出会ってしまいました。 それが、森下suuの『ゆびさきと恋々』。 作者さんのTwittrで、作品の一部(序章)が公開されていたので、読んだことがない人は是非このツイートをご覧ください。これだけでも作品の魅力が伝わるはずです。 ネームのマキロさんと作画のなりやんさんの二人組ユニット・森下suu。過去作も素敵ですが、現在「デザート」(講談社)で連載中の作品がこ

          久しぶりにきゅんとする漫画に出会った話|ゆびさきと恋々

          ドラマ『石子と羽男』 | 弱さを認めてもらえないツラさと呪縛からの解放

          TBS系の連続ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』が最終回を迎えた。今クールで最も好きなドラマだったかもしれない。 この製作チームのドラマはいつも楽しみにして、ただのファン。本当に「そんなコトで訴えます?」と言ってしまいそうになる日常の小さなトラブルを発端にしながら、その奥に現代日本の問題を隠すストーリーに考えさせられる。いじめ、待機児童、虐待、著作権侵害…。 とても身近であり、かつ、誰もが(ドラマのイメージアイテムにもなっている)傘を必要としているのだと改めて

          ドラマ『石子と羽男』 | 弱さを認めてもらえないツラさと呪縛からの解放

          不器用な生きざまが居た堪れない | 映画『泣く子はいねぇが』

          時々、「これだから邦画が好きなんだ!」と叫びたくなる作品に出会うことがあります。 映画『泣く子はいねぇが』もそのひとつ。これぞ、邦画の真骨頂。そして、俳優・仲野太賀の真骨頂。 過ちを犯し、妻子を置いて現実から逃げてしまった主人公・たすく(仲野太賀)が、地元秋田に戻り、過去の自分と向き合いながら少しずつ大人へと、そして父親へと成長する物語です。 秋田県・男鹿半島の伝統文化「ナマハゲ」を通じて、たすくの人生の転換が描かれていきます。 あまりにも不器用な主人公・たすく こ

          不器用な生きざまが居た堪れない | 映画『泣く子はいねぇが』

          仲野太賀が涙腺を攻撃してくる | ドラマ『初恋の悪魔』

          仲野太賀に1週間泣かされ続けました。涙で彼に勝る人がいるんでしょうか。 ドラマ『初恋の悪魔』第7話。悠日(仲野太賀)恋人の星砂(松岡茉優)の人格が姿を消し、星砂の形をした星砂ではない別人。 大切な星砂は戻ってこないかもしれない。悲しいかな自分を警戒し、友人である鈴之介(林遣都)に懐く恋人の姿。それだけでも充分つらいのに、星砂の姿をした彼女は悠日の兄への恨みを隠そうとしない。 恋人と同じ仕草で欠伸をした『摘木星砂さん』に思わず詰め寄る悠日の表情があまりにも切羽詰まっていて

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          『ここは今から倫理です。』が円盤化すると聞いて光の速さで予約してきた

          NHKのよるドラ『ここは今から倫理です。』がついに円盤化するというものすごく嬉しい情報を耳にして、さっそく予約注文しました。 う、う、嬉しい。。。まさに待望。 NHKスクエアの公式Twitterで定期的に開催される番組アンケートにコツコツ回答、「#NHKスクエアさん円盤化求む」タグで嘆願し続けて早1年。このドラマを何度も噛みしめたくてNHKオンデマンドに入会したのにいつの間か配信停止されてしまい、もう観ることは叶わないのかと嘆き悲しんでいましたが、ここに来てこんなに嬉しい

          『ここは今から倫理です。』が円盤化すると聞いて光の速さで予約してきた

          佐々木はまるで置いていかれた子供みたいだ | 映画『佐々木、イン、マイマイン』

          内山拓也監督の作品『佐々木、イン、マイマイン』という、なんとも切ない青春映画を観ました。 本編を見た方は共感してもらえると思いますが、鑑賞後にこのポスターを見ると、もう切なくて寂しくて。 昔、身近にいたであろう自分にとっての「佐々木」の存在に、私は気付いてあげられていただろうか。そんな切ない気持ちになりました。 佐々木は「ヒーロー」ではなく、とても孤独な寂しい子どもだったように思います。 みんなの記憶にいる「佐々木」佐々木(細川岳)は石井(藤原季節)の高校時代の同級生

          佐々木はまるで置いていかれた子供みたいだ | 映画『佐々木、イン、マイマイン』

          自己紹介

          はじめまして。ハシヅメチナツです。本名ではありません。 「10記事書いたらプロフィールを書こう!」と思っていましたが、クリエイターページを訪問してくださっている人も増えてきたようなので、急いで自己紹介しなくては・・・!と焦っています。笑 このnoteについて このnoteは、私が大好きなカルチャー(映画、舞台、小説、音楽、ラジオetc…)について、紹介したり、感じたことをシェアするnoteです。 まれに、自分の身に起こった出来事や昔の思い出をつらつらと綴ることもありま