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地域の場づくりラボ活動報告会2021【後編】

地域の場づくりラボ今年度最後の活動となる第7回は「地域の場づくりラボ活動報告会 〜これまでを振り返りこれからを考える〜」というテーマで、ラボメンバーや参加者の方々とざっくばらんにお話する、オンラインイベントを開催しました!

イベント記事の後編になります!前編の記事はこちら!

イベント概要

過去2年の活動を振り返り、当時のエピソードなども絡めて、活動を通して得たものや今後の活動に活かしていきたいことを話し合い、それらを踏まえてこれからどのような活動にしていくか、どんなことをしていったら良いのかを話し合いました!

前編では活動についての振り返りとその成果について参加者と話し合いました!ここからはその続きを書いていきます!

「思考」を振り返る

前年度(2020年度)で決めた"やりがい"における定義や、計画した今年度の活動内容について、実際に活動してみてどうだったか、考えは変わったかという観点で話し合いました。

定義について

2年前に「若者の地域におけるやりがい」を
自分の満足感(成長や楽しさ)と他者の満足感(共感や評価)を得られることと定義しましたが、実際はどうだったのかを参加者とお話しました。

佐藤「個人的には2年間この事業に携わってきて、地域の場づくりラボを運営する側としては楽しい事やれましたし、企画したイベントや情報発信が他者に良い評価をいただく事もあり、やりがいを感じました。」

村岡「自分は満足したけれど、他者の共感評価に繋がらない事はよくある事かもしれませんが、逆のパターンってあるのかなぁ。(自分は成長や楽しさを感じないけれど、他者の満足感につながる事)」

服部「実証活動をした時に行政主体の活動はハードルが高いと感じました。決められている枠が強すぎて、やりたい事と離れていく感じがする。(服部さんの実証活動はこちら

自信の満足感よりも、”こなさなきゃ”という感じになってしまったり、他者に満足してもらえたというより、無理矢理満足させようという方向に持っていかなければいけないような感じになってしまいました。

お試しでやってみてくださいという話だったからやってみたけど、果たしてそれがやりたかった事なのかというと疑問が出る部分がありました。」

村岡「2年前にも話題になりましたね。やらされ仕事というか、やりがい搾取みたいな。」

服部「機会をいただき、それに向かっていく中で楽しい部分もありましたが、多くの人へ楽しさの共有は出来ませんでした。

もっと”色んな人にきてください!”と言えるようなイベントには出来なかった事が残念です。
コロナ禍という事もあり、思い描いた通りには行きませんでした。

来てもらった人には楽しんでもらえましたが、それが他の人に波及するような影響力は無く、小さなコミュニティで楽しんで終わりでした。」

村岡「お試しのお試しという事で、かなり限定的な内容になってしまいましたね。時間の制約もあり、ここらで落とし所を作りましょうか、みたいな。

"第2回 やってみたいこと、やっていることを語ろう!【実証】"でお話いただいた内容と乖離してしまう部分もありましたね。

どういうサポートがあればやりやすかったと思いますか?
何にも縛られず自分でやるっていうのが良いのかもしれませんが・・・笑」

服部「普段はそっちのタイプなので、私は、細かい打ち合わせや外部の人にちゃんと伝えるという手順を踏む事に不慣れなんだなぁと思いました。

回数をこなすと色んな道筋を立てることが出来るようになるのかもしれませんが、それは個人的にやりたい事というよりは事業としてやるような手間と労力や時間が必要で、ボランティアや遊びみたいなレベルとは逸脱してまいます。」

佐藤「企画書作成段階では、お仕事が終わった後に遅い時間まで打ち合わせに来てくださったり、連絡を取り合ったり、お忙しい中ご対応いただきありがとうございました。大変だったと思います。」

村岡「やりたい事をヒアリングして引き出して、こちらが企画を広げていく、というやり方もあったかもしれませんね。」

佐藤「私が間に入って色々やっていたのですが、その中で意識していたのは東通村のtsumuguさんが仰っていた”翻訳家になる”という言葉です。県民局さんと服部さんの間に入って、どう伝えるか、どう納得してもらうかという翻訳家。そこが落とし所を作る、という事になるわけですが、うまくいってなかったかもしれませんね・・・笑」

村岡「やってみて見えるものもあると思います。」

佐藤「とてもいい経験が出来ました。」

渡部「実証活動では
"1.行動を起こす人・チャレンジする人を増やす"
"3.行動を起こしたい・仲間が欲しい人が気軽に相談できる環境をつくる"
の関係が重要だと思いました。

服部さんの話だとマッチングがうまくいってなかったのかもな、と。
冨田さんの実証活動では、そこがうまくいったんじゃないかと思います。
飲食をやりたい人に場所の提供が出来る、という所が。

"3.行動を起こしたい・仲間が欲しい人が気軽に相談できる環境をつくる"

という時に、例えば、地域の場づくりラボに参加しているメンバーは、こういう人がいて、こういう事で支援が出来ますよという事をオープンにする事でチャレンジしたい人が、相談する人を選べる、みたいな事が出来れば良いと思います。」

村岡「地域の場づくりラボにどういう人がいるのか分からないという入りづらさ、参入障壁があると思うので、それを取り除くことにも繋がりそうですね。」

赤石「今回、私の実証活動では、ある程度計画があったのでスムーズにいった部分もあったと思います。(赤石さんの実証活動はこちら
やる前の、なぜやるのかという部分を固める作業がとても重要だと思います。
”1.行動を起こす人・チャレンジする人を増やす"という事に必要なのは、チャレンジをする人の「どうチャレンジしたら良いのかが分からない」のサポートだと思いました。

私の実証活動に来ていただいた方に、この春から農業をやりたいので相談をしたいという方がいたり、コンポスト(家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させて肥料にする事)をやってみたいと以前から思っていたので話を聞きたいという方もいらっしゃいました。相談出来るキッカケ作りが大事なんじゃないかと思いました。」

佐藤「背景とか思い、そこに至るまでのストーリーは大事ですね。
今回は企画書を作る時に、いきなり作ってと言っても難しいと思うので、ある程度テンプレートをご用意しました。
そこで情報の整理をしつつ、思いとか、大事にしている事を入れられるようにしました。」

赤石「思いの部分を出したのがとても良かったと思います。そこに人が引っ張られてくるというか。」

佐藤「second.に相談にいらっしゃる方で、これから何か始めるという時に事業計画を作るのが大変という方がいます。こちらから提案とか、聞き出し、引き出し、が出来ると良いのかもしれませんね。」

村岡「やりたい人は、やりたい気持ちだけが先行していて、他者から見ればなんでやりたいのかが分からない。説明や伝える事が出来る必要があります。そこが知りたい所なので。

今回の企画書では、その辺に触れる事で他の人が分かるように、という視点で企画書のテンプレートを作りました。

”やりたいんです”という人に”なんで?”と聞くと、本当はやりたくないかもという答えにたどり着く事もあります。

思考の壁打ち相手が必要だったり、頭の中で考えている事を外に出す事が重要だと思っています。」

佐藤「言語化ですね。言語化出来ていると、説明しやすいですからね。私はsecond.を始めるときに村岡さんに壁打ち相手をしていただきながら半年位くらいかけて事業計画を作りました。」

村岡「実証活動の時に、メディアの方に皆さんを紹介する時にブレちゃいけないなと思っています。皆さん言語化出来ていたので伝えやすかったです。

頭の中では理解しているけれど、人に伝える時にブレたり抜けたりする事があれば勿体ないので、ここを見てくれれば分かりますよ、という物があるのは人に伝えやすくて良いですね。」

計画について

2年前に存在した課題感を回収するために立てたのが今年度(2021年度)の計画です。実際にやってみて、良かった事・悪かった事、より良い計画にするための意見を紹介します。

活動している人と直接関わる・直接話す機会が必要という意見から、学びの機会を計画した事について

  • 学びの機会は、チャレンジするための知識や手段を知るために必要だった

  • 県内視察として行ったtsumuguさん。地域活動を事業にするお手本を実際に見に行く事が出来て、規模感を知れて良かったし、違う地域で地域課題に取り組んでいる人の話を聞くことで視野を広げる事が出来た。それが縁で違う事業でご一緒するという繋がりも作る事が出来た。

  • お金・手段・発信・継続、幅広い事をバランス良く勉強できた一方、勉強した事で、若者が地域の活動にチャレンジする事はハードルが高いという事が分かった。

  • 継続した結果が今に繋がっていたり、別の事で得たキッカケが今に繋がって、結果的に地域活動をしている、という印象がある。最初から地域活動をすると決めて活動をするのはハードルが高いと感じた。似た話で、若い人と地域活動をするために地元の大学へアクションを起こしたが良い返事はいただけなかった。最初から「地域活動をするぞ!」という強いアピールは逆効果になる事があった。人の考え方を変える事は難しいので、継続が大事だと思う。

  • アナウンサー研修的な、頭の中で考えている事を上手に伝える術を学ぶ機会が欲しかった。(アウトプットする機会)

  • 言葉よりも思いばかりが前に出てうまく伝わらないという事があるので、文章にする時にも、きちんと伝わるのか心配になる事がある。対話の場合は、その時のコンディションや時間の制限に左右される事がある。

  • 情報の劣化、ブレの無い状態でコンテンツに残す事が必要だと感じる。それを言葉に出来る必要がある。

  • 新しい事をやる時に、内容を説明するのが難しい。

  • やりたい思いが先行して考えがうまくまとまっていない事があるので、あなたがやりたい事を聞きたいです会、ヒアリングする会があれば、言語化に役立つと思う。

  • メディアの取材を受ける時に、記者が自分の思いをまとめてくれるので言語化しやすくなる。インタビューを受ける、という機会があると良い。

  • やりたい事のある人は、すでに活動を始めている人が多い。そういう人達が集まっているのがここなので、やりたい事のある人を集めることが難しいと感じる。モヤモヤはあっても、その状況に慣れてしまっている人が多い中、そういう人に無理矢理やりたい事を聞き出すのは難しいと思う。

SNSやメディア等での情報発信・アーカイブ

Facebookでグループを作成して情報発信および、noteを活用したアーカイブを実施した。

  • ネット上での情報発信は届く人の範囲が限定されているかもしれない。

  • 十和田市では紙媒体での発信がメインな印象

  • Facebookのアカウントを持っていないとグループに入れないし、若者のFacebook離れが進んでいる。

  • 不特定多数への発信はTwitterがベストかもしれない

  • noteはアカウントを持っていなくても閲覧出来るので良い

  • 発信は継続して実を結ぶもの

今後の取り組み

継続すべきことは?
地域の場づくりラボの活動は、継続していく事もひとつの目的です。今後は上北地域県民局さんの補助なく、自走していく事になります。どのように活動を継続していくのか、継続していけるのかを参加者の皆さんとお話しました。

学びの機会の継続
【講師をお招きしてお話をお伺いする事は難しくなりそうですが、学びの機会は継続していきたいと考えています。】

聞ける語れる場の継続
LT会(Lightning Talkの略。短いプレゼン)は継続して開催していきたいと考えています。

活動や思いのアーカイブ・情報発信の継続
記録に残す事は大事であり、価値のあるものだと思っています。アーカイブ・情報発信は継続し、この活動を知る人が増える事で、新しい出会いや新しい活動、関わりのキッカケに繋がると考えています。

青森県上北地域県民局さんより一言

コロナ禍という事もあり、人を繋いで新しいチャレンジをするという事に非常にブレーキのかかる2年間だったと思います。

その中でも、メンバーとして活動していただいた皆さん、実証活動にご協力いただいたお三方、ビーコーズさん、本当にありがとうございました。

上北地域県民局としてではなく、モヤモヤしている若者としてお話をさせていただきます。

私の出身地近くにある、青森県立田名部高校の女子生徒が英会話塾の開講に向けてクラウドファンディングに挑戦中です。

(2022/02/27 目標金額500,000円を大幅に超える1,483,800円の資金を集める事に成功)

今まで、東通村周辺にそういう土壌があったわけではなく「こういう事が出来るんだ」と、ニュースを見て驚きました。

先日帰省した際に、祖父との会話にその話題が出た事にも驚きました。今まで地域活動に興味を持っていなかった人でも、一人の女子高生の活動をキッカケに地域活動に興味を持ち、多くの住民の意識を変えるのだと思いました。

地域の場づくりラボの活動が広まっていく中で、その活動を見ている地域の人の意識も変わっていくのだろうと思いました。

上北地域県民局としては離れますが、一個人として、皆さんの活動を応援していけたらと思います。2年間本当にありがとうございました。

以上、地域の場づくりラボ活動報告会でした!

青森県上北地域県民局さんとの共同事業としてはここまでとなりますが、このイベントで話し合った内容を基に、このラボのメンバーで継続していきます!そして、この地を起点に様々な活動や挑戦が増えていくきっかけになれたらと思います!


グループについて詳しく知りたい方は...

こちらの記事に結成の経緯やグループのことについて記載していますので、是非ご覧下さい!

Facebookグループはこちらから!(イベント告知はこちらでしています)→https://www.facebook.com/groups/tiikino.badukuri.lab



編集
(株)ビーコーズ|佐藤 佑志(さとう ゆうし)
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ライター
冨田食品工房|冨田 哲也(とみた てつや)
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