"Price is what you pay, Value is what you get"で考える再販価格・リセールバリュー、再販を意識したZ世代の買い物行動に注目。価値は循環します。
日経の記事で価格について面白いものがありました。
経済指標に反映されない中古市場・再販市場の活性化を背景に、値段に意味を見出すのではなく、製品・サービスの価値の値付けに意味を見出す人たちが増えています。
Z世代の買い物行動にも注目した記事ですが、気になる変化があります。
記事はこちらから:
増える個人の「売り方」の選択肢
記事からのテイクアウトをまとめます。
インターネットはショッピングの選択肢を増やしましたが、同時にリセールの機会を可視化したとも言えます。
再販市場においてモノを売り買いしているということを超えて価値の流通市場ができていると認識しています。
1. 新しい消費の波:Z世代の台頭
東京都渋谷区にコメ兵が開いた新店舗は、Z世代の来店比率が高く、出足の来店客数は想定の2倍に。
Z世代の消費者は価格の安さだけでなく、再販価値(リセールバリュー)を重視する購買行動を示している。
2. 変わる消費者意識:価格から価値へ
コメ兵の調査では、全世代で価格を重視する回答は減少し、特にZ世代はリセールバリューを意識している。
物価の上昇とともに、コストパフォーマンスの認識が安さから将来価値へとシフトしている。
3. 経済効果:中古市場の拡大と影響
国内リユース市場は2022年に2.9兆円と10年で倍増し、2030年には4兆円に伸びる見通し。
中古品の売却益が新品購入を後押しする経済効果が明らかに。Z世代の63%がフリマアプリを利用し、売ったお金で欲しいものを購入。
4. 再販価値の重視:商品選択における新基準
再販時の価格が10%上昇すると、消費者が新品に支払える価格が上昇する。
物価高の影響で中古品が見直され、値崩れしない商品は新品時に高く値付けされる傾向に。
5. 企業戦略の変化:再販価値を前提としたサービス
アパレル通販のZOZOやメルカリは、再販価値を前提にした新しいサービスを展開。
企業は再販価値の高い商品を開発する動機づけとなり、高品質なものづくりに取り組む。
6. サーキュラーエコノミーと消費者行動:価値に基づく経済の変革
サーキュラーエコノミーの推進とリセール消費の活性化が、消費者に価値を見極める能力を求める。
企業と消費者が「価値」を基軸に行動することで、日本経済に新たな変化をもたらしている。
結論:自分らしい選択と価値をつなぐ→バトンタッチする行為に注目
サーキュラーエコノミーの観点を超えて、Z世代を中心に見られる購買行動は、「自分らしい選択」に焦点を当てている。
価値が落ちない商品への注目は、持続可能な消費だけでなく、個人の満足と経済的合理性を兼ね備えた賢い選択を示している。
将来の価値を見極める力は、個人のライフスタイルや経済状況に合わせた賢明な消費へと導く。この動向は、消費者が自分らしい選択をすることで、より豊かな社会を構築していく可能性を秘めている。
企業のチャンスはどこにある?
値段の観点以上に、自分らしい選択によって享受した価値を同じ意味を見出してくれる人に手渡したいという気持ちがビジネスなっていること注目したいと思います。
今日の消費者、特に自分にとって製品・サービスがもたらす意味を重視するZ世代にとって、単に価格が安いことは価値そのものではないようです。
消費者が享受する便益や消費に込める意味に真の価値があります。
この観点から企業は、以下の点に注力すべきです。
価値の再定義: 企業は、製品やサービスが消費者のライフスタイルや価値観にどのように貢献するかを考慮し、価値を再定義する必要があります。消費者の求める「価値」を深く理解し、それを製品やサービスの設計に反映させることが重要です。
便益と意味の創造: 企業は、単に物理的な商品を提供するだけでなく、消費者にとっての意味や体験の価値を高めることに力を注ぐべきです。これには、サステナビリティ、社会的責任、個性の表現など、消費者が価値を見出す多様な要素が含まれます。
価格設定の革新: 価値に適切な価格を設定することは、企業にとってより重要になっています。消費者がその価値を認識し、納得できる価格設定が必要です。リセールバリューを含め、長期的な価値を考慮した価格戦略を検討することが求められます。
サーキュラーエコノミーへの貢献: 企業は、リセール市場を含めたサーキュラーエコノミーへの貢献を通じて、消費者が価値を見極める力を支援するべきです。これには、耐久性があり、時間とともに価値が減少しない高品質な商品の開発や、中古品の取り扱いを容易にするサービスの提供が含まれます。
消費者との対話: 価値創造は、消費者との対話から始まります。企業は消費者の声を聞き、そのフィードバックを製品開発やマーケティング戦略に反映させることで、消費者が本当に求める価値を提供できるようになります。
デフレからインフレに転換する今こそ、企業は価格競争を超えた価値提供を目指し、消費者一人ひとりが自分らしい選択をすることをサポートすることで、より豊かな社会を構築する貢献を果たすことができます。
サーキュラーエコノミーを価値の循環と考えた時、消費者が価値に基づいて賢明な選択を行えるようにすることが、企業にとって新たな機会になります。
価値は価値を生み出す
ブランドは顧客と共創された価値の蓄積=行動様式の象徴です。
価値が循環さえれていくコミュニティのマネージメントをサーキュラーエコノミーと位置付けた時に、ブランドを構築するために行うべき点をまとめます。
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