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名著「失敗の本質」からもうすぐ40年。私たちはそこから何を学んだのか?野中郁次郎さんの「直言」と読み合わせてみた。人を動かすリーダーとして必要なことは何か?を考える。そして今回もChat GPTと対話してます。

Three Plus Six LLCです。
先日の日経新聞「直言」からです。

野中さんの「直言」が大きな刺激を与えてくれます。
記事によれば88歳になられたとのことですが、その眼力と言葉の強さは衰えていません。


主観的で「帰納的」な戦略策定---空気の支配(「失敗の本質」より)

野中さんの書籍を手にしたことがある方も多いと思います。
「直言」(記事)でも取り上げていますが、以下の2冊が有名です。

「失敗の本質」より


この記事を読んでから僕は手元にある「失敗の本質」を読み直しています。
今書いているnoteのタイトルにも引用しましたが、第2章はとても重い内容です。

今日の日本の企業の現状は果たして「失敗の本質」が書かれた1984年から、もっと言えば、大東亜戦争における日本軍の失敗から何を学んだのか、リーダーシップについて自問自答する機会になりました。


直言」と「失敗の本質」を自分なりに重ね合わせます


成功体験の固執→学習する組織の重要性


――成功体験への固執という点では日本のバブルが絶頂に向かう時期に「失敗の本質」を出した。その後の企業のつまずきを予言したのか。

「当時はそんなことを意識しなかった。組織というものは本来、変化に適応できるかどうかが絶えず問われる。本で挙げたのは、旧日本陸軍の戦略のあいまいさ、短期志向、集団主義、縦割り、異質性の排除という点だ。今思えば過去30年の日本も、底流にある問題は当時の日本軍と変わらなかった可能性がある」

企業の失敗、野性喪失から 「失敗の本質」の著者説く 野中郁次郎一橋大名誉教授

上記の言葉は日本企業の本質を追い続けてきた野中さんならではの見解だと思います。

野生味の欠如→直感やアート+野心の重要性

また「野生味」というキーワードで人間性の重要さが言及されています。

「行動が軽視され、本質をつかんでやりぬく『野性味』がそがれてしまった。野性味とは我々が生まれながらに持つ身体知だ。計画や評価が過剰になると劣化する」

――計画や数値目標なしに経営は成り立たないのでは。

「それらは現状維持の経営には役立つかもしれないが、改革はできない。欧米の科学的管理手法から発展したやり方は、感情などの人間的要素を排除しがちだ。計画や手順を優先させられると人は指示待ちになり、創意工夫をしなくなる」

「計画や手順が完璧であることが前提だけに、環境の変化や想定外の事態に直面すると、思考も停止する。高度成長期には躍動の原動力だったとしても、今では成長を阻害する要因だ」

企業の失敗、野性喪失から 「失敗の本質」の著者説く 野中郁次郎一橋大名誉教授

そして最後にこうまとめていらっしゃいます。

「戦略的ナルシシズムの誤り」→客観的で「演繹的」な戦略策定

――新型コロナウイルス禍やDX、マイナンバーで政治の世界も混乱した。国家運営での失敗の本質とは。

「時代が要求する方向でなく、取りまとめる人々が好む方向に進んでしまう傾向がコロナ対応などでみられた。失敗の本質で描いた日本軍の姿と重なる」

「ベトナム戦争の当時、米国防長官を務めたロバート・マクナマラはデータ分析を駆使したが、数値にあらわれないベトナム人の愛国心や強さを洞察することができなかった。独善的に戦略を立て、甚大な被害を出した。そのような戦略的ナルシシズムの誤りを犯さないことが国家のリーダーには求められる」

企業の失敗、野性喪失から 「失敗の本質」の著者説く 野中郁次郎一橋大名誉教授

改めて追求すべき2つのこと


この記事を拝読して以下の2つが今の自分にとって重要なのではないかと思っています。
今回もGoogleとChat GPTの力を借りて基礎的な知識をまとめます。

Chat GPTと協働したnoteを2回アップしていますが、なかなか刺激的です。
よかったら読んでみてください。


1:メタ認知能力

メタというのは「より高次の」という言葉で、認知とは、思考や知覚、行動のことをいいます。 つまり、現在自分自身が行っている行動や思考そのものを認知の対象として、自分自身を客観的に認識する能力をメタ認知能力とよびます。2022/11/30

Googleによる

客観的に自分を見つめてやり抜く、関係者との調整を進める力を身につけることが必要です。

メタ認知能力の特徴


今回もChat GPT4に問い合わせました。
まず端的にその特徴をまとめてもらいます。

===Chat GPT===

メタ認知能力は、自分の認知プロセスや学び方を理解、監視、そして調節する能力を指し、以下の特徴を持っています。

  1. 自己認識:

    • 自分の強みや弱点、学びやすさや学びにくさなど、自分の認知や学習に関する特性を知ること。

  2. 戦略的計画:

    • あるタスクや学びを効果的に遂行するための計画や戦略を立てる能力。

  3. モニタリング:

    • 自分の学習や認知のプロセスを進行中に監視すること。例えば、自分が何を理解していて、何を理解していないかを把握すること。

  4. 調整・評価:

    • 学習や認知の進行に合わせて、戦略やアプローチを調整すること。また、自分の学習や認知の結果を評価し、必要に応じて改善すること。

  5. 問題解決の効率化:

    • 問題に直面したとき、自分の認知プロセスや知識を活用して効果的に解決策を見つけ出す能力。

  6. 自己調節:

    • 認知や学びの状況に応じて、注意力や情動、モチベーションを自ら調節すること。

これらの特徴を持つメタ認知能力は、学習環境だけでなく、日常生活や職場など様々な場面での問題解決や意思決定に役立つとされています。

メタ認知能力向上で得られるであろう能力
こちらもChat GPT4との会話を反映しています。
リーダーやマネージャーとして組織を動かす=対人調整能力について質問しました。

===Chat GPT===

メタ認知能力は、主に自分の認知や学びのプロセスに関するものであるため、対人的な調整能力やネゴシエーション力とは直接的な関連は少ないかもしれません。しかし、メタ認知能力が高い人は、自分の考え方や感じ方をよく理解しており、それをもとに他者とのコミュニケーションを効果的に行うことができる可能性があります。

対人的な調整能力やネゴシエーション力を評価する場合、以下の点を考慮すると良いでしょう:

  1. 相手の視点を理解する能力:

    • 他者の意見や感情、立場を理解し、それに基づいて対応することができるか。

  2. 柔軟性:

    • 固定的な考えを持たず、状況や相手の意見に応じて適切に対応することができるか。

  3. コミュニケーション能力:

    • 自分の意見や感情を明確に伝えることができるか、また相手の話をきちんと聞くことができるか。

  4. 問題解決能力:

    • 対立や意見の違いが生じた際、双方が納得する解決策を見つけ出すことができるか。

  5. 感受性と共感:

    • 他者の感情や懸念を感じ取り、共感することができるか。

これらのポイントをベースに、具体的なシミュレーションやロールプレイ、実際の経験や事例をもとに評価を行うと良いでしょう。また、360度フィードバックやピアレビューなど、他者からのフィードバックを取り入れることも、客観的な評価に役立ちます。

2:リベラルアーツ


二つ目に大事なものはリベラルアーツです。

リベラル・アーツは「自由学芸」や「教養諸学」とも呼ばれており、学術論文では 自由人の諸技術 とも表記される。 リベラル・アーツは「実用的な目的から離れた純粋な教養」や「一般教養」とも、または人文学・芸術・自然科学・社会科学などの分野の基礎知識を横断的に学ぶプログラムともされる。

Googleによる


自由人として生きるための学問
リベラルアーツという言葉は元々ギリシャ・ローマ時代の「自由7科」(文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽)に起源を持っています。 その時代に自由人として生きるための学問がリベラルアーツの起源でした。 「リベラル・アーツ」、つまり人間を自由にする技ということです。

Googleによる

リベラルアーツとは何か?


「アート」や「デザイン」という言葉を経営用語で好んで使うことが最近増えています。
個人的にはアートやデザインなどのベースになるものは「リベラルアーツ」ではないかと思っています。
そこでリベラルアーツに対しての掘り下げます。

===Chat GPT===

リベラルアーツ
とは、ラテン語の「liberalis」(自由な)と「artes」(技術や技法)から来ており、もともとは「自由人のための技術」や「自由人としての生を豊かにするための学問」を意味していました。古典的な教育体系においては、市民としての基本的な教養や知識を身につけることが重視されていました。

リベラルアーツは、主に以下のような特徴を持つ教育方法や学問の体系を指します:

  1. 幅広い学問分野の研究:
    リベラルアーツの教育は、特定の職業や技術の習得を目的とするのではなく、人文科学、社会科学、自然科学など、さまざまな学問分野の基礎的な知識や教養を身につけることを重視します。

  2. 批判的思考力の養成:
    知識を受け入れるだけでなく、それを批判的に考え、自らの意見や考えを形成する能力の育成を目指します。

  3. コミュニケーション能力の向上:
    論理的に考え、それを他者と共有する能力の養成も重要な要素となっています。

  4. 総合的な学びの場の提供:
    一つのテーマや問題を、異なる学問分野の視点からアプローチし、総合的に考えることを促進します。

  5. 自らの学びの主体性:
    教育の中心は学生自身であり、自ら問いを立て、それを追求する過程が重視されます。

近年、特に日本をはじめとするアジア諸国では、専門職のための教育という従来の教育方法に加えて、リベラルアーツ教育の重要性が再認識され、多くの大学でリベラルアーツ教育の導入や拡充が進められています。これは、複雑化する現代社会で、柔軟な思考力や多角的な視点を持った人材が求められていることに起因しています。

リベラルアーツを学ぶ重要性


自分の中の「一般教養的」知識を得ることがリベラルアーツではありません。
もっと大事なことがあるはずです。
MissionやVision、ValueからPurposeなど私たちが日常的に使っている言葉の背景、組織論などに潜む文化的な背景、などを充実させることがリーダとして組織の進化を生み出すのではないでしょうか?
そこでリベラルアーツを学ぶ重要性について尋ねてみることにします。

===Chat GPT===

リベラルアーツを学ぶ重要性は、以下のような点に集約されます:

  1. 多角的な視点の習得:
    リベラルアーツは多様な分野からの知識を取り入れることを重視するため、異なる視点や考え方を持つことができるようになります。これは、多様性の増す現代社会での問題解決や意思決定に非常に役立ちます。

  2. 批判的思考力の向上:
    リベラルアーツの教育は、情報を受け入れるだけでなく、それを批判的に分析し、自らの意見を形成する能力を育てます。この力は、情報過多の現代において、正確な判断を下すために不可欠です。

  3. コミュニケーション能力の強化:
    知識を効果的に伝える能力や、他者の意見を理解し、共感する能力など、人間関係を円滑にするためのコミュニケーション能力が磨かれます。

  4. 自己理解と自己成長:
    さまざまな学問や視点に触れることで、自分自身の価値観や考え方を再評価し、自己理解を深めることができます。また、自らの学びの主体性を重視するリベラルアーツの教育は、自己成長を促進します。

  5. 柔軟な対応力:
    変化の激しい現代社会において、新しい状況や問題に迅速かつ柔軟に対応する能力は非常に重要です。リベラルアーツの教育は、異なる視点や知識を統合する思考力を養うことで、この対応力を高める助けとなります。

  6. 継続的な学びの基盤:
    リベラルアーツは、特定の職業技術や即時のスキル習得を目的とするのではなく、生涯にわたる学びの基盤となる教養や知識を提供します。これにより、時代や状況の変化に柔軟に適応し続けるための土台が築かれます。

これらの要点から、リベラルアーツの教育は、専門的な技術や知識だけではなく、人としての成熟や社会の一員としての役割を果たす上での基盤となる能力や価値観を養うために非常に重要であると言えます。

客観的な自己を理解した時に手に入るもの

重要性は十分説明されています。
それでは、リベラルアーツを学んで私たちは何を手にすることができるのでしょう?

===Chat GPT===

リベラルアーツを学ぶことで身につく主なスキルを以下にリストアップします:

  1. 批判的思考力:

    • 情報や状況を分析し、合理的かつ批判的に考える能力。

  2. コミュニケーション能力:

    • 自分の考えや意見を効果的に伝える能力、また他者の意見を理解し、適切に反応する能力。

  3. 問題解決能力:

    • 複雑な問題や課題に対して、効果的な解決策を考え、実行する能力。

  4. 多角的な視点からのアプローチ:

    • 一つの問題やテーマを異なる分野や視点から考察する能力。

  5. 自己学習能力:

    • 自らの興味や必要に応じて、新しい知識やスキルを習得する能力。

  6. 文化や価値観への理解:

    • 異なる文化や背景を持つ人々と協力し、共存する能力。

  7. 論理的思考力:

    • 事実やデータに基づき、系統的かつ論理的に考える能力。

  8. 創造性:

    • 既存の知識や情報を組み合わせて、新しいアイディアやソリューションを生み出す能力。

  9. 情報の検索・評価能力:

    • 必要な情報を効率的に探し出し、その信頼性や価値を評価する能力。

  10. 自己認識と反省:

  • 自分自身の強みや弱点、価値観を理解し、その上で自己成長の方向を定める能力。

これらのスキルは、リベラルアーツの教育を受けることで磨かれ、多様な分野や職種、さまざまな人間関係や状況で役立つものとなります。

智慧、客観性、そして言葉

メタ認知とリベラルアーツへの取り組みをもう一度進めることで、リーダーとして大事な「智慧」と「客観性」、そして「言葉」とその重要性を手にすることができます。

そして何より重要な「言葉」について私たちはリーダーとして「慎重」かつ「大胆」に扱うべきです。
言葉が全てではありませんが、人を動かす原動力は言葉の力です。
その言葉をより魅力的により伝わるようにする、カタチにするための技術がアートやデザインということではないでしょうか?
そして、言葉はリーダーのものだけではありません。

最後にもう一度「失敗の本質」から

インパールで日本軍と戦ったスリム英第十四 軍司令官は「 日本軍の欠陥は、 作戦計画がかりに誤っていた場合に、これを直ちに立て直す心構えがまったくなかったことである と指摘したと言われている。
日本軍の戦略 策定が 状況変化に適用できなかったのは、 組織の中に 論理的な議論ができる制度と風土がなかったことに大きな原因がある。日本軍の最大の特徴は「 言葉を失ったことである 」( 山本七平 『一下級将校の見た帝国陸軍 』)という指摘があるように、戦略策定を誤った場合でも、その修正 行動は 作戦中止・徹底 撤退が決定的 局面を迎えるまではできなかった。ノモハン、ガダルカナル、インパールの作戦はその典型的な例であった。

「失敗の本質」2章より

自由闊達な組織


言葉の重要性が組織全体に行き渡り、「自由闊達な」組織になることを目指していきましょう。
以下にソニーの設立趣意書のリンクを添付させていただきます。

メタ認知とリベラルアーツを学ぶとソニーに行き当たりますね。

やはりソニーとホンダから学ぶべき


「直言」でも出てきますが、ソニーとホンダ、素晴らしい企業です。
井深さんが本田宗一郎さんを語る素晴らしいコンテンツです。
もしよければ読んでみてください。

それでは、また。

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