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六畳一間

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2022年9月の記事一覧

幸せの在処と僕らの存在論

絶望を目の前にした今、私が立っているこの場所は
自信を持って、正しい場所だと言えるだろうか

かき集めた思い出の欠片は
一粒の涙より小さく粉々になってしまった

どうして感情が溢れかえって来ないのだろう
隠したわけではないのに、現れないのはなぜなの

僕らは
何を原動力にして生きているのか

右手に握った絶望で
左腕にいくつもの線を走らせる

ドクドクと脈打つ速度とともに
無色の涙が音を立てずに滴

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3%の愛情表現

3%の愛情表現

一方通行な愛の重さは、愛情表現に影響するが
行き止まりの愛の温度は、温まることを知らない

飲んだアルコールが口から零れてしまう程のキスは
3%なんて嘘だと思うほど私を酔わせるし
見つめあえたらそれが君の合図だと知った

どうしようもない私に彼は笑みを浮かべるから
彼のためにバカなフリをするのも悪くはない気がする

そう思ってしまった時点で
私は彼のテリトリーの中に存在することを
望んでいるという

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花言葉を知らずに愛したその花は

紫色のクロッカスの花言葉は「愛の後悔」らしい
君と何度もの季節を循環するこの場所に立って
具現化されない愛について語り明かす夢を見た

明日は一体何者か
君は一体何者か

尊い言葉はさらさらと流れる川に流され
憎い感情はその存在をただ強く滞在する

幻想に恋をして痛みを知らずに散りゆく運命
「この世には絶望しかなかった」と
愛されぬままこの命を手放したいと願う日々

退屈な日常を巻き戻す様に夢の中

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1000年後の君へ

夜空を見上げれば無数の星
あの地平線を辿ればいくつもの街
音を追いかけ速度があがる足並み
水のように滴る感情の可能性

全ての出来事に価値を見出さなきゃいけないし
積み上げた経験の中で成長しなければならない
明日は何が起きるか分からないこの世界で
後悔がないようにと思いながら
無駄に過ごす一日の先には何があるのだろうか

指定難病を患っているあの子は
誰かが笑っている姿を見るのが自分の幸せだと信じ

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4:29

目の前には大きな壁だらけ
実力も才能も何も持ち合わせていないから
自由という正義にただ憧れを抱くだけ

寂しいのはきっと秋のせい
そうやって色んな感情を色んな出来事のせいにして
「私」という存在を守るしかなかった
いや、それしか方法を知らなかった

どれだけ取り繕っても、最終的に残ったのは
空虚な心だけで
自分が辿ってきた道筋さえも
無意味なものだったと決めつけてしまいそうだ

乱れる生活習慣は

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