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自分を愛するということ

自分を愛することとは何か。
それは、誰かにとっては簡単なことで、誰かにとってはとても難しいことである。

少なくとも私にとっては、とても難しいことだ。

小さな頃から、自分を好きになることはできなかったし、愛することなんてできなかった。
だから私は、人よりも頑張らなければならないと思って、勉強だったり、習っていたクラシックバレエの練習に取り組んだ。

私は自分のことが嫌いであり、改善するところしかないと思っていて、その改善点を克服するためになにをしなければならないのかと、日々考えていた。

でも、そういう生き方は、とっても苦しい。
頑張っても頑張っても、治すべき改善点は克服されないように思えて、どんどん自分が嫌いになった。
生まれ持って、私の欲しいものを持っているように思える人を憎み、羨み、ひとり劣等感で打ちひしがれた。
一生、自分のことは好きになれないと思ってた。

けれど、最近になって、思うことがある。

そんな私でもいいか。

ということだ。
自己肯定感が低くても、自分のことを嫌っていても、そんな私でもいいのである。
そんな私でも、愛するべき存在なのだ。

自分のことが好きになれなくても、そんな自分を愛することはできるのだ。
自分のことを好きだと思うことと、
自分を愛するということは似ているようで、
少し違う。

自分を好きになれない私を愛する。
愛おしい存在と感じる。

自分を愛するためには、
自己肯定感が高い必要はないし、
自分に自信を持つ必要はない。

ただ、そのままの"私という存在"を
まるッと認めて、受け入れて、
抱きしめてあげるのだ。

そういうことを毎日毎日繰り返して考えていくと、ある時突然、今まで見えていて気にしていた自分の改善点や劣等感も、もはやどうでも良いと感じるようになる。

自分の良いところも、悪いところも、
客観的に捉えることができるようになる。
ことの良し悪しに、取り憑かれなくなる。
人と比べることに意味を感じなくなる。

だめなところや嫌いなとこも沢山あるし、
それと同じくらいの良いところや素敵なとこもある。
全部を含めて、私は私を愛している。

職場、家族、友人、恋人
わたしは人に恵まれている。
毎日暖かいご飯が食べられて、
気持ちのいいお風呂に入ることができて、
毎日健康に働くことができ、人とおしゃべりができる。

自分を愛するようになると、
そんな、日常を愛おしく感じ、
感謝の気持ちで心がポカポカになる日が増える。

わたしは自分を愛している。

はじめは、素直にそう思えない。
けれど、繰り返し繰り返し、唱えることで、
それは嘘でも詭弁でもなく、それは、
真実であることに気がつく。

自分で自分にかけてしまっていた呪いのようなものを、少しずつ少しずつ、溶かしていくかのような、神秘的な作業だ。

なにを感じ、思って、どう考えて、
なにをするのか

自分の思考や考え、行動というのは、
選ぶことができる。

毎日着る服を選ぶように、
毎日の献立を考えるように、
思考や考え、行動も、全部自分で選択する。

それならば、少しでも心地よい思考や考え、
行動を選んでいたい。

好きな服を着て、好きな音楽を聴いて、
好きな人に会って。
推しを推して。

それと同じように、ちょっとでも幸せを感じることができるような考え方や、思考回路を、選んでいく。

わたしにとって自分を愛するということは、
その選ぶべき思考回路のうちのひとつである。

どんな自分も愛していると思っていると、
劣等感で打ちひしがれているよりも、
ちょっとでも幸せを感じることができる。


そんなに難しいことではない。
けれど、少しの意識ひとつで、
行動も、考え方も少しづつ変化する。

自分をあえて苦しめるようなことをしなくなり、
劣等感に苛まれて人を恨む必要もない。
自分で決めた人生の選択にも、誇りを持てるようになり、過去のことでうじうじと思い悩む必要もなくなる。

わたしは自分を愛している!

そんな気持ちをちょっと心に置いておくだけ。
そうやって、ちょっとでも幸せを感じて、毎日を過ごすのである。

それが、自分を愛するということだ。


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