見出し画像

本山桂川と斎藤昌三の出版トラブル?

 最近、川村伸秀『斎藤昌三 書痴の肖像』(晶文社、2017年)を読み進めている。その中で民俗学研究者・本山桂川と愛書家(趣味人)・斎藤昌三の間で起こった興味深い内容が紹介されていた。この本の274、275頁によれば、斎藤は『大芭蕉全集』の発行を支援しており、資金不足のため本山や他の人びとに援助を求めていたが、本山に逃げられたため、斎藤が単独で資金を出すことになったという。この全集は最終的に大観堂という古本屋(兼出版社)を経営していた北原義太郎の支援によって無事全巻出版された。

 以下の記事で紹介したように、本山は南方熊楠と『南方閑話』の原稿料を巡って出版トラブルがあったが、斎藤との間にもあったらしいのが興味深い。本山は出版についてトラブルメーカーであったのだろうか。

よろしければサポートをよろしくお願いいたします。サポートは、研究や調査を進める際に必要な資料、書籍、論文の購入費用にさせていただきます。