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本山桂川が編集していた雑誌『土の鈴』の復刻版とその検討課題

 先日、民俗学研究者・本山桂川が編集していた民俗学研究の雑誌『土の鈴』の復刻版が手ごろな値段(7000円くらいだった!)で日本の古本屋に出品されていたため、即決で購入した。本山に関しては、拙noteでも以下のように何度か紹介したことがある。

『土の鈴』は1920年から1923年にかけて19冊が発行されたが、復刻版は全冊揃いで村田書店から出版されている。以下に何枚かこの本の写真を掲載しておきたい。

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各号の表紙が結構いい味を出している。『土の鈴』の各号の目次に関しては、『民俗学関係雑誌文献総覧』竹田旦編(国書刊行会, 1978年)や雑誌記事データベース「ざっさくプラス」にも登録されており、どのような人物がどのような記事を投稿していたかが分かるので、『土の鈴』がどのような性格の雑誌であったのかは、これらの情報からある程度推測できる。しかし、あらためて言うまでもないかもしれないが、雑誌の現物を見てみることでしか分からない情報も多い。私が『土の鈴』を少しめくってみた限りでは、以下のようなことが検討できそうだ。

・会員の追加が毎号に報告されているのでいつ、誰が購読者になったかが分かる。『土の鈴』はどのような人々に読まれていたのだろうか?

・表紙や挿絵が多い。復刻版でも挿絵がカラーで挿入されているため、誰が挿絵を提供していたのかが分かる。本山は誰に挿絵を頼んでいたのか?

・本山が毎号に編集後記を書いている。『土の鈴』が出版されていた当時の本山や彼が関わっていた民俗学―もっとも当時は必ずしも「民俗学」と呼ばれておらず、その領域も明確でなかった―の状況が分かるかもしれない。

・『土の鈴』は本山が単独で編集していたイメージが強かったが、編集委員が存在しており本山の単独編集とは必ずしもいうことができないようだ。編集委員の来歴と各人の役割は何か?

・寄贈された品物や雑誌、それらを寄贈した人物を紹介している欄がある。この欄を読むことで当時の民俗学研究者のネットワークの一端が分かるかもしれない。

以上、私が考えたままに『土の鈴』の復刻版を読む上で課題となりそうなことを紹介してみたが、これらの課題は雑誌の現物を検討してみないと分からない。おそらく検討されるべき課題はまだあると考えているが、上記に紹介した課題を中心に拙noteでも継続的に『土の鈴』に関する情報を発信していきたい。

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