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雑誌『土の香』の熱心な読者であった相模原の民俗学研究者・鈴木重光

 以下の記事で相模原(旧内郷村)に住んでいた民俗学研究者・鈴木重光の紹介をしたが、鈴木は加賀紫水の編集していた雑誌『土の香』を購読しており、この雑誌を柳田国男に紹介したのも鈴木なのではないかということを推測した。

鈴木が『土の香』を柳田に紹介した直接の根拠ではないが、このことを傍証するような情報を発見した。『土の香』9巻3号(1933年)は通巻50号記念となっているが、加賀が巻末の編集後記部分で創刊以来の読者として以下の人物を挙げて感謝のことばを述べている。なお、謄写版の手書きの文字を読んだのでまちがいがあるかもしれないことを断っておきたい。

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村田鈴城(八王子の郷土史家)、杉浦康平、鈴木重光(相模原の民俗学研究者)、桂又三郎(岡山の郷土史家)、森徳一郎(愛知の郷土史家)、島畑隆治、矢野宗幹(昆虫研究者?)、能田太郎(方言研究者)

※私の知っている範囲で人物名の後ろに肩書を追加した。矢野宗幹は手書きの文字の読み取りも含めて自信がない。確かに矢野宗幹という名前の昆虫研究者はいるが、同姓同名の別人の可能性もある。

ここから鈴木が創刊号からの熱心な読者であったことが分かる。上記の人物の中に柳田が含まれていないことから少なくとも柳田が『土の香』のことを知ったのは鈴木よりも後であろう。そのため、鈴木は深い交流のあった柳田に『土の香』のことを教えたと推測しても特に違和感はないであろう。

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