コーヒーと音楽 Vol.36
細野晴臣 - 泰安洋行
新年最初の「コーヒーと音楽」はDr.JohnのアルバムGumboでした。
不思議なことに、いろんなもののつながりが昨年あたりからたくさん現れはじめました。自分でも気づかないところで、無意識に近い意識的な働きがあるのでしょうか。
今回取り上げるのは1976年発表の細野晴臣の3枚目のソロアルバム「泰安洋行」です。このアルバムも長い間棚の奥深くに眠っていたのに、ひょっこりと数日前に顔を出しました。
細野さんはこのアルバムを「チャンキー・サウンド」とよんでいます。ニューオリンズの音に惹かれていた細野さんが、同地の名物料理で「ガンボ」にあたる日本料理としての「ちゃんこ鍋」と「ファンキー」をかけたものらしいです。(勝手な想像ですがチャンプルーも入っていると思います)
そうです、ガンボ=Gumbo。Dr.Johnの生まれ育ったところはニューオリンズ。意識して探している訳ではないのに、向こうからつながってきてくれる。不思議です。このアルバムもロールの体験には持ってこい。
ジャケットデザインもすばらしい。八木 康夫(ヤギヤスオ)さんが手掛けています。
このアルバムで一番好きな曲はRoochoo Gumbo。素晴らしい曲構成です。僕の好きな要素:南国フレーバー、胸を締め付けるメロディ、そして遊び心が満載。真南風を感じに行きたくなります。
コーラスは矢野顕子&大貫妙子のコンビ。
ヤマトゥンチュはいちころさ その真南風(マハエ)にゃ勝てぬ
とにかくゲストミュージシャンが豪華すぎるぐらい豪華です。
1曲目の蝶々-San。船長さんの声は山下よた郎=山下達郎。ベースボーカルは宿霧十軒(やどぎりじゅうけん)=大瀧詠一。
最高の楽しい遊び要素ががこの曲には詰まっています。
全曲すばらしいのですが、ラストを飾るExotica Lullabyはまた格別。この曲を聴いていてパッと思い出したのは星野源さん。歌い回し、曲構成が現代にも脈々と受け継がれているのを感じることができます。
Bon Voyage。フランス語で「よい旅を」。
細野さんとこのアルバムにありがとうって言いたい。
この舟はもう出航してマハエを感じに行く道中。ゆっくりゆっくり、でも着実に進んでいます。
感傷的になりすぎず、日々の美しさを感じながら、道中を楽しみながら進むのです。
海に1秒たりとも同じ動きはありません。心の中の海だってそう。でもだからこそ生きている。
月をよこぎる舟はとぶよ どこへゆくの 雲の彼方に浮かぶ島に ゆらり ゆらり (from "Exotica Lullaby")
火曜日。良い1日を見つけましょう!
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