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日本でITエンジニアとして働いた後、ロンドンで労働許可を取り24年。世界中の国の友人と…

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日本でITエンジニアとして働いた後、ロンドンで労働許可を取り24年。世界中の国の友人との対話から、日本での不思議な働き方や不平等な社会に気づく。変化は「気づき」と「現状をありのまま認めること※降伏・受身とは違う」から始まるもの。誰もの尊厳が尊重され希望に満ちた社会への変化を応援。

マガジン

  • 社会の構造に気づく→弱い立場にいる人々が力を合わせて変える

    弱い立場にいる人たち(子供、若い人々、女性、マジョリティーと違う属性をもつ人たち)が、弱い立場にいるのは、構造的な問題であって、個人のせいではありません。この構造を理解して、それを越えた良いものをつくり、誰もが自分をいかして協力しあい、尊厳をもって生きていける社会にするためには、弱い立場におかれている人々ほど、社会の構造を深く理解し、偽りの神話(貧しいのはその人の努力がたりないから等)を崩す必要があります。 強い立場にいる人々は、弱い立場の人々がいてこそ自分が強い立場にいられるので、社会の大多数の人々に不要な苦しみをもたらしているけれど自分には都合の良い社会構造を変えようとはしないでしょう。 少数の富裕者や社会で強い立場にいる人々が恐れているのは、社会の大多数の人々がまやかしの仕組に気づき、正当な権利を求め始めることです。 社会の構造を変えるには問題の本質を見抜き、協働することが大切です。

  • アサーション ― 自分も相手も尊重する

    イギリスでのアサーション。 性別や人種、性的なオリエンテーションや賃金を得る仕事をしているかしていないか等に関わらず、すべてのひとびとは、かけがえのない大切なひとです。自分も相手も尊重し、お互いが対等で尊重しあえる健康な関係を築くことが大切です。

  • ウクライナは勝たなくてはならない

    ロシアのウクライナ侵略が始まってから1年が過ぎました。イギリスで長く暮らしていると、ウクライナ、ロシアの両国の人々と知り合う機会はたくさんあります。日本にいると、どこか遠い世界で起こっていることで目を背けたくなるかもしれませんが、関心を持ち続けることは大切です。偽情報やプロパガンダに惑わされず、ロシアの帝国主義的なイデオロギーをもとにウクライナ侵略が起こったことを認識しておくのは大事です。どの国も、ロシアを攻撃していません。ロシアがウクライナ侵略を止めれば即時に闘いは終わります。ウクライナが自衛することを諦めれば、ウクライナはロシアの長い支配下におかれ、言語や文化だけでなく、多くの人々が命を失うでしょう。これは、旧ソ連が現ポーランドや他の旧ソ連の国々に過去に行ってきたこと、現在のウクライナ人への拷問等を鑑みても明らかです。私たちは、ウクライナが勝つまでサポートする責務があります。

  • Education - 教育はなんのため?

    イギリス国営放送のBBC Radio 4の「Rethink(再考する)」シリーズより、教育を考え直してみる

  • 人工知能と私たちの未来

    イギリスで年1回行われるReith Lectures(リース・レクチャーズ)の中から、2021年度の講義、人工知能専門家のStuart Russell(スチュアート・ラッセル)さんの好奇心に満ちた講義より。

最近の記事

世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ⑤-2

Fascism(ファシズム)は常に私たちの身の回り(多くの人々の心の奥底)にあり、最もイノセントな見せかけで戻ってくる。特徴とパターンをよく観察することが大切。 Fascism(ファシズム)という言葉も、どう定義するかは、専門家の間でも意見は分かれます。 さまざまな見方があるのがごく普通のことで、それらの人々がどういう角度や視点から見ているのか、といったことを考えながら、書いてあることの意味をよく理解し、自分の意見をつくっていくことが大切です。 ファシズムと聞くと、反射的

    • 韓国のフェミニズムへのバックラッシュの背後にあるものー本当の問題を見抜くことの大切さ

      Al Jazeera(アル・ジャジーラ)は、カタール政府からの出資でできたメディアですが、日本や韓国を含むアジアについての報道も、他のヨーロッパ・アメリカの主要メディアだと西側諸国はCivlized(文明的)でほかの国々は文明化されていない、といったバイアスがありがちなのと違って、もっとその国の文化や慣習を理解・尊敬して、同じヒューマニティーをもった仲間としての報道が多いように感じます。 アラビア語だけでなく、英語での報道・ポッドキャスト・記事もたくさんあるので、お勧めです。

      • 世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ⑤-1

        緊縮財政とファシズムの相関性 ヨーロッパでもアメリカでも、ファシズムの台頭が起きていますが、ファシズムはausterity(オゥステリティー/緊縮財政)と深く関係があるとされています。 ファシズムは、歴史的にも過去200年の間に揺り返しのように強くなったり弱くなったりはしていますが、何らかの危機があったときに強く現れる傾向にあります。 ファシズムは、定義もいくつかあるものの、Umberto Eco(ウンベルト・エーコ)の著作「Ur Fascism」で書かれているファシズム

        • 世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ④

          資本主義と民主主義は本質的に敵対関係 ーマジョリティーである貧しい人々が統治するのが民主主義で、お金をもっていればいるほど決定権をもつのが資本主義 資本主義のはじまりは、②で書きましたが、現時点で、経済的に強い国(西ヨーロッパやアメリカ、カナダ、オーストラリアや日本)で育つと、資本主義と民主主義が必ずセットであるような感覚をもつかもしれません。 実際は、資本主義は経済の領域にあり、民主主義は政治の領域にあるもので、北欧の国々やヨーロッパの多くの国々(イギリスを除く)のように

        世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ⑤-2

        • 韓国のフェミニズムへのバックラッシュの背後にあるものー本当の問題を見抜くことの大切さ

        • 世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ⑤-1

        • 世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ④

        マガジン

        • 社会の構造に気づく→弱い立場にいる人々が力を合わせて変える
          6本
        • アサーション ― 自分も相手も尊重する
          3本
        • ウクライナは勝たなくてはならない
          6本
        • Education - 教育はなんのため?
          2本
        • 人工知能と私たちの未来
          4本
        • ユーモアを通して知る文化 ー 英国スタンダップ・コメディー
          3本

        記事

          いじめの偶然のターゲットになったときー ケィティーさん(ウェールズ出身コメディアン・俳優・作家)の回想録から

          コメディアンでアクター、作家でもあるウェールズ出身のKaty Wix(ケィティー・ウィックス)さんは、14歳のときに親友だと思っていた人から、ひどいいじめを受けたそうです。 ちなみに、ウェールズ国は、The United Kingdom(イギリス、ウェールズ、北アイルランド、スコットランドの連合4か国)の一国で、公用語は英語とウェールズ語(英語とは全く違うことば)です。 関連する記事は、イギリスの独立系新聞ガーディアン紙のここより読めます。 20年以上たった、ある日、ケィテ

          いじめの偶然のターゲットになったときー ケィティーさん(ウェールズ出身コメディアン・俳優・作家)の回想録から

          世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ③

          蓄積した富や、もっている資産やものに値する人はいない。 それは、生まれ落ちた場所による偶然。 地球上にあるすべてのものは、私たち(=世界の大部分を占める労働者)が共同で生み出しているもの。 資本主義は、「自由意思での取引(例/労働力と給金の交換等)」というまやかしの言葉のもとに、資本をもっている地位に偶然生まれた人々が 、実際に富を生み出して社会に役立っている人々(=労働者)から盗んでいる仕組。 Capitalistm(キャピタリズム/資本主義)は、とても少数の搾取を行う人

          世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ③

          世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ②

          資本主義はどこから始まったのか?ー 資本主義の起源からして、Boom (ブーム/一時的に活気づく)→Bust (バスト/破綻する)→ Quit(クイット/やめる・立ち退く) ...その後には、公害や環境破壊を残す。それを引き起こした資本家や企業は全く責任を取らない。被害を受け、その影響を受け続けるのは、弱い立場にある普通の人々。 イギリス人ジャーナリストで環境活動家でもあるGeorge Monbiot(ジョージ・モンビオット)さんは、最新の著作「The Invisible

          世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ②

          世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ①

          「貧困に陥った人たちや社会で弱い立場にいる人たちはその人のせい」或いは「お金持ちでいわゆる大企業で働いている人は、その人が優秀で頑張ったから」というネオリベラルのイデオロギーの嘘を見抜く + その仕組の背景を知る→ そのシステムを壊し、より良いものをみんなでデザインすることができる 最近、ギリシャ人経済学者でアクティヴィストであるYanis Varoufakis(ヤニス・ヴァルファキス)さんのドキュメンタリー映画、「In The Eye Of The Storm」が公開され

          世界はつながっているー 弱い立場に追いやられている人たちほど、社会や経済の仕組みを知り、仲間と手を合わせて立ち向かい、そのシステムを越えるものをつくる必要がある ①

          キャリア・アドヴァイス ー 自由と安全の間で選択を迫られたら、自由を選べ

          日本とヨーロッパでは、キャリアのありかた・考え方は、大きく違います。 ヨーロッパの中でもイギリスは少し外れていて、アメリカ社会・経済に近い状態で、賃金の低い仕事も多く、契約期間が短く、生活の安定をはかることが難しい状況となりつつあります。 ただ、賃金が低いといっても、現在(2024年度)の最低賃金は、時給11.44パウンド(約2285円)です。これは、年々、上がってきています。 また、戦後の福祉国家であった時代から大きくネオリベラリズムへと動いたものの、日本やアメリカよりは、

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          苦難の物語とともにある、もう一つの物語を見つける

          ある日、いつも読んでいるイギリスの独立系新聞ガーディアン紙で、南アフリカ共和国でナラティヴ・セラピーを行っているジンバブエ出身の女性心理学者Ncazelo Ncube-Mlilo (カゼロ・ヌカンベミロ)さんの記事に偶然あいました。 「変わる勇気(Courageという英語から、Rをひとつ増やしてCOURRAGEと呼ばれるプログラム)ː 女性のデプレッションと貧困を(自分の)物語を語ることによってタックルする」という試みです。 カゼロさんは、南アフリカ共和国でエイズが原因で親

          苦難の物語とともにある、もう一つの物語を見つける

          芸術は常にヒューマニティーと結びついている=政治からは切り離せない

          チェコ共和国の最初の大統領となったVaclav Havel(ヴァーツラフ・ハヴェル)さんは、「教育は、さまざまな現象の間にある隠されたコネクションを見つけることのできる能力だ」といった内容のことばを言っています。 ハヴェルさんは、もともと劇作家であり、芸術を通した反体制運動も行い、劇が体制によって中止されたこともありました。 チェコ共和国が成立するまでの長年の反体制運動や革命に加わっていたことで、ハヴェルさんは、何度も投獄されています。 芸術は、さまざまなバウンダリーを越えて

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          現在のリアリティーに基づいた未来ではなく、インクルーシヴでヴィジョナリーのある未来をつくる ー パレスチナ人女性弁護士 Diana Buttu(ダイアナ・ブットゥ)

          Diana Buttu(ダイアナ・ブットゥ)さんは、パレスチナ人の両親のもとに生まれ、カナダで育った女性弁護士です。 1948年にイスラエル建国に伴い、パレスチナ地域に住んでいた多くのパレスチナ人が、ユダヤ人に大量殺害されたり、ユダヤ人からの暴力やテロ行為で家や土地を追いだされ、難民となったため、アラブ諸国を含め、多くの地域にパレスチナ人は難民として逃げざるを得ませんでした。 1948年に難民となった人々の子供や孫たちも、多くはいまだに難民として、Stateless(ステイト

          現在のリアリティーに基づいた未来ではなく、インクルーシヴでヴィジョナリーのある未来をつくる ー パレスチナ人女性弁護士 Diana Buttu(ダイアナ・ブットゥ)

          イギリス ー Relationships and Sex Education(省略してRSEと呼ばれます/人間関係と性教育)は、子供たちを守るために必須

          The UK(イギリス、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4か国の連合国)では、突然、現在のイギリス首相であるスナック首相が、2024年7月にGeneral Election(ジェネラル・エレクション/総選挙)を行うことを宣言しました。 それに伴い、法律化するよう提案されていたことのうち、宙に浮いた状態になったものもあります。 そのうちの一つは、Relationships and Sex Education(省略してRSEと呼ばれます/人間関係と性教育)の改案です

          イギリス ー Relationships and Sex Education(省略してRSEと呼ばれます/人間関係と性教育)は、子供たちを守るために必須

          現在の時代や場所・仕組という制限を越えて、夢見ることの大切さ

          Gary Younge(ギャリー・ヤング)さんは、ブリティッシュ・ジャーナリストで、現在は、マンチェスター大学でSociology(ソシオロジー/社会学)の教授をつとめています。 母は、大英帝国の元植民地であるBarbados(イギリスではバルベィドスと発音/バルバドスーカリブ海、西インド諸島内の国)出身で、第二次世界大戦後に、イギリスの労働者不足を解消するために、積極的にイギリスの元植民地国から人々を招へいした時期に、イギリスへと移民してきました。 ギャリーさんは、イギリス

          現在の時代や場所・仕組という制限を越えて、夢見ることの大切さ

          急増している犯罪(sextortion)へのイギリスの対策

          イギリスでは、sextortion(セクストーション)と呼ばれる犯罪が急激に増えていて、注意が呼びかけられています。 イギリスの独立新聞ガーディアン紙のポッドキャストでも、最近セクストーションの被害者となり、命をたってしまった少年の家族が、 「セクストーションの被害者となる(性的な画像がでまわる)ことは、恥ずかしいことでもないし、あなたは全く悪くありません。 あなたは、犯罪の被害者なのです。 これが人生・世界の終わりではありません。 被害にあったことは、あなたという人間を定

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          怒りを感じることの大切さと、どうポジティヴな行動へと導くか

          日本語だと、「怒る」と聞くと、(たとえ不当な怒りだったとしても)怒りを感じた人が、自分より弱い立場の人に対して攻撃的にあたりちらすことのようにも思うのですが、実際、「Anger/アンガー(怒り)」という感情と、怒りを感じたことにより導かれる言動とは違うもので、分けて考える必要があります。 「怒り」という感情は、人間としてごく普通の感情であり、不当な扱いを受けた時、危険な目にあったときなど、自分のために立ち上がりたたかったり、状況によっては一時的に安全な場所に急いで退避するため

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