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日本でITエンジニアとして働いた後、ロンドンで労働許可を取り21年。世界中の国の友人と…

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日本でITエンジニアとして働いた後、ロンドンで労働許可を取り21年。世界中の国の友人との対話から、日本での不思議な働き方や不平等な社会に気づく。変化は「気づき」と「現状をありのまま認めること※降伏・受身とは違う」から始まるもの。誰もの尊厳が尊重され希望に満ちた社会への変化を応援。

マガジン

  • アサーション ― 自分も相手も尊重する

    イギリスでのアサーション。 性別や人種、性的なオリエンテーションや賃金を得る仕事をしているかしていないか等に関わらず、すべてのひとびとは、かけがえのない大切なひとです。自分も相手も尊重し、お互いが対等で尊重しあえる健康な関係を築くことが大切です。

  • ウクライナは勝たなくてはならない

    ロシアのウクライナ侵略が始まってから1年が過ぎました。イギリスで長く暮らしていると、ウクライナ、ロシアの両国の人々と知り合う機会はたくさんあります。日本にいると、どこか遠い世界で起こっていることで目を背けたくなるかもしれませんが、関心を持ち続けることは大切です。偽情報やプロパガンダに惑わされず、ロシアの帝国主義的なイデオロギーをもとにウクライナ侵略が起こったことを認識しておくのは大事です。どの国も、ロシアを攻撃していません。ロシアがウクライナ侵略を止めれば即時に闘いは終わります。ウクライナが自衛することを諦めれば、ウクライナはロシアの長い支配下におかれ、言語や文化だけでなく、多くの人々が命を失うでしょう。これは、旧ソ連が現ポーランドや他の旧ソ連の国々に過去に行ってきたこと、現在のウクライナ人への拷問等を鑑みても明らかです。私たちは、ウクライナが勝つまでサポートする責務があります。

  • Education - 教育はなんのため?

    イギリス国営放送のBBC Radio 4の「Rethink(再考する)」シリーズより、教育を考え直してみる

  • 人工知能と私たちの未来

    イギリスで年1回行われるReith Lectures(リース・レクチャーズ)の中から、2021年度の講義、人工知能専門家のStuart Russell(スチュアート・ラッセル)さんの好奇心に満ちた講義より。

  • ユーモアを通して知る文化 ー 英国スタンダップ・コメディー

    イギリス(The United Kingdom - スコットランド、イギリス、ウェールズ、北アイルランドの連合国)のユーモアはsatire(サター・風刺)の要素が強く、スタンダップコメディーも盛んです。The UKの中の一国のイギリスは、地球上の半分近くを長い間植民地として支配し、英語を話すことを強要してきた歴史もあり、さまざまな国の人々がスタンダップコメディアンとして、舞台に登場します。日本のように身体的な表現を使って笑わせるのではなく、巧みに「ことば」を使い、複雑なストーリーライン、歌も使います。さまざまな国の歴史や国際政治・国内政治を話題にするものも多く、観客にも歴史や政治の知識が求められます。また、The UKからのコメディアンだと、日常生活の一見無意味に思えることを緻密に計算され尽くしたストーリーラインで語り、馬鹿馬鹿しく感じるのに笑いが止まらないといったものもあります。

最近の記事

怒りを感じることの大切さと、どうポジティヴな行動へと導くか

日本語だと、「怒る」と聞くと、(たとえ不当な怒りだったとしても)怒りを感じた人が、自分より弱い立場の人に対して攻撃的にあたりちらすことのようにも思うのですが、実際、「Anger/アンガー(怒り)」という感情と、怒りを感じたことにより導かれる言動とは違うもので、分けて考える必要があります。 「怒り」という感情は、人間としてごく普通の感情であり、不当な扱いを受けた時、危険な目にあったときなど、自分のために立ち上がりたたかったり、状況によっては一時的に安全な場所に急いで退避するため

    • ディグニティ―: ひととして存在しているだけで、誰もが特別な価値をもっているー他人からどう扱われるかに関係なく

      イギリスの独立新聞のガーディアン紙の日曜版には、Physchotherapist(サイコセラピスト/心理療法士)・Author(作家)であるPhilippa Perry(フィリッパ・ペリー)さんが長年担当している相談コーナーがあります。 Agony aunt(アゴニー・アーント/新聞や雑誌の相談欄に回答する女性たを指していう)とも呼ばれています。 フィリッパさんは、女装をすることでも知られている現代陶芸家のGrayson Perry(グレイソン・ペリー)さんと結婚しています

      • 「赦す」ことは、忘れることとは全く違う ー 覚えておくことが必須

        「赦す」というと、何を想像するでしょうか。 南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に対して、命の危険を省みず反対し続けたDesmond Tutu(デスモンド・トゥトゥ)元大司教は、以下のように言っていました。 「Forgiveness(フォーギヴネス/赦し)は忘れることとは全く違う。実際には、(赦すということは)覚えていることで、覚えていても、(加害者に対して)なぐりかえす(同じことをやり返す)権利を使わないということです。 それは、新しい始まりへのセカンド・チャンスであり

        • Shared Humanity - 私たちが共通でもっているヒューマニティー

          たまたま聞いていたポッドキャスト「Intercepted」で、アメリカ人救急医師(もともとはパレスチナ難民の両親のもとにクウェートで生まれ、アメリカへ難民として移民)のMohammad Subeh(モハマッド・サベー)さんが、ガザでの数週間の救急医師の経験を話していました。 モハマッドさんの両親は、1948年のイスラエル建国時にユダヤ系民兵によって暴力的に追放された75万人のパレスチナ人たちの一部です。 モハマッドさん一家はKwait(クウェート)で難民として暮らし、198

        怒りを感じることの大切さと、どうポジティヴな行動へと導くか

        • ディグニティ―: ひととして存在しているだけで、誰もが特別な価値をもっているー他人からどう扱われるかに関係なく

        • 「赦す」ことは、忘れることとは全く違う ー 覚えておくことが必須

        • Shared Humanity - 私たちが共通でもっているヒューマニティー

        マガジン

        • アサーション ― 自分も相手も尊重する
          3本
        • ウクライナは勝たなくてはならない
          6本
        • Education - 教育はなんのため?
          2本
        • 人工知能と私たちの未来
          4本
        • ユーモアを通して知る文化 ー 英国スタンダップ・コメディー
          3本
        • セクシャルハラスメント ー グレイゾーンはない
          3本

        記事

          ディープフェイクを違法にーイギリス

          今日の朝、いつものように国営放送のBBC Radio4を聞きながら朝食をとっていたら、「Creating sexually explicit deepfakes becomes illegal (性的に露骨な表現をしているディープフェイクを作成することは、違法になります)」というニュースがありました。 ここでいうディープフェイクとは、AIソフトウェア等を使って合成された動画・画像を指します。 これは、とても画期的なことで、長い間待たれていたものでもあります。 これまでも、C

          ディープフェイクを違法にーイギリス

          Radical Empathy (ラディカル・エンパシー/急進的な共感)ー 世界も私たちもみんなつながっている

          Empathy(エンパシー)の主要な意味は、相手の立場に自分を置き、相手がどのように物事をみているか、感じているかを知ろうとすることです。 ただ、私たちが特権をもっているような環境にいて、それに気づいていない場合(例/その国や地域・社会での主要な民族・人種・国民である等も含む)、基本的人権を奪われているような人々のことを想像するのが難しいことは、意識しておく必要があります。 ベテラン・ジャーナリストでアカデミックでもあるIsabel Wilkerson(イザベル・ウィルカ

          Radical Empathy (ラディカル・エンパシー/急進的な共感)ー 世界も私たちもみんなつながっている

          Fierce Self-Compassion(フィアース・セルフ・コンパッション)/(たたかうための)強いコンパッション))

          ある日、いつものMeditation App(瞑想アプリケーション)のHeadSpace(ヘッドスペース/英語がベースでほかのヨーロピアン言語でも聞けるけど、アジア言語はなし)を聞いていると、アメリカの心理学者のKristin Neff(クリスティン・ネフ)さんのPodcastがあり、心に残りました。 Podcastで、クリスティンさんは、自閉症をもった息子さんがまだ小さい時に、かんしゃくがとまらなくなり、息子本人も苦しいのだろうと思いながらも、自分もつらくて、自分の腕をさ

          Fierce Self-Compassion(フィアース・セルフ・コンパッション)/(たたかうための)強いコンパッション))

          一人でみる夢はただの夢だけれど、みんなで一緒に見る夢は現実になる - Yoko Ono Exhibition at Tate Modern in London

          先月(2024年2月15日)から、Tate Modern (テイト現代美術館)で、Yoko Onoさんの展覧会が始まりました。9月1日まで開催されています。 Tate GalleryのMembership card(Tate Gallery傘下のすべての美術館ーTate Modern, Tate Britain, Tate St Ives等で有効)をもっているので、特別展では、一般の人々に公開される前の朝9時から10時まがメンバーのみの時間として設定されている日が数日あり、

          一人でみる夢はただの夢だけれど、みんなで一緒に見る夢は現実になる - Yoko Ono Exhibition at Tate Modern in London

          国際女性デー:再生エネルギーと女性

          先週の金曜日(2024年3月8日)は、International Women's Day(国際女性の日)ということもあり、それに関連したIRENA(International Renewable Energy Agency/国際再生エネルギー機関) が主催したウェビナーに参加しました。 ウェビナーの題目は、Invest in Women: Accelerate Progress Through Renewable Energy(女性への投資ː 再生エネルギーを通して進化を速め

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          Root cause(ルート・コゥズ/根本にある問題)を理解し、解決することの大切さ

          ヨーロッパにいると、戦地から報道するジャーナリストの多くが女性であることは、ごく普通のことです。 今回は、女性ジャーナリストでドキュメンタリー映画製作者でもあるSimona Foltyn(シモーナ・フォルティン)さんの鋭い中東状況の分析からです。 The Prospect Magazineは、無料で聞けるPodcastもあり、「What motivates Hezbollah, Iran and the Houthis? (何がヒズボラ、イランやフーシ派を動機づけているのか

          Root cause(ルート・コゥズ/根本にある問題)を理解し、解決することの大切さ

          希望と楽観性を持ち続け、団結して抵抗し続けることの大切さー独裁政治は内部から崩壊させられる

          Alexei Navalny (アレクセイ・ナヴァルニー/英語圏では、ナヴァルニーと発音され、日本で通用しているナワリヌイとは違います。でも、恐らく日本での発音のほうが現地語読みに近いはず)さんの死亡のニュースに伴い、ブリティッシュ(The UKの連合国4か国のうちのウェールズ国出身のウェールズ人)女性ジャーナリストの、Carole Cadwalladr(キャロル・キャドウォラダー)さんが、独立系新聞ガーディアン紙に興味深い記事を寄稿していました。 ちなみに、キャロルさんの

          希望と楽観性を持ち続け、団結して抵抗し続けることの大切さー独裁政治は内部から崩壊させられる

          優しさや共感を基盤とした社会

          イギリスの独立系新聞ガーディアン紙には、環境に強いベテランジャーナリストのGeorge Monbiot(ジョージ・モンビオット)さんが常駐エディターとし在籍しています。 ジョージさんは、環境問題があまり知られていなかった頃から、環境について書き、ときには、環境問題を理解したくない・理解しない人々を相手に、フラストレーションで涙を流しそうになったこともあることから、映画の「Don't look up」の主人公のうちの科学者にたとえられることもありますが、彼の環境に対する深い知識

          優しさや共感を基盤とした社会

          ドイツでの民主主義への希望

          定期的に聞いているPodcastの中に、Financial Times(ファイナンシャル・タイムズ)の「The Rachman Review」があります。ブリティッシュ・ジャーナリストのGideon Rachman(ギデオン・ラフマン)さんが担当しているポッドキャストです。 ヨーロッパに住んでいると、名前からユダヤ系なんだろうと気づくと思うのですが、父はユダヤ系南アフリカ人で、イギリス生まれ・育ちではあるものの、子供時代の一部は南アフリカで過ごしたようです。ジャーナリスト時代

          ドイツでの民主主義への希望

          普通の市民にできる草の根外交運動:パレスチナの人々の命と尊厳を守るために

          最近、イギリスの独立系新聞ガーディアン紙に、ユダヤ系カナダ人女性ジャーナリスト・作家・映画製作者・アカデミックのNaomi Klien(ナオミ・クライン)さんが、パレスチナの人々の基本的人権と自由、安全が保障されるためには、イスラエル政府が日々行っている国際法違反や戦争犯罪をやめることが必要で、そのために国際社会がプレッシャーをかけ、イスラエル政府が国際法を守るようになるまで、私たち地球上の誰もができることについて、寄稿していました。 ここから読めます。 ちなみに、「Naom

          普通の市民にできる草の根外交運動:パレスチナの人々の命と尊厳を守るために

          歴史や人文学は、他の(人々の)見方もあることに気づかせてくれ、世界を豊かにしてくれるもの

          最近、女性ベテラン・ジャーナリストのChristiane Amanpour(クリスティアン・アマンプール)さんの番組に、東ヨーロッパを専門とする歴史家のTimothy Snyder(ティモシー・スナイダー)さんが登場していました。 ここから聴けます。 ちなみに、クリスティアンさんは、父がイラン人で、母はイギリス人のキリスト教徒のようです。小学校はイランの首都テヘランで、その後はイギリスの寄宿舎学校へと送られ、イギリスにいる間にイスラム革命や戦争が起こり、父は全てを失い、家族

          歴史や人文学は、他の(人々の)見方もあることに気づかせてくれ、世界を豊かにしてくれるもの

          失敗することの大切さ

          ある日、偶然、スダーン生まれでイギリスで活躍する女性ジャーナリストNesrine Malik(ネスリン・マリック)さんの出演するポッドキャストに遭遇しました。 ネスリンさんは、イギリスの独立系新聞紙ガーディアンのジャーナリストでもあります。ここから、彼女の記事が読めます。 録音されたのは、少し前(2019年)になります。 ネスリンさんの記事は長年興味深く読んでいるのですが、鋭い見方と深い知識で書いていることと、母国語でない英語で書いているせいもあるのか、フォーマルで固い表現

          失敗することの大切さ