マガジンのカバー画像

斬鉄アーミー 一太刀

11
「斬鉄アーミー 一太刀」の5回目(ラストのつもり)の描き直し。 少しづつ上げて行きます。
運営しているクリエイター

記事一覧

兵ロック

「斬鉄アーミー 一太刀のテーマ」

Vo,Gt:鈴木公基
リードギター:メトロさん
Dr,シーケンス:マッピーさん
Ba,リミックス:マシロさん

⑩鬼ふうじ小平と形塚龍三⑵

黒い侍は、

刀のこいくちを切り、柄を握り、

抜刀術の構えをとった。

足のつま先を、

ジリジリ、ジリジリと、

敵の注意をそらすよう音を立て、

場馴れした雰囲気で間合いをはかってきた。

小平「…。

!!

(まさか!?)」

小平は、その男の刀の構えと足くせを充分に理解していた。

小平「…(頼む!!杞憂であってくれ!!)」

と、

小平は一打目の牽制に、

数ある剣客にしか返せない

もっとみる

⑨鬼ふうじ小平と形塚龍三⑴

浮き世平原の戦さから二日後の午前。

形塚龍三は、

現在の君主、バック ディナーから授かった、

吸血鬼退治用の杭を、

外出用の着物のふところに収めた。

一方その頃…。

鬼ふうじ小平は、

今日の夜、

一太刀と浮き世騒動の今後について、

熱く語る事を楽しみにしながら、

午前中の内から、

一太刀の母家界隈で釣りを始めていた。

小平「早く、夜が来ないかの〜。

いったい何を話そうかの

もっとみる

⑧浮き世藩 攻撃部隊 隊長 「形塚 龍三」

浮き世平原いくさの次の日。

浮き世藩 攻撃部隊 隊長 「形塚 龍三」

(かたつか たつぞう)は、

夜、ひそかに落雷神社を訪れていた。

ザ、ザ、ザ、ザ…。

(草履の音。)

神社むかって左側の放生池(ほうじょうち)で
立ち止まり、

龍三「…。」

龍三は何を思ったのか、

いきなり放生池に向かって、

その身を勢いよく投げ出した。

バチバチバチ…!!!

池の上空で、

龍三と静電気

もっとみる

⑦帰路

一太刀と小平は、

吸血鬼武者たちの手から逃れ、

浮き世城下町と海に分かれる分岐路まで、

ゆっくりと進んでいた。

小平「…ところで、狂人。

そなた名は何と申す。

私は小平、

鬼ふうじ小平だ。」

一太刀「オレは…、一太刀。

性は幼少の時に忘れた。

オレは昔から、

一太刀とばかり名乗ってきた。」

ふいに、

一太刀が、

小平の肩に回していた右腕をほどいた。

一太刀「ありがとう

もっとみる

⑥小平と一太刀

一太刀「くっ…。

もはや、

ここまでか…。」

一匹の吸血鬼武者を、

深手をおいながらも成敗した一太刀へ、

一匹、一匹、また一匹と、

新たな吸血鬼武者が集まりだした。

…。

一太刀は先ほどの戦いで、

疲れが頂点に達していた。

小平「…。

うむ。

人影はない。

この拍子か。」

…。

小平がそう呟くと、

小平は鬼ふうじ家に代々伝わる伝家の宝刀、

「地獄刀」(じごくとう)

もっとみる

⑤吸血鬼武者・ドラキュラ アーミー

煌々と輝く満月の夜、

浮き世城ちかく浮き世平原で、

ポンっと、

一つののろしが上がった。

…。

ーその日の朝ー

鬼ふうじ小平は、

浮き世藩・藩主から、

直々の任務があると言われ藩に呼ばれた。

それは、

藩が機密に入手した情報で、

兵達、残党一派が、

浮き世城ちかく浮き世平原で、

おおぴっらに戦さを始めると言う、

内容だった。

大名「鬼ふうじ小平、

兵達、残党一派が、

もっとみる

④小平日記

ジ、ジ、ジ…。

小平の草履の音が聞こえる。

ジ、ジ、ジ…。

蕎麦屋「…お…〜い、

小平さ…〜ん!

私のところでそばでも、

いかがですか〜?」

小平「…。

(顔を上げ、お店の方へ振り向く。)

…。

浮世絵そば…。

おお、かたじけない。

…。

…。

いや、しかし…。

主…。

今、ちと考えごとがあっての。

うん、また後で店に寄らせてもらう。」

蕎麦屋「そうですか〜。

もっとみる

③戦さ荒らし

戦国時代終わり。

文明の流れに逆らい、

未だ天下統一を謳う、

無惨に散って行った兵どもの魂が、

戦地をさまよう。

「浮き世」各地の野武士の戦さも、

時の流れに合わせ、

風化の一途を辿って行ったが、

その一方で、

いまだ各地で、

小勢力でこ競り合う、

野武士残党一派の姿も未だ目立っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー浮き世城下町ー

バサバサ〜!!

もっとみる

②ほろ酔い

一太刀「闘いだ!!

刃が!!

オレを呼んでいる!!

…。

…兵はどこだ!」

…。

一太刀は孤高の夜に呟く

…。

異国の鬼に血を吸われ、

吸血鬼の一員となった一太刀は、

夜、

身体から、みなぎらんばかりの力を持て余し、

兵どもとの闘いを高揚して想像した。

…。

一太刀「…。

兵は…。

兵はどこだ!!

…。」

暗闇に無意味に響く声。

…。

一太刀の追い求める兵の

もっとみる

①目覚め

巨大な満月、

心地よく聞こえる大海原の満ち干き、

砂浜を下を向いて歩く男。

ビチビチ、ビチビチ。

男の腰に付いている籠(かご)から、

活きのいい魚の音が聞こえてくる。

…。

一太刀「あ〜、今日も疲れた。

魚の収穫はイマイチだったな。

しかし、腹が空いた〜。

早く家に帰ってご飯でも食べよう。」

…。

一太刀がいつもの様に、一日の漁を終わらせ、

晩ご飯の魚の焼き具合を想像して

もっとみる