⑧浮き世藩 攻撃部隊 隊長 「形塚 龍三」

浮き世平原いくさの次の日。

浮き世藩 攻撃部隊 隊長 「形塚  龍三」

(かたつか たつぞう)は、

夜、ひそかに落雷神社を訪れていた。

ザ、ザ、ザ、ザ…。

(草履の音。)

神社むかって左側の放生池(ほうじょうち)で
立ち止まり、

龍三「…。」

龍三は何を思ったのか、

いきなり放生池に向かって、

その身を勢いよく投げ出した。

バチバチバチ…!!!

池の上空で、

龍三と静電気の磁界の乱れがしょうじた。

バチバチバチバチ…バチバチバチバチ…。

バチバチ…。

ジ…ジ…ジ…ジジ…。

磁界の乱れが数秒で終わると、

放生池と神社は再び息を静め、

鈴虫のリンリンと鳴く声が神社に響いた。

ームーン・ハウスー

バック ディナー「…。

龍三、どういう事だ。

なぜ浮き世平原で一太刀は仕留められなかった。」

龍三「はっ。

申し訳ございません。

…思わぬ邪魔が入りまして。」

バック ディナー「…。

お前の部下、小平か。」

龍三「…。

はっ。

さようで。」

バック ディナー「…厄介だな。

厄介な奴らだ。

…。

龍三…。

半吸血鬼のお前なら、

日中のあいだ、

一太刀の寝込みを襲い、

奴を葬ることができるだろう。」

龍三「…はっ。

可能です。」

バック ディナー「よし、

ならば良いだろう。

この杭を持て。

この杭で吸血鬼の弱点、

心臓を突き刺すのだ。

…。

一太刀の心臓を…、

突き刺すのだ。」

龍三「御意…。」

バック ディナー「…フハハ、

フハハハハハ!!!

これでいい!!

恐れる物は何も無い!!」

ムーン・ハウスに、

バック ディナーの笑い声が響いた。






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