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2020中国 C 向けサービスカオスマップ|多分一番いいヤツ

こんにちは、ちゃいなマーケターのすがぬまです。一弾目の note でそこそこ反響を頂いて、だいぶ気分が良くなりましたこの頃です。

応援してくれた皆さま、本当にありがとうございます!お礼も兼ねて、第二弾では、2020年最新版(2020/06時点)の「中国 C 向けサービスカオスマップ」をお届けしたいと思います。

実は「中国の XX 業界ではどんなサービスがあるの?」という質問をよく頂き、残念ながらどこを調べても、あまり網羅的な日本語リソースの情報がなく、あっても「それ古いよ…ぜんぜん違うよ…」みたいな、中国のリアルと乖離している情報なので、「だったら自分で作っちゃお」みたいなテンションで書き始めました。

んで、いざ書いてみると信じられないボリュームで、週末なのに何やってんだろと心が折れかけましたが、皆さんの笑顔が浮かび(ここ大事)なんとか最後まで、そこそこ満足いくものが出来上がりました。

ので、はいっ、どーん。

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本当に多くて… 今回は一部を厳選してまとめてみました。選定基準は ❶市場シェアが高く代表的なもの ❷本当にみんなに使われているもの ❸一発屋ではなく今後も伸びていくと思われるもの です。そして、この中の約8割くらいは実際に自分が使ったことがあるものです。それでは、ゆるりと(まじめに)解説していきます。(おまけで最後にリンク集を。)

*中国のサービス、頻繁にロゴ変えすぎ(怒)

❶ Eコマース系主要サービス解説(多め)

中国は世界で最大規模の EC 市場を有しております。2019年では市場規模が約165兆円といわれており、ざっくりアメリカの2倍日本の10倍です。しかもなお毎年20〜30%のスピードで成長しているというのだから凄い。

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中国で E コマースの王様とえば、アリババです。最強です。どのくらい最強かというと、アリババ以外の中国国内 EC の GMV(流通取引総額)を全部足しても、アリババには敵うか敵わないか… その額なんと1兆ドル(ドルですよ?)

Taobao (淘宝)、TMALL (天猫)、TMALL Global (天猫国际)、そして网易から買収した Kaola (考拉海购) がアリババの C 向け E コマースの代表格です。どのサービスも国内でそのカテゴリーのトップを走っています。まさに王者の風格。

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Taobao と TMALL の違いは、一言でいうと「出店敷居の高さ」です。Taobao (淘宝) は E コマースの黎明期に誕生したサービスで、C2C モデルで、誰でも簡単な審査で出店できるものでした。中国の Eコマースを牽引したサービスで今なお現役ですが、昔からそこに重大な問題があったのです。そう、偽物出品です。そこで、アリババは Taobao の偽物出品と常に戦いながら、同時に100%本物しかないプラットフォームを作ろうと、立ち上げたのが TMALL (天猫) なのです。

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TMALL は本当に名のあるメーカーしか出店できず、厳重な審査があります。したがって、中国進出する際には、日本のメーカーも多く利用しています。そして、越境 EC が普及し始めて、海外企業からの越境進出に応えるサービスが、TMALL Global (天猫国际)です。Kaola (考拉海购)と並んで、国内越境 EC のツートップといえます。

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JD.com (京东):永遠の2位、アリババの後ろで虎視眈々と王者の座を狙っています。サービスのラインナップもアリババ群と非常に似ています。ウォルマート傘下の「1号店」を買収したのは「打倒アリババ」の強い意志の現れといえるかもしれません。

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TMALL とほぼ違いがわからない… けど正直自分は TMALL 派なので JD はあまり使わなかったです。

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Suning (苏宁易购)、Guomei (国美):この2つの前身は家電量販店でした。日本でいうところのビックカメラヨドバシカメラみたいなものですね。なので当然家電系が強いですが、総合型 EC として成功しています。ちなみに、Suning が圧勝です。更にちなむと、Suning にもアリババの資本が入っています。アリババ最強かよ!

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Amazon (亚马逊):一応触れておかないと… 中国でもちゃんとアマゾンはあります。がしかし、なんと市場シェアはわずか数パーセント、あのアマゾンがですよ?なんだかんだ10年以上昔から頑張っています。最近は越境に力を入れているみたいです。

Vip.com (唯品会):「特売」を売りにしている尖った EC です。ブランド品やファッション系がメインで、ユーザー層は女性です。ずっとセールやってます。逆にセールじゃないものを探すのが難しいです。もはや、セールってなに?

RED (小红书):前身は日本製品の輸入 EC でした。そうすると、売れるのは大抵化粧品や健康食品系なので、ユーザー層がほぼ女性ということもあって、途中から SNS 要素を入れて、大変身。Instagram × EC みたいなもので、コンテンツ型 EC の先駆者といえます。中国でインフルエンサーマーケティングを行う際によく使われる媒体です。

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Pinduoduo (拼多多):このサービスには度肝を抜かれました。中国の EC も成熟期に入ったかぁ〜なんて思ってたこの頃、彗星が如く現れ、瞬く間に市場シェアをかっさらい、2015年設立からわずか3年でナスダック上場まで成長したのがこのサービス。そのモデルは C2B なんていわれており… 

し、C2B… だと?

ざっくり説明するとソーシャルと EC をかけ合わせた「団体購入」サービスです。C2B といわれるのは、ニーズが先にあって、それに合わせて企業が在庫を準備するから、C に B が合わせるという意味でそう呼ばれています。UI/UX としては、クラウドファンディングに「参加者が多ければ多いほど安くなる」という要素を加えたもの近いです。

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その他にも、「中国版メルカリ」といわれる ZhuanZhuan (转转) 、ライブコマースに特化した Mogujie (蘑菇街) 、生鮮食品に特化した Yiguo (易果) 、マタニティ&赤ちゃん特化の Beibei (贝贝) などがありますが、挙げだしたらきりがないので、それはまた別の機会で。

❷ 旅行系主要サービス解説

旅行系は横並びにいっぱいありますが、ぶっちゃけ似たりよったりなので、僕の個人的に好きな特徴的な3つを紹介します。

Ctrip (携程):Baidu (百度バイドゥ) と Booking.com の資本入りの世界最大級の旅行プラットフォームです。みんな大好きスカイスキャナーは、実は Ctrip に買収されています。ちなみに、日本や海外でもバリバリサービスを展開していて、グローバルでは名前を変えているから気づいていない人も多いのかもしれません。その名も「Trip.com」!( がなくなってる!?)一体、そのドメインにいくらかかったんだろう…

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Fliggy (飞猪):アリババの旅行プラットフォーム。かなり後発ですが、その分、今の旅行者に非常に寄り添った機能が多く搭載されています。例えば、旅行の達人による記事の投稿や、旅行前に商品の予約をして現地で受け取れるサービスだったりと、若者に人気な機能があります。なので、90後 (1990以降に生まれし者) のユーザーが半数以上を占めています。名前の意味は「飛ぶ豚」(紅の豚をイメージしているのだろうか…)。

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Mafengwo (马蜂窝):中国版 Tripadviser みたいなもの。旅行者が旅行日誌を投稿するプラットフォームです。公式から各国の旅行ガイドブックを出していたりと、旅行するなら目を通しておきたいサイトとなっています。こちらもいわゆる「旅行インフルセンサー」が多くいるので、インバウンド観光のマーケティングの有効な媒体として挙げられます。

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❸ フード&デリバリー系サービス解説

市場はほぼ2つのビッグサービスに占められていると言っても過言ではないですかね。

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Meituan (美团)古くからある日本でもちょっと有名な大衆点評が、美团と合併してさらにテンセント資本が注入されて国内最大級の口コミ&デリバリーサービスとなってます。喩えるなら、(食べログ+UberEats) × 全店舗形態 みたいなもの。レストランだけでなく、スーパー、娯楽施設、ホテルなどいろんなレビューが見れます。

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ele.me (饿了么):一方、アリババの eleme は本当にフードデリバリーに特化している感じで、配送のスピード(美团は自転車なのに、eleme は原付き)にこだわって 30 分で到着なんて謳っています。なので、フードデリバリーだけでいうと eleme を使っている人のほうが多い印象。ちなみに名前の意味は「お腹空いた?」です、覚えやすい!

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❹ SNS系主要サービス解説

テンセントの一強と言えるでしょう。EC のアリババSNS のテンセントつってね。でも、意外と知られていないですが、実は日本でもある程度知られている Weibo (微博) はアリババが大株主です。

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WeChat (微信):ほぼ LINE です。けど、常に LINE の1歩先をいくサービスです。昨今では、LINE も LINE Pay や、ポイントや、ミニアプリなど「スーパーアプリ化」的な動きが強くなってきていますが、それらほぼ全ては数年前に WeChat がやっていたものです。WeChat をみれば、LINE の未来がみえる、と言っても過言ではなかったり、あったり。ユーザーは 11 億人強です。なにそれ。

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QQ:ちなみに、テンセントが SNS の天下を獲ったキッカケとなるサービスが中国通なら皆ご存知の QQ ですよね。昔は、msn(今はもう死語)が流行っていた時代にそのコピーとして中国で使われていたサービスで、今もなおユーザー数が多く、数億人は確実にいます。WeChat とうまく棲み分けして Skype みたいなサービスになって、仕事で使わるシーンが増えました。

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Weibo (微博):中国版の Twitter ですが、最近ではこちらもアリババ資本が注入されています。インフルセンサーマーケティングと基盤を創ったサービスともいわれています。最近では、後発のプラットフォームにどんどんシェアを奪われていますが、それでもなお強い存在感を示しています。そんなところも含めて本当に Twitter みたい

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Baidu Tieba (百度贴吧):自分が中学校くらいの頃からあるサービスで、もう十年以上の歴史があります。いわゆる掲示板系のサービスで、日本でいうところの2ちゃんねる的なものです。アプリとしてどんどん改善されていって、本当に多くのコミュニティが存在しています。自分の使い方は、もっぱら漫画系のコミュニティに入って、みんなの伏線分析や展開予想などを楽しんでいます。

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Zhihu (知乎):Q&A 系プラットフォームというべきでしょうか。一般人も専門家も分け隔たりなく参加して、中では出版やコンテンツ販売までもできる。まさに知的 SNS プラットフォームと言っても過言ではないです。中国のネタはよくこのサイトで収集します。分かりやすく喩えるならば、「Yahoo知恵袋 + Newspicks」的なものでしょうか。

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Tantan (探探):みんな大好き出会系 SNS ですね。まさに中国版 Tinder というところでしょうか。しかし、ブランディング的には若干オブラートな感じで、「友達を見つけよう」的なブランディングになっています。アジアでは最大で3億人くらいユーザーが居るらしいです。日本語版もあります。

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❺ 動画系主要サービス解説

中国の動画サービスの概要として、まず NetflixHulu みたいな配信系サービスの特徴は、ほぼ全部無料であること。映画もドラマも見放題。ただし、めちゃくちゃ広告流れます、60秒とか平気で。

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iQIYI (爱奇艺)、Tencent Video (腾讯视频)、YOUKU (优酷)が最も有名で代表的なものです。YOUKU はアリババ資本で、歴史がとても長く、動画系サービスの走りでした。中国版 YouTube なんていわれていた時期もありますが、後発のサービスがどんどん出てきて、今では群雄割拠な感じです。

面白いのは、Le (乐视视频)で、こちらはなんとテレビ自体も製造販売しています。テレビを買えば動画見放題、テレビのUIも最適化されていて、かなりシェアが伸びました。

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もう一つが、動画配信系ですね。YouTube みたいな個人がアップロードするタイプのやつですが、これも YouTube みたいな何でも系と、TikTok みたいな短尺系で別れます。ちなみに TikTok は海外向けのブランドで、本土のものは Douyin (抖音) といって、なんと完全に別れた違うプラットフォームなのです。

Douyin (抖音) と双璧をなすのは、Kuaishou (快手) です。まあ、UI とかはもうほぼ◯パクリですね。けど、違うのはユーザーの囲い込み方で、Douyin は名前の通り、音楽を基軸として誰でもミニアート作品を作れるというコンセプトですが、Kuaishou は短編ムービー的なコンテンツを推奨しており、中国では「小段子」といわれていますが、短いストーリーでエンタメを届けるような作品に溢れています。短編 Vlog プラットフォーム的な。どちらも、生配信にも力を入れていて、ゲーム配信は特に人気ですね。

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bilibili (哔哩哔哩) は絶対に触れておかないと… 日本が誇るアニメ・ヲタク文化にインスパイアされて生まれたサービスです。どことなくニコ◯コ動画の影を感じるのは、まぁ、リスペクトですね。少し前までは、日本でも観れていたんですが、最近ではアニメの版権とかもバンバン買い取って、中国で日本のアニメを配信しています。もちろん個人の投稿もアリです。合法です。

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❻ 決済系主要サービス解説

ここでもアリババ vs テンセント、もうバチバチですよ。

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Alipay (支付宝):これを語らずして、中国のインターネットの発展は語れないと言っても過言ではないですね。アリババの誇る決済サービスですが、実は 15 年以上も前に誕生しているのです。その当時は、当然今みたいなどこでも使える電子決済ではなく、あくまでインターネット取引用のサービスでした。Paypal に似たようなものですね。

ただ、当時のアリババは、前述した Taobao の偽物出品を代表とする様々な問題に頭を抱えていました。そのため、顧客との間に決済を代理するシステムが必要だったわけですね。買い主がお金を Alipay に支払い、それを売り主が確認したら、配送をする。買い主が商品を確認して、問題がなければ売り主がやっと Alipay から代金を引き落とせる、というやつですね。これがあって、やっとインターネットでも安心して取引ができ、アリババが急成長を果たします。そんな Alipay は今でも国内でトップシェアを誇ります。

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僅差で Alipay の後を猛追しているのが、WeChat Pay (微信支付) ですね。まぁ、LINE Pay みたいなものです。テンセントが誇るユーザー数 11 億人以上(2019年)のモンスタープラットフォーム WeChat に内包されている決済サービスです。こちらはだいぶ後発ですが、モバイルに特化しているのと、その使いやすさとが相まって、一気にモバイルペイメントのシェアをかっさらってしまいます。手軽に送金できる、ホンパオ (红包) という機能は正月のお年玉送付で使われ、大ブームを起こしましたね。

ちなみに、この2つでほぼ市場の全シェア(九十数パーセント)をとっています。他のサービスは数パーセントくらいしかないです。

余談ですが、中国ではなぜかクレジットカードがあまり流行っていません銀聯(ぎんれん)カードってよく聞きますけど、あれほとんどデビットカードで、みんな有り金を使うのが主流です。その理由は様々ですが、それはまた別の機会で語りましょう。

❼ 配車系サービス解説

DiDi が日本にも上陸したときはびっくりしましたね。めちゃくちゃスムーズに市場を取りに来たなという印象で、今では使っている人もちらほら見かけるようになったのは僕だけでしょうか?

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Uber の失敗からしっかり学んで、C2C にこだわらず、日本ではタクシーの配車でサービスを展開しましたね。JapanTaxi 的な。ぶっちゃけ鋭いです。日本の法律改定を待ちながら、爪を研いでいる感じですね。

DiDi は中国で強すぎて、結局 Uber も歯が立たず、Uber の中国法人は吸収されてしまいしました。Kuaidi (快的打车) というのもありましたが、これも吸収。中国ではもう覇者となってます。Apple とソフトバンクが投資しているのは有名ですね。

終わりに

さて、軽い気持ちで始めた中国 C 向けサービスカオスマップでしたが、いかがでしたでしょうか?すがぬまは褒めると伸びるタイプですので、ぜひ引き続き応援よろしくお願いいたします。そうすれば、調子に乗って、また皆さんに有益な情報を配信しますし、アンチ&ディスされても、結局仕事だと割り切って渋々がんばります。

ツイッターでもよくつぶやいてます〜

@tetsuyagnu

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おまけ:リンク集

EコマースTaobao (淘宝)TMALL (天猫)TMALL Global (天猫国际)Kaola (考拉海购)JD.com (京东)Amazon (亚马逊)Vip.com (唯品会)RED (小红书)Pinduoduo (拼多多)ZhuanZhuan (转转)Mogujie (蘑菇街)Yiguo (易果)Beibei (贝贝)

旅行系Ctrip (携程)Fliggy (飞猪)Mafengwo (马蜂窝)Qunar (去哪儿)tuniu (途牛)TongCheng (同程旅游)

フード&デリバリーMeituan (美团)ele.me (饿了么)Koubei (口碑)大衆点評 (大众点评)

SNS系WeChat (微信)QQWeibo (微博)Baidu Tieba (百度贴吧)Zhihu (知乎)Tantan (探探)RED (小红书)

動画系iQIYI (爱奇艺)Tencent Video (腾讯视频)YOUKU (优酷)Le (乐视视频)マンゴーtv (芒果tv)Douyin (抖音)Kuaishou (快手)bilibili (哔哩哔哩)


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