マガジンのカバー画像

【連載小説】突然,覚醒しちゃいました

22
運営しているクリエイター

#スピリチュアル

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました22

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました22

「井上君は正直だね、農業って辛いよね、腰が痛いし手足が冷たいし、早くAIが全部やってくれるようになるといいんだけどね」
「山本さんだから言うんですよ、社長には楽しいとしか言ってないですからね」
「次は身体を繋がりやすい状態に変えていくよ
1、鼻で息を吸って口でゆっくり吐く
2、息を吸う時に空間のエネルギーを吸収する
3、息を吐く時に周りの空間に溶け込む
息を吸う時にエネルギーを吸収するというのは、

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました21

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました21

「チャネリングでハイヤーセルフと繋がりやすくするには準備が必要なんだ。慣れてくると瞬間的に繋がる事ができるようになるけど、最初のうちは思考の切り替えと身体的な切り替えを行うことで繋がりやすくなる。まずは思考を変えることから始めよう。重い思考というのは魂とのシンクロ率を下げる効果がある。呼吸によりその重い思考を手放していくんだ」
「どんな体制でやればいいですか?」
「楽な姿勢で座ればいい、椅子に座る

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑪

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑪

臨死体験をしてから、生きる意味というのを考えるようになった。以前はお金を稼いで趣味を楽しみ、結婚をして子供を育て、家を買ってローンを払い、老後の貯金をためて65歳以降は年金生活をするなんて考えていたが、なにか無意味な人生のような気がする。だからといって三途の川を渡りかけて帰ってこれたのに人生を終わりにするのも勿体ないし自殺する勇気もない。とりあえず軍国主義のような競争社会に戻りたくなくて農業の世界

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑩

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑩

休みの日には神社仏閣参拝に行くようになった。鳥居から神社の境内に入ると結界が張ってあるのを感じた。強制的にチャネリング状態になり天地創造なのかこの世の終末の映像が思い浮かぶ。神社の境内は古代のエネルギーを感じる。本殿の近くで御祭神の須佐之男命とチャネリングをすると、優しく微笑んでいる姿が見えた。これが神様との初めてのチャネリングだった。

別の日にはお寺の仏像とのチャネリングに挑戦してみた。本堂に

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑨

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑨

山田農園で働き始めて1年、畑を5か所任されるようになった。作業にも慣れて帰宅後に趣味や読書をする余裕も出てきた。霊は相変わらず見えていたが、スイッチを切る方法が分かった。最初のうちはいつも同じ場所に霊が見えたり、窓から覗いている霊がいたりしたけれど、いつものことだし何も危害を加えないと思って気にしなくなったら見えなくなってきた。霊が見えるようになってから、霊感が強い方の苦労が分かった。あれだけ霊感

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑦

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑦

ネットで検索すると、無農薬の農業は会社としてやっているところが多いようだ。手間がかかり、収穫量も少ない農業なので野菜の金額も高くなる。その為スーパーに並ぶことは少なくレストランと直接契約しているようだ。
求人を募集しているところを見つけ応募すると2日間の研修を受けることになった。家から高速道路で2時間の農村にある本田農園という会社だ。9時に山田農園に着くと、会社で作っている季節ごとの野菜の説明を受

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました③

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました③

「さとる、もう退院していいって、結構あっさりとしてるよねベッドが足りないのかしらね、まーあなたは車に轢かれたわけではなく転んで頭を打っただけだからね、意識さえ取り戻せば健康で怪我もないしね、念のため仕事は一週間休んだほうがいいって看護師さんが言ってたよ」 
「ありがとうお母さん、ちょうど働く気がしなかったんだ。あれだけ営業成績トップを狙って頑張っていたのに性格が変わったのかな。競争心がなくなちゃっ

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました②

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました②

「お母さん、あの小学生の男の子は誰?」
「何言っているの?ここには2人以外誰もいないよ」
どうやら僕は霊が見えるようになったらしい。
臨死体験により霊的覚醒が起こるというけれど、僕はそれを体験しているみたいだ。
「じゃーお母さんはナースセンターに起きたって言ってくるね」
頭を打つ前から今までの記憶がないのに、彼女に振られたのは覚えているなんてどういうことだ。もうちょっと前から記憶がなくなっていたら

もっとみる
【連載小説】突然、覚醒しちゃいました①

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました①

彼女に振られて生きる意味なんてない、もう死んでやる。僕は車に飛び込んだ。「ガシャーン」

「あれ、ここはいったいどこだ?」 

僕は病院のベットで目覚めた。なんだったんだ今の夢は、あれが三途の川ってやつか。というかなんでここにいるのだろう。分からないことだらけだ。彼女に振られたことまでは覚えているのに、そこからベットまでが思い出せない。

「さとる、起きたの?心配したのよ」

「ごめんお母さん、な

もっとみる