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【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑨

山田農園で働き始めて1年、畑を5か所任されるようになった。作業にも慣れて帰宅後に趣味や読書をする余裕も出てきた。霊は相変わらず見えていたが、スイッチを切る方法が分かった。最初のうちはいつも同じ場所に霊が見えたり、窓から覗いている霊がいたりしたけれど、いつものことだし何も危害を加えないと思って気にしなくなったら見えなくなってきた。霊が見えるようになってから、霊感が強い方の苦労が分かった。あれだけ霊感が強くなりたいって思っていたのに、強くなってみるといらない能力である事が分かった。

未来が見えるのはチャネリングだろう。ということは前世が見えたり、神仏とも会話できるんじゃないか。地震が起きた未来を見るときは目を閉じて瞑想のような状態になる。この時に地震に焦点を当てるのではなく、前世を考えてみた。すると海岸の景色が見えた、そしてその景色を見ている前世の自分を見ると僧侶のような恰好をしている。見たことのない海岸の景色なのになぜか高知県だと分かった。仕事は僧侶で山を歩き修行しているようだった。

前世って簡単に見えるんだな。でもこんな不思議な事誰も理解してくれないだろう。日本って不思議なことは何でも宗教って思われちゃうからな。

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