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【連載小説】突然、覚醒しちゃいました②

「お母さん、あの小学生の男の子は誰?」
「何言っているの?ここには2人以外誰もいないよ」
どうやら僕は霊が見えるようになったらしい。
臨死体験により霊的覚醒が起こるというけれど、僕はそれを体験しているみたいだ。
「じゃーお母さんはナースセンターに起きたって言ってくるね」
頭を打つ前から今までの記憶がないのに、彼女に振られたのは覚えているなんてどういうことだ。もうちょっと前から記憶がなくなっていたら失恋のショックも和らいだのに。いや待てよ、なんか振られたことなんかどうでもよくなってきた。僕は子供のころから憧れていた不思議な力を手に入れたんだ。でもいざ手に入れてみると、なにか普通のことのように思えてくる。だってもともと人間というのは身体と魂でできているのだから、能力を手に入れたというか、能力に気が付いただけなのだから。
他に何が出来るのだろう。霊が見えるだけでは何も得にならないもんな、未来が見えたり、心が読めたりするのかな。 

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