見出し画像

【注意点】引継ぎの際に気を付けたいこと

5月も終わり、新入社員は研修を終え、各職場に配属されOJTが始まる頃でしょうか。また組織全体の異動も落ち着き、本格的に業務の移管が行われる時期でもありますね。

この時期になると、人事担当はよく社員から相談を受けます。

相談の内容はもちろん引継ぎや教え方について。

教わる側は『相手がなにを言ってるかよく分からない』
教える側は『相手が何度言っても理解してくれない』

そんなアンマッチが生まれ、人間関係そのものに禍根を残してしまうケースが少なからずあります。

本来引継ぎは、相手の教育と、自分の成長、それから二人の信頼感を醸成する大切な場です。

ただ、その方法論を知らないことで、せっかくの機会を活かしきれないのは非常にもったいないことだと思います。

以下、私が伝えている引継ぎの際に重要な点をお伝えいたします。

教え方2

1.相手の知識レベルを確認する
事前に引継ぎ相手の知識や経験はしっかりと確認しましょう。
法律や専門知識の土台がなければ理解できない内容であれば、遠回りなようでもしっかりとそこから教えてあげるのが丁寧な引継ぎとなります。
本格的な業務引継ぎの前に、こういった知識が必要だからと伝えて相手に自習を促すのも良い方法です。

2.相手のモチベーションを把握する
相手が前のめりで業務を習得しようとしているのか、それとも後ろ向きなのかにより教え方は変わってきます。その業務の重要性や、意義をしっかりと伝えるようにしましょう。またそう言ったモチベートが難しい間柄の場合は上司に相談し、代わりに伝えてもらうことも可能です。

3.教えたい事柄の全体像を伝える
まず重要なのが引き継ぎたい知識や業務の全体像をしっかりと伝えることです。業務の引継ぎという事であるとどうしても個々の作業の話になりがちですが、必要なのはその作業が全体のどこを構成しているのかと言う理解です。例:レンガを積んでいる < 壁を作っている < 教会を作っている

4.伝える順番を考える
次に重要なのは伝える順番です。引継ぎは日々の業務と共に進むものですが、起きた順番、そして思いつくがままに伝えると歯抜けの知識になりがちです。3でも書いたように、まずは全体感。次に重要度や、時系列に沿って構造的に説明を行えるようにしましょう。
ここを以下に理路整然と説明できるかは、自分がその業務についてどれだけ理解できているかの指標となります。

5.説明のスピードに注意する
人に何かを教えるというのは本来楽しくて、気持ちの良い行為です。
つい興が乗って早口になるということもしばしば。相手のメモや、知識の租借の時間も鑑みて、ゆっくり目に説明することを意識しましょう。
重要なことは何度立ち戻って教えてもよいでしょう。

6.使う語彙を意識する
相手の状況により専門用語の使用は控えましょう。特にマーケティングや、
IT分野ではたくさんの略語がありますので、それらを安易に使用することは危険を伴います。1で確認した相手の前提知識と共に単語一つ一つをなるべく簡素な言葉で言い換えて理解をみながら伝えるようにしましょう。

7.与える情報量を調整する
説明する側は頭の中の知識を伝えるだけですが、説明を受ける側は聞く、理解する、定着する、ほかの知識と繋げる、と様々なことを同時に行う必要があります。引継ぎは間違いなく説明を受ける側に負担の大きい行為です。
ノート見開き1ページ分ぐらいの引継ぎ内容が1日の限界量と理解して、
余裕のあるスケジュールのもと引継ぎをしてください。

8.アフターケア
昨今の職場では、なぜか「何度も同じことを質問するのは悪」という悪習があります。例えメモを取ったとしても、理解できないことや覚えきれなかったことがあるのは当然で、理解が進めば進むほどその場では生まれなかった疑問が出てきます。これを前向きに解消してあげることが理解の深耕に繋がります。説明する側は質問しやすい雰囲気づくりをしてあげてください。
私が以前出会った方の中に、「ごめんなさい。私、何教えたかすぐ忘れちゃうので、同じことでも良いから何度も質問してね」と相手に伝えている方が居ました。当然その方は内容を忘れている訳もなく、相手が質問をしやすいように自分のハードルを下げているようです。以来、私も同じようなことを伝えるようにしています。

いかがでしょうか。
こちらに記載したのはあくまでも私の考え方なので、もっと良いやり方考え方があるかもしれません。もしほかにもよい方法があればぜひ教えてください。

最後に、私が人材育成の際に重視している、有名な言葉を置いておきます。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

■代表取り締まられ役_人事担当

人事歴11年。様々な業界で人事を経験。メーカー→広告代理店→IT(メガベンチャー)→IT(スタートアップ)。専門領域は、給与労務、福利厚生、人事企画、その他


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?