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ウチナンチュの地からJ1クラブが誕生する日〜フットボールの白地図 by OWL magazine【第45回】沖縄県

<沖縄県>
・総面積
 約2281平方km
・総人口 約145万人
・都道府県庁所在地 那覇市
・隣接する都道府県 なし
・主なサッカークラブ FC琉球、沖縄SV、海邦銀行SC、ヴィクサーレ沖縄FCナビィータ、琉球デイゴス
・主な出身サッカー選手 石川研、喜名哲裕、新里裕之、我那覇和樹、赤嶺真吾、上里一将、比嘉祐介、田口泰士、知念慶

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「47都道府県のフットボールのある風景」の写真集(タイトル未定)のエスキース版として始まった当プロジェクト。今回で第45回を数えることになり、残すは秋田県、東京都を残すのみとなった。間もなく白地図を塗り尽くすのを記念して、5月10日(月)にハフコミとOWL magazineの共同で、下記のオンラインイベントを開催する。

 このイベントでは、OWL magazine編集長の大澤あすかさん、副編集長のキャプテンさかまきさんと一緒に、白地図で取り上げてきた中でもニッチ度が高い8県について語っていく。イベントは2部構成で、第1部は5月10日20時、YouTubeのこちらのURLにアクセスすれば、どなたでも視聴できる(なおOWLとハフコミ会員限定で参加できる第2部は、本稿の有料部分にURLを記しておく)。

 さて前回は、最新の都道府県魅力度ランキングで最下位となったが、実は隠れた魅力が満載の栃木県を取り上げた。今回はフットボールよりも魅力的なリゾート地としてのイメージが強い、沖縄県にフォーカスすることにしたい。沖縄といえば、現在J2に所属する「FC琉球」、そして九州リーグからJリーグを目指す「沖縄SV」の存在がよく知られている。

 今季のFC琉球は好調を維持しており、第12節終了時で2位につけている。遠征好きのJ1サポからすれば、気分は「琉球カモン!」であろう。もっとも後述するように、沖縄にJクラブが誕生した歴史は、決して一筋縄ではいかない。美しいリゾートとしての沖縄が、実のところ本質の一面でしかないことは、かの地のフットボールに関しても同様である。

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 およそレジャーとかリゾートに縁のない私が、初めて沖縄を訪れたのは2008年の晩秋。この年、地域リーグ決勝大会の決勝ラウンドが、何と沖縄県の石垣島で開催されたのである。この時は「果たしてウチナンチュ(沖縄の人)の言葉が聞き取れるのだろうか」と、かなりビビりながら那覇空港を降り立ったものだ(もちろん杞憂だった)。1日だけ那覇を観光して、首里城を訪れたのも良き思い出。まさか11年後に焼失するとは、あの時は予想もしなかった。

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 那覇市のサッカー観光名所といえば、スポーツカフェ「CAMP NOU(カンプ・ノウ)」がお勧め。ご覧のとおり、100パーセントFC琉球推しの店だが、もちろんアウェーサポでも歓待してくれる。実はオープン当時の2003年は「沖縄かりゆしFC」推しで、クラブカラーのオレンジが基調だったという。現在のベンガラに変わったのは2年後の05年。厨房に立つ店主は、2000年代以降の沖縄サッカー史の語り部でもあるので、頃合いを見て話を聞いてみるのもいいだろう。

【以下、OWL magazine読者のみに公開】
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