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白饅頭日誌:7月10日「『やればできる』とはかぎらないからこそ」

 なるほど、自分もそう思う。

ぼくらはいつだって、いま何をしなくちゃいけないのかなんてわかっている。

それは転職するための準備を始めることかもしれない。
離婚のための準備かもしれない。
ラブレターを書き始めることかもしれない。
病院に行く日を決めることかもしれない。
テキストエディタをひらくことかもしれない。
ペンをもつことかもしれない。

でも、何をしなくちゃいけないか、わかっていても始められない。

「まずは」と僕らは考えはじめる。

「これをする前に、まずはやらなきゃいけないことがあって」

と考えはじめる。いつもそうだ。毎日そうだ。やらなきゃいけないことはわかっている。でも

「今日はさすがにむずかしい」
「他にやることが多すぎる」
「余裕がなさすぎる」
「コンディションがわるすぎる」

いくらでも言い訳を思いつく。それが言い訳だということも本当はわかっている。
やりたくないだけ。勇気がでないだけ。それをやることを少しでも先延ばしにしたいだけなのだ。

『とにかく取り掛かってしまえばいいんだよ。始めてさえしまえば、自然と最後までやってしまうものだよ、人間というのは。作業興奮といってね……』

そんな説明はもう聞き飽きたし読み飽きたし、書き飽きた。 

F太『「やればできる」という呪い』
(2023年7月8日)より引用
https://note.com/fta7/n/n16f982864c07

 「やればできる」という言葉や考え方は、ポジティブ思考の代表格であるとされるものの、私もあまり好きではない。

 というのも、たしかにこの言葉はポジティブで前向きで建設的であることには疑いの余地はないが、長い目で見れば疲弊してしまうからだ。

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