映画独り言。「日常対話」
先日、短編映画「片袖の魚」の前に観た「日常対話」という映画。前知識なくLGBT系であること以外は知らずに鑑賞した。
台湾映画ということもあり、一度は行ってみたい憧れの国、台湾の風景が見られること、家族の日常的な会話を楽しみに軽い気持ちで観ていた。
冒頭は4:3という画角で始まる。フイルム映画なのかな?それとも演出?ホームビデオ?ちょっと不思議な気持ちだった。
話が進むにつれ、どんどん重たい空気になって来た。
レズビアンである母親と娘の関係性をドキュメンタリー形式で撮っているのだなと思い、娘の母に対する感情や、思ってもみない悲しい告白などちょっと胸が締め付けられる思いだった。
幼少期から母親が傍にいない、そして女性同士が集うコミュニティでは自分には全く見せない楽しそうな顔・・・自分の母親だったら間違いなく辛い。そして憎んでしまうかもしれない。
ずっと口を閉ざしている母親と、もしかしたら自分は嫌われているのかもしれないとずっと心の奥底に閉ざしていた娘の思い。
カメラを通してお互いにすれ違った、複雑に絡んだ毛糸をほぐしていくようだった。
壊れた関係が少しずつ修復に向かっていく・・・
面と向かって本音で話すことは出来なくても、きっかけがあれば出来るのかな・・・
今までに観たことがない映画に、かなり衝撃を受けた・・・
私は自分の心身のバランスを保つために映像を作り続けている。
この映画を観て、自分は気持ちの整理をしているのだなあと思った。
一体どうやって音録ってるのだろう?と思ったら、チラリと影にマイクが。なるほど。
オンラインで舞台挨拶が行われた。
18年の歳月をかけて撮影されたことや、親子の関係が良くなったことを聞いてなんだか嬉しかった。
この映画は本もあり、クラウドファンディングも行われていた。
現在、台湾では同性婚が認められているが、そこに至るまでの過程など、興味深いインタビュー記事が掲載されている。
なかなか難しい問題ではあるけれど、日本でも誰もが色んな選択が出来る世の中になる事を願う。
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