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ACL損傷と姿勢制御の評価-Knee-in/Toe-outを引き起こす動きの分析と運動療法-

ACL損傷術後の特徴の一つとしてあげられるのは、《再受傷率の高さ》です。

特に若い年代において再受傷率は20-40%とされており、術後2年以内の再受傷率が高いとされています。

長期のリハビリから復帰したのにも関わらず再受傷しては元も子もありません。

以前、私のtwitterの方でもACL損傷に繋がりやすい姿勢や復帰に向けたパフォーマンステストにおける質的評価の着眼点について発信させていただきました。

ここでも触れているように回数などの量的な評価だけで、動作中の姿勢制御の仕方など質的な評価をせずに終わってしまうと、再受傷につながる危険性が高いです。

また、再発を防止するためにも、ACL損傷につながるメカニズムを把握する必要があります。

そのメカニズムは以下のように考えられています。

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この図からも読み取れるようにいわゆるKnee-in/Toe-outとは結果的に起こっているものであり、ACL損傷を引き起こすメカニズムとしては《膝関節外反+脛骨の前方変位および内旋》が原因として考えられます。


特に、上記のようなACL損傷につながるメカニズムは動作中の《後方重心》や支持脚側への《体幹の側方傾斜》が影響しているとされています。

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体幹の機能不全(可動域制限・筋機能低下)によって姿勢を崩す(重心の後方変位・体幹の側方傾斜)ことも考えられます。

また、下肢の関節・筋機能の低下によって、代償運動として体幹の過剰な運動が生まれ、上記のようなACL損傷を招く姿勢をとる可能性も考えられます。

特に足部の回内制限・過回内や足関節の背屈制限、股関節の内旋制限はACL損傷のリスクファクターとして考えられます。

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そのため、動作分析時には体幹の機能の評価と同時に下肢の機能不全についても評価し、全身から上半身質量中心の過剰な変位を招く原因を探る必要があります。

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今回のnoteでは、動作時の上半身質量中心の変位を引き起こす体幹機能・足部機能を評価するための動作分析方法と局所機能の改善を図り、動きを変えるためのトレーニングについてご紹介致します。


<このnoteをおすすめしたい方>

✔︎Knee-in/Toe-outの原因を解釈しきれないセラピスト・トレーナーの方

✔︎Knee-in/Toe-outを修正しきれないことに悩むセラピスト・トレーナーの方

✔︎選手のパフォーマンスが上がりきっていないことに悩むセラピスト・トレーナーの方


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体幹機能から考えるACL損傷

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