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《後編》世界にインパクトを与える「日本発メガベンチャー」を目指すテラモーターズ。EV起業からEVインフラ事業参画への軌跡。

テラモーターズ会長 徳重氏と同社社長 上田氏に、TEP顧問 村井氏が問う
《後編》グローバルで成功するためのマネジメントとは

日本のディープテック・スタートアップのエコシステム強化を目指して情報を発信してい る「TEP Deep Tech Journal」。今回はTEP顧問の村井勝氏と、村井氏の投資先であるテラモーターズ株式会社の創業者であり現取締役会長の徳重徹氏と代表取締役社長の上田晃裕氏の特別対談企画を2回にわたりお届けしています。

前編では徳重氏が「日本が世界で勝つ」ために高い志を持ってシリコンバレーに渡り起業された経緯と、海外市場にEVで道を切り開き、現在は日本でのEVチャージ事業で驚異的なスピードでトップシェアまで登りつめたテラモーターズの軌跡についてお話を伺いました。

後編では、グローバルでビジネスを成功させるための組織づくりについて、お話を伺います。



これぞテラ道場。入社初日からバングラデシュへ。上田氏のミッションは「徳重氏の想いを具現化すること」。

テラモーターズ株式会社 代表取締役社長の上田晃裕氏

ーー上田さんは、徳重さんのビジョンを形にするというミッションを担い、2015年に入社されたと伺っています。これまでどのようなことに取り組まれてきたのか、成功したことや苦労されたことについて教えてください。

村井氏:徳重さんのビジョンに対してそれを吸収して実行するというのが上田さんの役割で、二人の二人三脚が、テラモーターズがうまくいった秘訣だと思っています。

テラモーターズ社長上田晃裕氏(以下上田氏):そうですね、実は入社のときにそこまで考えてはいませんでした。ただ、村井さんの言葉のように「世界で戦って勝つ」ということを明言している起業家は徳重会長しか当時もいなかったのです。徳重は細かいことを考え過ぎずに、やりたいことを実現しようとしてる人だと感じました。ですので前職のシャープという会社でできなかったことをしてみたい、出会わなかったような人と働いてみたいという想いで飛び込んだのが始まりです。

今思えば、入社時からものすごくテラモーターズらしさが出ていました。本社は東京にあったのですが、バングラデシュの立ち上げをやってほしいから本社ではなく直接そこに行ってくださいと……。入社初日からです。研修などもなく、いきなり現地に飛びました。

ーーまさに入社からいきなり、“テラ道場”に入門したという感じでしたね。そして徳重さんの他の日本のベンチャーにみられなかった「世界で勝つ」という視座の高さに共感されたということですが、いきなりバングラデシュに飛んでくれと言われるのはなかなか大変なことですよね。

村井氏:どれだけそれが大変だったかということは容易に想像できますが、ぜひ上田さんに実際のお話を伺いたいですね。ところでテラモーターズは今、社員数は全部で何人くらいになりますか?

TEP顧問 村井勝氏

徳重氏:今、日本は100人でインドが200人、日本が今年中には200人くらいにするので、今年中には日本200人、インド200人でトータル400人くらいになるのではないでしょうか。

テラモーターズ株式会社 取締役会長の徳重徹氏

村井氏:これから人数が増えていきますが、これまではデシジョンメイキング(意思決定)して、指示する側の人たちの数が少なかったわけです。しかし実際に現場で実行していく人たちにちゃんと徳重さんの想いを伝達していくことが、やはり上田さんに期待されていた大きな役目だったと思います。そしてこれを着実に実行した点が、上田さんのすごいところだと私は思ってるんですよ。

海外では想像を絶する大変なことばかり。だけど、苦労もひとつの経験として楽しみながら乗り越えている

上田氏:ありがとうございます。新規事業を開拓して、それを会社のメイン事業にもっていき、かつ世界で評価されるようなモデルを作る、という非常に難易度が高い部分に関しては、やはり徳重以上に秀でている人間はいないと思っています。ですので、その部分は現状は徳重がやるしかないと考えています。逆に言うと今の経営陣はそこの部分が能力としてまだまだ足りてないということです。

例えば徳重がいなくなったとしても会社として前に進める体制に長期目線でしていかなくてはいけないので、そこは非常に大きな課題であると思っています。一方で、事業をしっかり走らせていくためには、徳重が示したものを実現できるような仕組みを作ったり、方向性をわかりやすく社員に伝えることも誰かがやらなくてはなりません。その役割を自然と私が担ってきたということです。

この点は、自分にとっては実は難易度としてそこまで高くありません。元々人の前に立っていろいろ話すことが好きだというのもあります。村井さんには私がかなり苦労したのでは、と言っていただいているのですが、私自身は結構楽しみながらやっているという感覚です。当然たくさん大変なこともあります。海外なので平気で裏切りとかもあるんですが、それも全部飲み込みながら、「それもひとつの経験」と考えてやってるような感じですね。


ビジョンとリアリティの狭間で組織を作り、稼働させていくには

視座を高く持つこと、利益を出して持続的な成長をしていくことの両立

ーー上田さんにとってスタートアップを組織としてまとめて、スケールしていくために大切なこととはどのようなことだと思われますか?

上田氏:徳重の在り方としての「視座を高く持つこと」、村井さんの言葉ですとビジョナリーという言葉になりますが、そこが最初の段階では非常に重要です。ただそこから引き継いで組織をつくり会社にしていくというフェーズでは、そこにリアリティが加わってくるので、ビジョナリーとリアリティの両輪で走らなければならないというところにあります。

リアリティが何かというと、まず「こういうことがやりたい」という想いもありますが、当然ながら会社なので事業として利益を出して持続的な成長をしていかなくてはいけないということです。その時に必要なのは、「人」です。組織を効率的に回すために1人でやるよりも、2人で3人で4人……でとなりますが、ただ数が増えるだけではなく掛け算にして、素早く、大きくしていくことが大切です。

海外で組織をマネジメントするために徹底している3つの重要な軸

ーー具体的にはどのようなやり方で組織をマネジメントしているのでしょうか?

上田氏:インドの組織ではまず3つの非常に大事なことがあるということを伝えています。

  1. 話すときには数字で語る

  2. ただ早く走るのではなく、きちんと頭を使って走る

  3. 自発的に動く

この3つの軸をアクションの全ての意思決定の根幹に入れてほしいと、最初に必ず伝えています。当然はじめからいきなり浸透しませんが、何度も言い続けているうちに、私に来る提案が全て、その3つを満たしたものになってくるんです。ということは、私自身の頭で考えているわけではないけれど、同じような要領の7掛けぐらいで、意思決定をしてくれる人たちが増えているということになります。

結果として組織全体のレベルが上がり、効率化され、私の時間が空いて、数字は立ちながらも次のことを考える時間ができたり、徳重会長のリクエストに応える時間ができるようになりました。このようにして上手に自分の時間を捻出する、というやり方をずっとやってきています。効率化や仕組み化といったところが組織を作り、それを伸ばしていくには非常に重要だと思っています。

あとはEQ、いわゆるエモーションですが、モチベーションの部分です。いかに彼らを楽しませるか、彼らが仕事に打ち込み、この会社いいねと思ってもらえるかというところも、200人ぐらいの組織になってくると気を遣いますね。

方向性を決めたら、確実に結果を出す。自分がここにいる価値を見せることで、信頼関係を築く

ーーエモーションやモチベーションの上げ方などで、インドと日本でのカルチャーの違いみたいなことは感じましたか?

上田氏:特性の違いはありますけど、インド人だから日本人だから、というのは無いですね。強いていえばインドの方は日本人に比べるとすごく自我が強く、自己主張するので、そのあたりをコントロールするためにコミュニケーションを密に取るというのはありますね。日本の方に比べて阿吽の呼吸ではできないので。

ただ根本的には同じで、やはり彼らの立場に立って考えるとか、全ての意思決定に対してロジックを持つことが大事です。なぜそうなるのですかと聞かれた時に、きちんとロジックで説明ができなければなりません。また、自分がこちらへ行くと決めた方向では、確実に結果を出す、そうやって従業員との信頼関係を築いていくことですね。私はインドに来ているけれどヒンディー語も喋れないし、インド人に物を売るという能力においてはインド人に勝てないわけですから。

上田という人間がなぜ会社の中枢にいるんだということを、彼らにしっかりわかってもらうということは、日本でもインドでも一緒です。だから自分なりに出せる価値をしっかり出し、結果に繋げることを続けていかないといけないと考えています。それができなくなった時点でリーダーからは退かなきゃいけないなと思っていますね。


インドで組織を作る上でぶつかった困難と挑戦

ーー今では組織がうまく回っておられると思うのですが、最初はやはりご苦労されたこともありますか?たとえば仕組みを根付かせるまでには、ある程度時間がかかったのではないでしょうか?

上田氏:そうですね。必死に取り組んでいたときは苦労とは思っていなかったのですが、今振り返ると、自分自身のレベルも低かったので、苦労したこともありました。2017年にインドに赴任し、しっかり会社を軌道に乗せるまでに、コロナがあったとはいえ3~4年かかっています。文化を浸透させるというのは、かなり骨の折れる作業でした。

どんな困難も、揺るぎない経営者になるための貴重な経験。経営者として後世に人を残していくための通過点にすぎない

ーー困難でもチャレンジしながら楽しむという気質を、上田さんは元々お持ちのように感じますが。

上田氏:私自身がベンチャーに飛び込んだ理由は、将来的に村井さんのような後世に渡って語り継がれるような経営者になりたいというのが根底にありました。よく自分の親から、三流は金を残して二流は事業、一流は人を残すということを聞いていました。ですから私も人をしっかり残していくことをやっていきたいと思っています。

私も徳重と同じように過去の経営者から影響を受けることが非常に多かったのですが、これまでの歴史を振り返ると、逆に困難を経験してる経営者の方が強いんじゃないかなと思うんです。ですので、どんな困難も私にとっては経験値なんで、悲観的になる要素がないんですよね。そこを乗り越えると絶対にその次のステージに行けるじゃないですか。だから、困難がふりかかってくると逆にありがとうございます、という感覚なんです。そこを地でできているというのは自分自身の強みかもしれませんね。言っているだけでなく、本当に心からそう思ってやっているので。


経営者の役割と従業員の価値観の重要性

会社の価値観を十分に理解し、自分自身で決断して行動できる人が日本の大企業には少ない

村井氏:上田さんは従業員一人ひとりとの価値観のシェアが非常に上手くできていると感じます。それがしっかりできてれば、上田さんがいないところで出される提案も、自分自身で良し悪しを判断することができますし、良しと思ったことを今度は行動に移せる従業員の数が増えるんですよね。

ところが残念ながら日本の大企業の場合は、判断して行動に移せる人たちがほとんどいないのが実情です。例えば自分がその場でいいなと思って約束に近いことを相手に話しながらも、取締役会にプレゼンテーションするためにはどうしようか、という方法論になっていくんですよね。

とくに私はベンチャー支援を通して感じているのですが、例えば、大企業の方がベンチャー側の話に非常に感動してくれて、すぐに回答をもらえるかと思っていたら1ヶ月も2ヶ月経ったあげく最後には答えをもらえないということが度々あるわけです。それは日本の大企業の中で従業員自身が、会社の価値観を十分に自分の身にしみるような形で理解していないことが原因であると思っています。従業員が会社と同じバリューを持っていれば、会社に代わってここでデシジョン(決定)できるはずです。つまり、自分のデシジョンが間違ってないという自信を持っている人が非常に少ないことだと思うんですね。

上田さんがやられている「価値観の共有」そのものが非常に大きな仕組みじゃないかなと私は思うんです。価値観がわかると同時に同じ価値であるならば、自分がここで決めても会社にはリスクがないという判断までできるわけですね。そこがしっかりできれば、そういう人が増えれば増えるほど、マネジメントにお伺いを立てずとも、デシジョンメイキングが下のレベルでもできるようになります。そうすると会社自身の成長も早くなるわけですよ。

多くの一般の組織の中では、自分はそう思っても本当にこれでいいのかなという、疑問を持ってしまう人たちが非常に多いんですが、そこは違うと思います。デシジョンメイキングができるためのマネジメントが大切だと思うんですよね。

上田氏:おっしゃる通りですね。会社で起こった全ての責任というのは最終的に私が取ることを前提に意思決定してもらうので、彼らからしても信頼があるんですね。失敗を許容することと会社を潰さないことは、普通にやってると同居しないんです。なぜ徳重がそこに言及しなかったかというと、失敗した時を想定して意思決定をするので、最悪失敗しても大丈夫というプランを常に手の中に持ってるんですよ。だからこそ、信頼して任せることができるわけです。

何かあったとしても、彼らのせいにするのではなく、最終的に任命責任はこちらにあるというメッセージと常日頃から伝えていると、皆さんのモチベーションが上がりますし、このやり方で一生懸命やってくれない方を、今の所インドで見たことないんですよね。

村井氏:そのプロセスがお互いの信頼感に繋がるのでしょう。信頼感に繋がるからデシジョンメイキングが早くなるし、それからお互いに理解しやすくなるわけですね。反対するときははっきりと反対ということを、それなりの理由をつけて必ず説明してくれますから。その仕組みができているということが、ミドルマネジメント、マネジメントクラスの人たちのひとつのリスクテイキングですよね。

上田氏:加えて、意識的に悪い情報をいち早く上げやすい環境を作っています。結局私が聞かなくても向こうから勝手に言ってきてくれるような雰囲気と、そういうコミュニケーションを日々心がけています。結局それが会社のリスクを最小限に抑えることに繋がりますので。

イメージで言うと、ヒエラルキーというよりも、私自身そんなにCEOというポジションにこだわりがあるわけではないので、自分が一番できること、かつ自分しかできないことをやってるだけだという意識です。一緒に現場まで降りていくときは、当然立場なんて関係なく降りていきます。

会社を出たら別に上下関係はないということは常に心がけています。緩いとかカジュアルすぎるんじゃないかという見方もあると思うんですが、逆にそういう雰囲気だからこそ、何かあったときのアラートが早く上がってきます。そのときに突き放さずにしっかり彼らと一緒に考えることが、この人は信頼できる、という想いに繋がっていくのではと思っています。


テラモーターズの組織文化と役割分担について

徳重氏が「これはイケる」と想ったことの「やること」と「やり方」を上田氏が決める

ーー徳重さんと上田さんの自然な役割分担と絶妙なバランスがテラモーターズを作っているのですね。

村井氏:そうですね、それがテラモーターズのいいところだと思っています。徳重さんがざっくばらんに失敗を自分の失敗としてきちんと受け止めて話しますから、やはり組織全体や部下の人たちも、お互いに理解しやすいですよね。そこがテラモーターズの強みのひとつかなと思います。

上田氏:得意領域をやるというだけで、ゴールは一緒なんですよね。会社の価値を最大化するというゴールが同じなので、それぞれが得意な領域をそれぞれが今やってるような状況です。徳重が「これはイケる」ということの「やること」を決める。そしてそれを「どうやってやるのか」というのを私がある程度担うという役割で、両輪で走ってるのかなと思います。

やはり徳重が始めた会社ですし、徳重の影響力やリーダーシップは非常に強く色濃くあります。一方で、そこに対しても時には議論をしなければならないと思っています。私は全然イエスマンではないので、徳重にしてみればムカつくこともあるんでしょうけれども(笑)。

ただ基本的には会社として決めたことを、それがいかに困難でクレイジーであったとしても、どうやってやるかをまずは考えようという頭でいます。徳重がガーッと走る中で、自分自身が取りこぼさないように、そして他のみんながちゃんとついていけるような土壌作りを意識的にやっています。この両方の特性が1人の人間に同居するのはなかなか難しいと思いますが、徳重と私の2人で分けることによって、うまくそれぞれの価値を最大化して、より大きいものにできているのではと思います。

ーー最後に、上田さんご自身のこれからの目標や目指す姿について教えていただけますか?

上田氏:やはり「視座の高さ」が重要だと思っています。村井さんの世代や、その前の世代の日本を作ってきた人たちができたのに、今の日本人ができないわけない。なぜかといえば、結局スピリットの部分が大きいと思ってるんですよね。

おそらく当時はそういったスピリットを持った人たちが多くいる母集団だったので、皆が勝手に影響しあって、それぞれ頑張るみたいな感じだったんだと思うんです。焼け野原になった東京を見て、「やるしかない」と思ったのではないでしょうか。そういう世代の方たちの中では、それが当たり前の状況だったのではないかと。今はそのような、やらなくてはならない理由や大義が薄れていて、それなりの企業に入れば生活できて、幸せに生きることができます。もし海外に目を向けていたとしても、結局実際に外に出てみないとわからないというところもあるでしょう。

そんな状況に対して口だけではなく、会社の価値を上げ、世界でも活躍できるという結果を作って、私ら日本人はもっとできるんだということを、日本の皆さんに示していきたいです。世界の中でもう一度、日本のプレゼンスを上げるということをテラモーターズが先導していきたいですし、会社の中で自分がそのリーダー役を担えたらと思っています。

今の日本の人たちは、何かをやるということを「知ってる」ということ、そしてそれを実際にやることができる、つまり能力を持っている、この2つの人たちは結構いるんですけれど、それを実際に行動を移して実行するという3つ目になると極端に減ってしまうんです。実行することは、新しい世界だとか皆さんがすごいなと言っているようなことに感じてしまいますが、そんな大したことじゃないんですよ。ただ、この2つ目から3つ目へ行く壁をいかに越えるか、というところなんです。この点がいかに日本ができてないかという点で、やった人はすごいとなりますが、実は本当に大したことではないんです。

ただ、今私が何を言ったところで響かないので、しっかりある程度の結果というのを出した上で、やっぱりできるじゃないですか、と言いたいですね。私自身のバックグラウンドはすごいものではなくて、大企業にはいましたけれども高学歴ですごいエリートでという経歴ではありません。ですから、手の届くリーダーみたいな存在になれるといいですね。すごすぎて手の届かない存在という感じではなく、この人ぐらいだったら、自分もイケるよねと思えるような。

上田ができるなら自分でもイケそうだな、という人が一人でも中間層と言われる人々のなかから出て、彼らをいかに選手に変えていくか、そういった行動に移せる人材を世に多く出していけたら、と個人的には思っています。

村井氏:そうですね。今多くの人は、仕事についてやらされ感がありますよね。そういう感覚でいる限りにおいては、絶対駄目なので、やっぱり問題にしろ課題にしろ、やることについてお互いにシェアすることが大事ですよね。自分の問題として取り組むとかチャレンジするかどうか。でもそんな大きなチャレンジじゃないんです。だけどそれを実行する意思があるかないかでしょう。

上田氏:最近よく転職したときどうでしたかとか、大企業から変わってみてどうですか、と聞かれるのですが、皆さんそこを離れるリスクばっかりおっしゃるんですよね。でもそこを「動かないリスク」というのも実はあって、今自分がやっていることや関わっている経験は、そのまま前の場所にいたら、決して手に入らなかったものです。全てが、動かなかったら、手に入らなかったものばかりです。動かないことの方が私からしたらすごい大きなリスクなんです。

それを皆さん結局見ずに、今いるところから離れたときのリスクを考えてしまうので、それをどうやったら外せるのかというのは、常に人と話すときや世の中に発信するときは考えています。見方ひとつ変えると当たり前のことなのですが、なかなか気づけない大事な視点であると思っています。

村井氏:自分の仕事じゃないとか、自分がやらなくても誰かがやるだろう、というようなメンタリティがある限り、今上田さんが指摘されたようなことは絶対にできないでしょう。そういう人をいかに少なくしていくかということが大事なんですね。そのためには、チャレンジしたらどういうふうなポジティブな結果が生まれるかということを、上田さんたちができるだけたくさん示していけば、だんだん変わってくると思うんです。


今回は特別対談と称し、日本発メガベンチャーに一番近いポジションにおられるテラモーターズの徳重会長と同社の上田社長にお話を伺いました。唯一無二の起業家である徳重氏と徳重氏を支える上田氏の他では聞くことのできない貴重なお話は、前編(徳重会長編)と後編(上田社長編)の2回にわたりお届けしています。折しもインタビューを実施する直前に、2024年2月1日に社名を新たにTerra Charge株式会社に変更するという発表があり、日本での充電事業に注力する覚悟や強い想いについてリアルタイムで語っていただきました。

聞き役の村井氏は徳重氏が背中を追ってきたという、まさに世界へチャレンジをした日本人としての偉大な先人です。徳重氏が今でも忘れられないという、村井氏の挑戦のスピリットは今も徳重氏に受け継がれています。また、村井氏と徳重氏のシリコンバレーから続くご縁は長く、かつテラモーターズへの出資者のおひとりということもあり、徳重氏、上田氏の苦労や凄さが分かるお話を引き出し代弁していただきました。

徳重さん、上田さん、村井さん、お忙しいところご協力いただきまして、ありがとうございました。

今後もTEPのDeep Tech Jounralでは日本のディープテックベンチャー、スタートアップを後押しするために、諸先輩方の軌跡をご紹介してまいります。


テラモーターズからのお知らせ

▼事業成長と組織拡大に伴い、本社を増床移転

2023年11月13日(月)より、本社を浜松町ビルディングへ増床移転しました。本社の面積は、旧本社比で約2.3倍となり、オフィススペース不足の解消に留まらず、今後の組織拡大を見据えた増床移転となります。

プレスリリースはこちら:


▼採用に関するお知らせ

テラモーターズでは「日本発、世界一」を目指して、まずは日本での圧倒的No.1のEV充電サービスへとグロースさせていくために、「Terra Charge」に関わるメンバーを積極採用中です。

<積極採用中のエンジニア職種>

  • PM(プロジェクトマネージャー)

  • バックエンドエンジニア

  • フルスタックエンジニア

  • モバイルアプリエンジニア

その他、全職種も積極採用しています。
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