Emma

雨の日と金曜日、映画とキャラメルポップコーン

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雨の日と金曜日、映画とキャラメルポップコーン

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#10 何度でも呼べる名前があるだけで、朝日を通すような透明

「Emmaちゃんには、わがままも言わせてあげられない」「Emmaちゃんは誰よりも優しいね」そんな言葉をもらうたび、相手に都合のいい振る舞いを好んでしてる事に気付かされた。 他人の好きな自分にはなれるけど、自分の好きな自分ってなんだ。 今年はそんな、素の自分とは何かを探しながら自分と向き合う時間が多い1年だった。 東京にきて、社会人になって、新たな出会いがあって、別れがあって、環境がめまぐるしく変わった。悲しいこと辛いこと、いっぱいあった。沢山泣いたけど、それ以上に楽しい

    • #22 人って死ぬんだね

      人間はいつか死ぬ。 寿命があって運命があって、生まれたからにはいつか死ぬ。 そんな当たり前のことを、分かったつもりでいたんだと思う。 曾祖父が倒れて、意識が戻らないから祈ってほしいと電話がかかってきたのは日曜日の夜だった。立ち尽くしてしまって、自分に出来るぜんぶで祈ってみたけど届かなかった。人生で初めて身近な人が亡くなった。信じられなかった。信じられないから、数分前の私の祈りもどこか偽物だった。 だってね、たった7日前に会ったんだよ。 いつもと変わらずに沢山お話したんだ

      • #23 自分に語りかける時も、敬語で

        今日は少し手の込んだお菓子を作ってみようとか、今日は珈琲を豆からひいてみようとか、そんな日常のひとコマひとコマのベクトルを自分の「好き」だけに向けて生活できてる、最近。 周りの目はそこまで気にならなくなったし、周りのことも気にしなくなった。今年は「好きか好きじゃないか」から「好きか無関心か」へと変わった1年だったと思う。 何かがきっかけでガラリと変化したわけじゃない。それは潮の満ち干きみたいに気づいたら結構変わってた感じに近い。「好きじゃない」には感情がひっぱられてネガテ

        • #22 「きっと」は「たぶん」より確実で「おそらく」より愛がある

          画面を眺める時間はいつも電車に揺られている気がする、最近。あっという間に1日が過ぎて、気づけば11月で、気づけば冬はすぐそこに来ていて、今日も電車に揺られてる。1日が終わる。 ダイヤの乱れた田園都市線に揺られる今日は、3分遅れているらしい。正しく動いてる日はあるんだろうかと路線名で検索するとみんないらいらしてる。そんなつもりじゃなかったのにな。 予定通りの時間に電車が来なくて、少し遅れて目的地に着くこと、たまたま1本前の電車が遅れてきて、それに乗れたから一足先に到着できる

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        #10 何度でも呼べる名前があるだけで、朝日を通すような透明

          #21 好きにセンスを問わないで。

          えー!Emmaちゃんあのアーティストのこの曲好きなの!センスあるね〜! えー!Emmaちゃん、ぬり絵のここをこの色で塗るんだ!!センスあるな〜! __ センスは人それぞれの内面にある感覚的なもので、感じ方、理解の仕方、あるいは表現の仕方に現われ出る。 広辞苑には「物事の微妙な感じを悟る働きや能力、感覚」と定義されていて、これら全ては経験によって培われるものだと私は思ってる。 私よりオシャレなあの子は、私より洋服が好きで私より沢山のファッション誌を読んでる。だからオシ

          #21 好きにセンスを問わないで。

          #20 今日も明日も嬉しかったことだけを重ねる、それだけ。

          少しだけ、私の交友関係歴を。 有難いことに私にはこれまでずっと周りに仲良くしてくれる友達がいて、いつだって小学校の通知表には「Emmaさんはムードメーカーで誰とでも仲良く出来ます、いつだって話の中心にいるし、ひとりぼっちのお友達がいれば声をかけて一緒に過ごします。」と書かれていた。みんなと楽しく過ごす私の交友関係を先生も両親も誰も心配しなかった。 でも実際、クラスの中のどの友達グループにも属してなかったし遠足バスで隣の席に座る2人組を作ってくださいの時間は人生で1番しんど

          #20 今日も明日も嬉しかったことだけを重ねる、それだけ。

          #19 敵でも味方でもいいよ、僕を思ってくれるなら

          「敵でも味方でもいいよ、僕を思ってくれるなら」 そんなことを言われた。 __ 「たとえば世界中の誰もが君の敵になったとしても、僕はずっと君の味方だからね。」 ずっと味方でいてくれる存在がいること。それこそが最強だとこれまでずっと思ってた。 だからその言葉を聞いた時、「大切な君が敵になったらいやだなあ。」と思った。 これからもずっとずっと味方でいてくれそうな君だから、叶うのならずっと味方でいて欲しいと思った。同時に「ああ私は、君のことを自分が思ってるよりもずっとずっと

          #19 敵でも味方でもいいよ、僕を思ってくれるなら

          #18見えてるもので推し量れる心なんて雀の涙ほどだよ

          この世に存在する事象は全て多面的である。 これは私が日常生活を送る上で、常に念頭に置いている考え方だ。 小さい頃、私はみんなが出来る「普通」が出来なかった。片付けができなくて自分の部屋は足の踏み場がないほど常に荒れていたし、やることリストを達成したことなんてないし、すぐ物を無くすし毎日忘れ物をした。自分でも不思議だった、みんなと一緒のやり方でやってるはずなのにできなかった。 「みんなは目の前の壁をハシゴ使って超えるかもね、でもあなたはハシゴを持ってないの、でもモグラの手

          #18見えてるもので推し量れる心なんて雀の涙ほどだよ

          #17「まだ知らない」って最高の状態だ

          「記憶を消して、何も知らない状態でもう1回観たい」 そう思う映画がある。 「記憶を消して、またあの人に出会いたい」 そう思える人がいる。 そんな場面に出会う度に「まだ知らない」って最高の状態だなと改めて思う。そんな場面に出会う度に「これだから人生はやめられないってばよ」と思う。 お気に入りのカフェに行くといつも同じメニューを頼んでしまう。小説も服も考え方も、いつの間にか安牌を選んでいる気がする。なんだか上手くいかなくて、同じ場所で足踏みしちゃってるような気がする。

          #17「まだ知らない」って最高の状態だ

          #16 きっと私は、この先もずっと君(との思い出)が好きだよ。

          週末、恵比寿ガーデンプレイスを歩く機会があった。道明寺と牧野が待ち合わせたあの時計台だ。 ここに来るのは、東京に遊びに来た大学時代の友達と去年の秋に訪れたぶりだ。あの日の情景がフラッシュバックする。少しだけ肌寒いハロウィン前日の夜のベンチ、恵比寿ガーデンプレイス時計広場。 「好きなら好きでいいんじゃない?大好きでいいじゃん、好きって偉大だよ。」 友達がかけてくれたその言葉が、まだ好きなんだと実感させた。ああ、私はあの日お別れした彼のことがまだ好きで好きでたまらなくて、忘

          #16 きっと私は、この先もずっと君(との思い出)が好きだよ。

          #15 後ろ姿に宿るこの気持ちの正体について

          _ 人でも犬でも猫でも、とかげでも、小鳥でも、 「後ろ姿」をいいなぁと思えたら、 それは好きだって言うことだと思います。 「後ろ姿」を見ている視線というのは、 相手からの返事を要求しないものであります。 好きだから、そういう視線を送っているのです。 それは、もしかしたらものすごく幸せな「片思い」のかたちかもしれません。 たがいを前にして、思いを深めていく「思い」よりも、深さはないけれど、どこまでも続く海岸線のような、広々とした「片思い」って、素晴らしくないですか。

          #15 後ろ姿に宿るこの気持ちの正体について

          #14 考えるべきは上手さだけでは表現出来ない魅力

          私の趣味は料理、お菓子づくり、お絵描き、動画編集、文章を書くこと、、、などなどいろいろあるんだけど、よく「器用だよねー」とか「私には出来ないやー」と言われる。そして、すごいね〜!と言われる。好きでやってることに対してそんな言葉を頂けること、そしてそれがお仕事に繋がったりすることもある。本当にありがたい限りだ。 そんな素敵な言葉をかけてくれるあなたにも、こんないい所やこんなすごい所があるよ〜と伝えたい話はまたの機会にするとして、人が誰かに対してすごい!ぜひあなたにお願いしたい

          #14 考えるべきは上手さだけでは表現出来ない魅力

          #13「なりたい」になれなくたって、「なりたくない」だけにはならないでいたい

          素敵な服を纏い手を繋ぐご老人夫婦が目の前にいる。半蔵門線の昼。 バラが刻印された金色のブローチは、婦人の胸元で上品な光り方をしている。 今日は祝日だからどこかにお出かけするのかな、なんて思いを馳せながら私がいつか70歳くらいになったらこの貴婦人みたいになりたいな、とか思ったりする。大切な人と長く寄り添って、お互いを大切にしながらいつまでも仲良く過ごすのだ。 そんな感じで思考は派生して、なりたい自分の姿を思い浮かべてみる。 趣味を充実させる自分、仕事で活躍する自分、後輩に慕

          #13「なりたい」になれなくたって、「なりたくない」だけにはならないでいたい

          #12 笑い話にしようよ、笑ったりしないから

          容姿のこと、お金のこと、家族のこと、過去のこと。コンプレックス、ジレンマ、あるいは誰かに対する申し訳なさ。 誰しもそんな、口に出すことすらためらってしまう、心がぎゅっと辛くなる話題や苦悩がある。こういう話題って暗いしネガティブになりがちだし、そしてそしてすーごくセンシティブだから、普段自分から誰かに話すことって滅多にないんだけど、ごく稀に話す機会があったりする。 私の場合は親友、その中でも同じ境遇だったり、同じ温度感で感覚を共有できる人と話す時だ。人によっては同じ境遇では

          #12 笑い話にしようよ、笑ったりしないから

          #11幸福の行方と私の生き方

          幸せになりたい。幸せな人生を送りたい。 きっと誰もがそう思って生きている。 私だって幸せになりたい。 幸せってなんなんだろうか。幸福の行方を考えてみる。 お金 結婚 出産 美容 これをしてるかしてないか、もしくはこれがあるかないか。それを手にしたかどうかが、現状幸せかどうかの判断になってる気がする。 心のどこかで「多分違う」と思いながらも、それしかないんだと受け入れてしまう。 誰もが共通認識できる項目がそれしかないから仕方ないんだと気づく。 お金、結婚、出産、美容、

          #11幸福の行方と私の生き方

          #09 彼が通り過ぎても、もう泣かなくなった

          寒くなってクローゼットの奥の奥から冬のパジャマを引っ張り出したとき、目の前を彼が通り過ぎた。 そうか、このパジャマはむかし彼の家に置いていた服だ。夏が来る前、全部送ってもらったんだっけ。 ふわっと香るそれは、世界のなかで何にも変えられない、間違いなくいちばん好きなにおいで、横に座って笑ってる私の姿を思い出した。 「きみ、ほんまにいいにおいがするね」 はじめて彼のにおいに包まれた時、私は泣いてた。大切な人から信頼を失って、ぽろぽろ泣きながら相談してた時だった。今振り返る

          #09 彼が通り過ぎても、もう泣かなくなった