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#17「まだ知らない」って最高の状態だ

「記憶を消して、何も知らない状態でもう1回観たい」

そう思う映画がある。

「記憶を消して、またあの人に出会いたい」

そう思える人がいる。

そんな場面に出会う度に「まだ知らない」って最高の状態だなと改めて思う。そんな場面に出会う度に「これだから人生はやめられないってばよ」と思う。

お気に入りのカフェに行くといつも同じメニューを頼んでしまう。小説も服も考え方も、いつの間にか安牌を選んでいる気がする。なんだか上手くいかなくて、同じ場所で足踏みしちゃってるような気がする。

こういう時「まだ知らない」の感覚を忘れがちになってるな〜、と思う。

だから、週末は降りたことない駅で降りて、知らない街を散歩してみようかなとか、いつもはダブチだけど今日はえびフィレオにしてみようかなとか、いつも右足から履く靴を今日は左足から履いてみような、とかそんな小さな違いを日々楽しむようにしてる。

晴れの日も雨の日も、あたりの日もはずれの日もある。生活は続くんだから、大きな変化はいらないし踏み出す勇気だってとっておきの場面が来た時のためにとっておきたい。

小さな違いを楽しむ、その積み重ねが大きな感動に出会える1歩な気がしてる。

だから私は、頼んでたメニューと違うのものが運ばれてきてもラッキー!って思うし、オシャレなパン屋さんで訳わからん名前のパンがあればそれをあえて買ってみたりする。

まだ知らない世界が、そこにあるって信じてるから。



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