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テニス上達メモ445.自己肯定感を取り戻す「自立テニス」のススメ


▶勝ち負けの結果にこだわるから、テニスが「ストレス」になる


「勝てばOK、負ければNG」という評価基準を持っているテニスプレーヤーは、「そんなの当たり前だ!」と言わんばかりに、自覚的であれ無自覚的であれ、少なくないと思います。
 
そうなるのは、「勝てば他人に優れていると認められるから」「負けたら他人にダメだと認定されるから」という結果にこだわるところに、おもな理由がありそうです。
 
だけどそれでは純粋に、テニスを楽しめないかもしれません。
 
楽しめないどころか、せっかく楽しむために始めたはずのテニスが、「ストレス」にもなる。

▶楽しいと、ホルモンバランスが「最適化」する


これはあくまでも結果的にではあるけれど、テニスが楽しいと体のなかのホルモンバランスが最適化されて学習能力が上がり、出力されるパフォーマンスがアップする傾向が見て取れます。
 
つまりテニスを楽しめると、上手くなり、結果的に勝ちやすくもなる
 
一方テニスにストレスを感じていると、ホルモンバランスが崩れて学習能力が下がり、パフォーマンスが上がらないからなかなか上達せず、勝てるようにもなりにくい。
 
このような好悪の循環が、知らず知らずのうちに形成されます。
 

▶承認欲求は「依存」

 
テニスに限らず、一事が万事「簡単にできるようになるイージーモード設定」と「なかなかできるようにならないハードモード設定」との違いも、こんなところにありそうです。
 
そしてさらに根源的な心理について穿つと、他人に優れているなどと認められたいと思うのは、「依存」なのではないでしょうか?
 
他人からの評価を得たい、ベタベタとした「認めてよー」という寄りすがり。
 
だけど「認めてよー」と言い寄ってくる人を、人は普通、あまり認めようとしません。
 
むしろ皮肉にも、余計に認められなくなる。
 
結局、楽しめないからホルモンバランスが崩れてテニスにストレスを感じるせいで、なかなか上手くならないし、勝てるようにもなりにくい。
 
そんな悪循環のスパイラルに、うっかり突入しそうです。
 

▶突破口は「ボールを打つ楽しさを思い出す」

 
では、ブレークスルーを起こすには?
 
純粋にボールを打つ「楽しさ」と、他人に認められたい「承認欲求」との、「切り分け」です。
 
行き交うボールをよく見て、打った音、打った感触といった、五感を通じて得られる淡い刺激を、対人競技ではあるけれど、「自分一人でひっそり」と楽しむ
 
他人に「認めてもらう」ためではありません。
 
見て、聞いて、手応えを感じて、まるで「感覚遊び」を楽しむようなイメージです。
 
もちろん、ボールを上手く打てないときも、あるかもしれません。
 
たとえそうだとしても、「スパーン」だけではなく、「ボコッ」とか「ガツッ」とかの感覚変化も、微笑ましく受け止めてあげる
 

▶速いか遅いかばかりに躍起になると、「街の風景」を楽しめない

 
ところが勝ち負けの強烈な刺激に病みつきとなり、他人に認められるか否かを密かに(自分でも気づかないうちに)前提としてプレーしていると、そんな「楽しさ」を、感じにくくなってしまいます。
 
目的地に到着するのが、人より速いか遅いかばかりをあせると、移動中の「街の風景」を楽しめなくなるのに似ています。
 
他人からの評価抜きに、自分のなかだけでひっそり心から純粋に楽しむ「自立テニス」のススメ
 
街の風景のなかにも、決してキレイばかりではなく、そうではないと主観的に思える「殺風景」も、微笑ましく受け止めてあげます。
 

▶他人の目を気にしないから、子どもにかかれば「ちょちょいのちょい」


私たちはいつのころから、他人の評価を基準に、生き始めてしまうのでしょうか?
 
子どものころは、描きたい絵を描き、唄いたい歌を唄っていましたよね。
 
他人からの評価は抜きにして。
 
だから子どもの吸収は速いのです。
 
スマホの設定なんて、ちょちょいのちょいです。
 
それは、人より速く設定できるからエライとか、遅いからダメだとかのジャッジメントの介入なしに、スマホをイジるのが純粋に「楽しい」からです。
 

▶子どものころは、みんな高かった「自己肯定感」

 
そう、子どものころのほうが承認欲求に依存していなかったぶん、自分で楽しめた。
 
他人に認められようとは、思わない。
 
「自分はこれでいい」とありのままを受け入れられたから、子どものころはだれしも、「自己肯定感」が高かったのでした。
  

▶自分の楽しみは自分で楽しむ

 
ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅選手は、「自分の機嫌は自分で取る」と言いましたが、「自分の楽しみは自分で楽しむ」のが子ども。
 
他人に依存しない。
 
つまり、ややもすれば大人に比して「自立していた」という見方もできるのです。
 
ですからジュニアのうちからテニスを始めたプレーヤーは、驚異的なスピードで上達します。
 
だけど大人になるにつれて承認欲求を満たそうとし始めると、それとは引き換えに、純粋に楽しめなくなりがちです。
 
その結果、なかなかテニスが「できる」ようにならない。

いえ、子どもたちが驚異的なスピードで上達するというよりも、常識的なテニス指導でフォーム矯正に腐心する大人たちの上達スピードが、「驚異的に遅い」のです。
 
楽しむために始めたはずのSNSが、いつのまにか他人から承認欲求を得るためのツールに成り下がるのに似ています。
 
テニスもそれと同様に、他人から承認欲求を得るためのツールに成り下がっていないかどうか?
 
テニスも、仕事も、SNSも、街の風景も、純粋に楽しみたいものです。

楽しくて、なおかつパフォーマンスも上がる

それが、「イージーモード設定」です。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero