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1/15 【米12月CPI伸び鈍化、日銀は追加修正に動くか】

●米2022年12月消費者物価指数(CPI) 伸び鈍化


1月12日、米商務省が発表した消費者物価指数は前年比で6.5%(予想:6.5%、前回7.1%)で、事前予想に一致し前回から伸び幅は鈍化した。

変動の激しい食品とエネルギーを除いた財の価格は前月比で0.3%の低下であり、中古車価格の値下がりが大きい。またガソリンは前月比で9.4%低下し総合CPIの低下に寄与している。

(米CPI推移、出所:Investing.com)

CPI総合の約3割を占める住居費は、前月比で0.8%の上昇で11月から伸びが加速しているが、住居費は算出方法の関係から実態に遅行している。中古住宅販売件数は、2022年初から下落し続けている。

(米中古住宅販売件数推移、出所:Investing.com)

フィラデルフィア連銀ハーカー総裁は、今回のCPI結果を受け今後は0.25%で利上げを行うべきだ、との見方を示した。またリッチモンド連銀バーキン総裁は、インフレが減速しており昨年ほど積極的に利上げする必要はないとの認識を示した。

市場も次回FOMCでは0.25%の利上げを見込む。1週間前時点では、0.25%の利上げ予想が約76%、0.50%の利上げ予想が約24%であったが、現在は0.25%の利上げ予想が約94%となっている。

(次回FOMCでの利上げ幅予想、出所:CME FED WATCH)

●読売新聞 日銀の大規模緩和副作用点検観測記事

1月12日、読売新聞は日銀の次回金融政策決定会合で、金融緩和に伴う副作用を点検するとの観測記事を掲載した。日銀は前回2022年12月会合で長期金利の上限を0.25%から0.50%へ引き上げており、追加の修正が行われるか注目が集まる。

前回の会合後には、黒田総裁はYCC上限の引き上げは金融緩和をより円滑に行うためであり金融引締めではない旨の発言をしているが、急速な円高・株安の進行を招いている。今回の会合でさらにYCCの上限が引き上げられる、もしくは廃止される場合はさらなる円高・株安が進行するだろう。

(出所:Trading View)
(出所:Trading View)

そもそもYCCとは、日銀が2016年9月21日に導入を決めた政策であり、日銀当座預金の政策金利残高に0.1%のマイナス金利を適用して短期金利を操作する一方、10年国債利回りを日銀が設定する程度(現在は0.50%)で推移するよう長期国債を買い入れて長期金利を操作するものだ。

(出所:日本経済新聞)

利回り曲線のゆがみを日銀が修正することにかけて、市場では日本国債を売る動きが絶えない。日銀は足元で1日あたり5兆円程度の国債買い入れを行い対抗しているが、先行きは不透明だ。

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