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今更人に聞けない四字熟語vol.11「美辞麗句」「風林火山」
「美辞麗句」(びじれいく)
【意味】
巧みに美しく飾った言葉。うわべだけ飾った内容の乏しい、また
真実味のない言葉の意。「辞」は言葉・言語。「麗句」は美しい語句の意。
目上の人に気に入られるためにお世辞を言う人を非難する時に、「あの人は
美辞麗句ばかり並び立てる」と表現することを覚えておきましょう。
【語源】
由来は明確ではないのですが、『美辞』という言葉については、三国志の
英雄の一人、魏の曹操の息子(五男)である曹植が記した『曹植 辯道論
( べんどうろん )』にある一節、「温顔以誘之、美辞以導之、温顔を以て之を誘い、美辞を以て之を導く」
現代語訳:穏やかな顔で誘いかけて、美しい言葉で導く。
曹植は、文才に長け、度量が大きく、小さな物事に拘らない自由奔放な天才肌の貴公子だったそうです。
美辞麗句という漢字四文字の表現は中国にはなく、後に日本で『美辞』と
『麗句』を重ね合わせて作られた表現だと考えられます。
【例文・使い方】
(1)当選したい一心で美辞麗句で飾り立てただけの政見放送なんて、
見ようとも思わない。
(2)どんなにいいことを言っていても美辞麗句を並べるだけでは、薄っぺらく聞こえてしまうものだ。
(3)美辞麗句ばかりの告白よりも、口下手な彼のぎこちない言葉の方が私の心にはずっと響くものがあった。
どんなにいいことを言っても、飾り立てた言葉だけでは薄っぺらく聞こえてしまい、人の心に響かないことは多くあります。
人の心を掴むというのは難しいものですね・・・。
「風林火山」(ふうりんかざん)
【意味】
戦いくさにおける四つの心構え。 風のようにすばやく動き、林のように静かに構え、火の如く激しく攻め奪い、山のようにどっしりと構えて動かない意。 「其その疾はやきこと風の如ごとく、其の徐しずかなること林の如く、侵掠しんりゃくすること火の如く、動かざること山の如し」の略。
【語源】
古代中国の文献「孫子」に書かれた文を略した言葉です。「孫子」は、戦争などの兵の用い方を解説した兵法書です。戦争で勝つためにはどのようにすればよいかを理論的に解説しています。
「孫子」には、「風林火山」という言葉が書かれているのではなく、複数ある文章から1文字ずつ取り出したものが「風林火山」です。
原文
疾如風
疾(はや)きこと風の如(ごと)く
徐如林
徐(しず)かなること林の如(ごと)く
侵掠如火
侵し掠(かす)めること火の如(ごと)く
不動如山
動かざること山の如(ごと)し
【例文・使い方】
(1)彼の戦術は、まさに風林火山だと言えるだろう。
(2)勝利のためには、風林火山のように、情勢や時機をよく見ながら動くことが大切だ。
(3)武田信玄が掲げた風林火山の軍旗を見て、敵は戦う前から恐怖心を抱
いていたらしい。
武田信玄が発した言葉だと思っておりましたが、語源は違うみたいですね。
どうにもイメージで覚えていたので正式な由来を知り納得でが、やはり武田信玄を想像してしまいます・・・。
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